売上収益: ユタカ技研を除いて各社とも日本、北米を中心とした顧客の生産台数増加影響、及び円安影響から、前年同期に対し増収。
ユタカ技研は、中国での減産影響及び貴金属価格下落によるマイナス影響大きく減収となった。
営業利益: 各社増収効果及び為替影響から増収となった。
ティ・エステック及びエイチワンは前年同期の営業損益低調対して回復したことにより前年同期比では大幅増益となった。
テイ・エステック
売上収益
・概況:米州、日本での増産効果により前年同期比20.7%増の1,125億円となった。
・事業セグメント:二輪事業は前年同期比4.0%増の19億円、四輪事業は同21.4%増の1,049億円、内シートが同22.4%増の957億円、内装品が同12.0%増の92億円、その他の事業が同14.8%増の56億円であった。
・地域セグメント:日本は増産効果及び機種変更良化により前年同期比42.9%増の249億円、米州は為替効果、増産効果により同26.8%増の687億円、中国は減産影響などで同14.9%減となる157億円、アジア・欧州は為替影響及び部品売上増で同3.2%増の90億円となった。
営業利益
・概況:増収効果により前年同期比2417%増の24億円となった。
・地域セグメント:日本は増収効果により前年同期比44.0%増の249億円、米州は前年同期3億円の損失から12億円の利益計上に改善、中国は減収影響により同10.6%減の8億円、アジア・欧州は前年同期4.5億円の損失から6,500万円の損失に改善した。
武蔵精密工業
売上収益
・概況:中国を除き安定、または順調な販売推移、及び円安影響から前年同期比7.9%増の889億円となった。
・地域セグメント:日本は安定受注及びDXなどによる改善効果から前年同期比1.6%減となる93億円、米州は好調な自動車販売と円安影響から同16.9%増の273億円、アジアは2輪車向けが好調で同13.6%増の195億円、中国は日系自動車販売低迷により同8.3%減の72億円、欧州は改善施策が進展し同4.2%増の256億円となった。
・ホンダGr向け売上比率:48.5%。
営業利益
・概況:増収、円安効果、及びDX活用など収益改善施策効果により前年同期比73%増の39億円となった。
・地域セグメント:日本はDX等改善効果などで前年同期比10.6%増の7億円、米州は、同32.3%増の13億円、アジアは日系自動車販売低迷による限界利益率割れで2億円の損失(前年同期は8,500万円の利益)、欧州は収益改善施策及び円安により前年同期3億円の損失から2.9億円の利益に改善した。
武蔵精密は、電動車向け製品が順調に受注していること、新規事業でハイブリッドスーパーキャパシタ、e-Mobilityでインドでの2輪eAxleの量産開始したこと、スマートインダストリィでのAI外観自動検査機の外販拡大などを強調している。
また、2024年4月26日に買収が確定したレーザー加工技術開発のワイヤード社について取得対価が3.6億円で、のれんを2.53億円計上している。
ジーテクト
売上収益
・概況:日本、北米での増産、金型・設備等の開発売上の増加、及び為替影響から前年同期比10.2%増の868億円となった。
・地域セグメント:日本は生産台数増加、金型・試作等の開発売上増により前年同期比31.9増の173億円、北米は生産台数増加び為替影響により同14%増の330億円、欧州は車種開発売上が増加し同22.9%増の105億円。アジアは生産台数減少あるも車種構成変動及び為替影響により同1.3%増の93億円、中国は生産台数の減少により同17.5%減の143億円、南米は生産台数増加により同4.7%増の43億円となった。
営業利益
・概況:増収効果や車種構成の変化が寄与し前年同期比17.1%増の30億円となった。
・地域セグメント:日本は増収効果、車種開発売上増で前年同期比136.4%増の12億円、北米は車種開発減、労務費増、設備修繕費計上により同17.7%減となる7億円、欧州は同31.4%増の8億円、アジアは生産効率改善、及び修繕費減少により同58.9%増の1億円、中国は減収影響大きく前年同期5,800万円の損失から2.8億円の損失に悪化、南米はロイヤリティ負担増、労務費増により同45.8%減の1億円となった。
ジーテクトは、メキシコ税務当局よりジーテクトのメキシコ子会社の2021年12月期の税務申告に対して、追加納税を命じる通知を受領した。これに対しジーテクトは不服申し立てを行ったが、2024年7月2日に主張を大筋却下されたため、訴訟により当局と争う提起を行うとしている。現時点でこの件に関して引当金等の計上は行っていない。
