重工業、エンジニアリング会社 決算状況 2024年12月期
重工業、エンジニアリング会社 決算状況 2024年12月期

重工業、エンジニアリング会社 決算状況 2024年12月期

売上収益: 今期大型案件が完工し完成工事高が減少した千代田化工を除いて各社増収。
 重工業各社は航空宇宙関係が伸長し増収。
 東洋エンジはブラジル子会社化分の売上増での増収。
 日揮は主力のエンジニアリング事業が低調にて減収。

営業利益: 日揮と東洋エンジが前期比減益、他は同等および増益。
 川崎重工とIHIは前期民間航空機エンジン関係での損失計上分が抹消され大幅増益。
 東洋エンジは日本、ブラジル案件での採算悪化で減益。
 日揮はエンジニアリング事業停滞で赤字化、社長交代。

三菱重工

売上収益
・概況:全セグメント好調、特に防衛・宇宙、航空機・飛昇体が伸長し、前年同期比8.8%増となる3兆5,4775億円となった。
・セグメント:エナジーは米州でのGTCC受注増、航空エンジンは売上増のほか前期一時費用計上解消にて前年同期比6.8%増となる1兆2,788億円、プラント・インフラは製鉄機械が円安効果あり0.1%増の5,864億円、物流・冷熱・ドライブシステムは物流機器減収をエンジン、カーエアコンが補い1.0%増の9,654億円、航空・防衛・宇宙は順調な工事の進捗で30.9%増の6,896億円となった。

事業利益
・概況:エナジー、プラント・インフラ、航空・防衛・宇宙の3セグメントが前年同期比増益。売上増・利益率改善、為替円安影響、一時費用のリバウンド等が寄与し、事業利益は前年同期比38%増の2,647億円となった。
・セグメント:エナジーはGTCC、航空エンジン、原子量が増益となり前年同期比78.4%増となる1,545億円、プラント・インフラはエンジニアリング、製鉄機械、機械システムが増益47.0%増の397億円、物流・冷熱・ドライブシステムは物流機器、ターボチャージャーが減益にて28.1%減の423億円、航空・防衛・宇宙は民間機777の出荷機数減で減益も好調な防衛・宇宙がカバーし30.0%増の697億円となった。

川崎重工

売上収益
・概況:航空宇宙システム事業を中心とした各事業での増収、3Qとしては過去最高となる1兆4,073億円(前年同期比14.5%増)となった。
・セグメント:航空宇宙システムは前期民間航空エンジンの運行上の問題で損失計上を計上した分が解消され前年同期比50%増となる3,544億円、車両は米国向け増加により5.1%増の1,427億円、エネルギーソリューション&マリンは国内向けごみ処理施設整備・運営事業の大口案件や防衛省向け艦艇用機器が増収に寄与し11.4%増の2,609億円、精密機械・ロボットは半導体製造装置向けロボットや精密機械分野が主要因で0.1%増の1,688億円、パワースポーツ&エンジンは北米四輪車の減少があるも二輪車の増加と円安効果で3.2%増の4,172億円となった。

事業利益
・概況:前期PW1100G-JMエンジン運行上の問題に係る損失計上580億円がなくなったことが大きな増益要因となり、前年同期7億円から790億円と約100倍に増加した。
・セグメント:航空宇宙システムは増収効果などにより前期355億円の損失から293億円の利益を計上、車両は57.7%増の41億円、エネルギーソリューション&マリンは51.2%増の251億円、精密機械・ロボットは増収効果に加え価格転嫁など収益改善活動により前期43億円の損失から32億円の利益、パワースポーツ&エンジンは増産投資による固定費増で10.3%減の287億円となった。

IHI

売上収益
・概況:前期PW1100G-JMエンジン関係で一時的損失を計上したことの反動から前年同期比増32.7%増の1兆1,499億円となった。
・セグメント:資源・エネルギー・環境はカーボンソリューションで減収も原動機やアジア拠点EPCの増益で全同月比3.9%増の3,038億円、社会基盤は橋梁・水門,交通システムやシールドシステムで減収により8.0%減の1,079億円、産業システム・汎用機械は、パーキングや熱・表面処理の増収で3.9%増の3,502億円、航空・宇宙・防衛は民間向け航空エンジンスペアパーツ販売増などにより190.1%増の3,773億円となった。

営業利益
・概況:車両過給機における事業構造改革費用や不適切行為に関連した費用の計上等の影響はあったが、民間向け航空エンジンの大幅な増収により前年同期比増99.7%増となる1,034億円となった。
・セグメント:資源・エネルギー・環境は・カーボンソリューションでの減益のほか、原動機でエンジン試運転記録に係る不適切行為に関連した燃費補償費用等を計上したことにより前年同期比33.7%減の110億円、社会基盤は前期27億円の利益から2億円の損失、産業システム・汎用機械は車両過給機で事業構造改革費用を計上したことなどにより66.7%減の29億円、航空・宇宙・防衛は民間向け航空エンジンで,貸倒引当金計上に伴う販管費増加の一方,スペアパーツ販売増,整備費用の発生遅れの影響により152%増の946億円となった。

日揮HD

売上収益
・概況:主力のエンジニアリングの伸長はないものの、触媒やファインセラミックスでの増加により前年同期比0.5%増となる6,041億円となった。
・セグメント:総合エンジニアリングは顧客の設備投資計画はあるも金利上昇やインフレにより投資決定に慎重姿勢で前年同月比0%の5,613億円、機能材製造はFCC触媒や半導体関連の成長に合わせファインケミカル、ファインセラミックス分野が好調で8%増の397億円、その他は5%増の29億円となった。

営業利益
・概況:エンジニアリング事業の停滞から利益確保できず前期92億円の利益から192億円の損失減益となった。
・セグメント:総合エンジニアリングは前年同期86億円の利益から198億円の欠損、機能材製造は前年同月比7%増の58億円、その他は2%増の7億円となった。

千代田化工

売上収益
・概況:今期インドネシア銅精錬が完工し、完成工事高(売上収益)は12.9%減となる3,460億円となった。

営業利益
・概況:国内外案件の順調な進捗に加え、米国ゴールデンパスLNG第1系列の契約改定に伴う採算改善が寄与し前年同期比11.2%増となる198億円を計上した。

東洋エンジニアリング

売上収益
・概況:子会社化したブラジル分の売上増により前年同期比8.6%増となる2,55億円となった。

営業利益
・概況:インド、中国では順調な収益性あるも一部の国内案件およびブラジル案件での採算が悪化し前年同期比62.7%減となる20億円となった。

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