エフテック
売上収益
・概況:中国での減産影響あるものの日本、北米での受注増により前年同期比5.0%増の747億円となった。
・地域セグメント:日本は生産台数増加による受注増及び新規得意先からの受注により前年同期比4.5%増の69億円、北米は10.4%増の559億円、アジアは中国での減産影響から同13.8%減の119億円となった。
営業利益
・概況:増収効果および円安効果から前年同期比91.8%増の1億円の利益を計上した。
・地域セグメント:日本は増収効果から前年同期比305.5%増の6,100万円、北米は労務コスト上昇及び原材料高騰から前年同期2億円の利益から1,400万円の損失に減益、アジアは中国減産影響を製造コスト削減努力を行い前年同期2.8億円の損失から6,100万円の損失に改善させた。
エフ・シー・シー
売上収益
・概況:インド、米国での販売増加及び円安影響から前年同期比13.6%増の641億円となった。
・製品別セグメント:二輪事業がインド、インドネシアでの二輪クラッチ販売増により前年同期比15%増の287億円、四輪事業は米国での四輪クラッチ販売増により同12.5%増の353億円、非モビリティ事業が前年同期300万円から1,000万円に増収した。
・地域セグメント:日本は前年同期比6.9%増の60億円、米国は販売増や円安から同16.1%増の282億円、アジアは二輪用クラッチ販売増により同12.2%増の270億円、その他は同19.5%増の27億円となった。
営業利益
・概況:増収、円安効果から前年同期比64.3%増の49億円となった。
・製品別セグメント:二輪事業は増収効果から前年同期比110.8%増の30億円、四輪事業も同19.8%増の25億円、非モビリティ事業は前年同期6.1億円の損失から7.1億円の損失に拡大した。
・地域セグメント:日本は前年同期とほぼ同等の7億円の損失、米国は増収効果から前年同期比25.0%増の27億円、アジアも同91.8%増の25億円、その他は同278%増の5億円となった。
*引当金:米国での製品不具合関連にて2024年4月1日付けで83億円の製品保証引当金を計上しているが、6月30日までの期中で14億円を積み増しし、97億円の引当金計上を行っている。
エイチワン
売上収益
・概況:自動車フレーム生産量は前年同期に比べ10%減少したが、販売価格見直し、為替影響から前年同期比12.0%増の578億円となった。
・地域セグメント:日本は自動車フレームの生産増加及び販売価格適切化により前年同期比10.3%増の127億円、北米も日本と同理由及び設備売上増により同33.6%増の312億円、中国は生産減少により同26.0%減の90億円、アジアは生産減少により同7.0%減の60億円となった。
営業利益
・概況:増収効果、労務費削減、前期固定資産の減損処理による償却負担が消滅し、前年同期2億円の損失から32億円の利益計上に回復した。
・地域セグメント:日本は増収効果および製造コスト削減、前期減損処理負担の消滅により前年同期比169.7%増の16億円、北米は前年同期1億円の損失から27億円の利益に改善、中国は減産による減収影響をコスト削減施策、償却負担減で前年同期4億円の損失から1億円の利益に回復、アジアは減収による付加価値減により前年同期1億円の損失から2億円の損失に拡大した。
ユタカ技研
売上収益
・概況:貴金属の価格下落があったが、原材料や輸送費高騰分の価格転嫁により前年同期比6.3%減の452億円となった。
・地域セグメント:日本は受注増、為替影響により前年同期比11.2%増の99億円、北米は受注増により同27.9%増の191億円、アジアは同5.9%増の79億円、中国は貴金属の価格下落及び大幅な受注減により同42.8%減となる11億円、その他は同18.0%減の3億円となった。
営業利益
・概況:減収分を合理化施策により挽回し、前年同期比0.2%増の15億円となった。
・地域セグメント:日本は増収効果のほか費用削減施策により前年同期6,900万円の損失から2億円の利益を計上、北米は増収効果のほか価格転嫁等により前年同期3,100万円の利益から5億円の利益に改善、アジアは労務費負担増により前年同期比30.7%減の3億円の利益、中国は減収影響のほか急激な生産変更対応により費用がかさみ同89.1%減の1億円の利益、その他は同89.8%増の9,000万円の利益計上となった。