トヨタ系 2023年度3Q
・各社とも、北米、日本での好調な自動車販売に伴い増収。
・デンソーは品質問題で前年同期マイナスだが、その他各社は売上増等の影響で増益。
デンソー
売上収益
・車両販売の増加、 円安の進行、注力領域製品などの拡販により、前年同期比で15.5%増となる5兆3,548億円。
・製品別では、モビリティエレクトロニクスが27%、エレクトリフィケーションが前期比23.5%増と売上をけん引。
・地域セグメントでは、日本が17%、北米が12.8%増と好調な車両販売により増収に寄与。
・トヨタGr向け売上比率は52.6%と前期の50.2%から2.4ポイント増加した。
営業利益
・電子部品を中心とした部材費高騰、および燃料ポンプ品質問題の引当が追加で前年同期比11%減となる2,385億円。
・地域セグメントでは、前期マイナスだった北米もプラスに転じ、すべての地域で利益を計上。品質問題を抱える日本は前期比84.8%の減少となった。
アイシン
売上収益
・車両生産台数の増加や円安影響などで前年同期比16.1%増の3兆7,287億円。
・パワートレインユニット販売台数が前期比16%増の809万台、その内eAxleなどの電動ユニット販売台数が80%増の171万台と売上をけん引した。
営業利益
・売上増による事業環境改善および体質強化改善努力により、前年同期比2.5倍増となる937億円。
・ただし、北米でのエアバックリコール関連を含む品質関連費用630億円をマイナス計上した値となっている。
・地域セグメントでは、前期赤字だった日本は754億円と大幅増加。北米は赤字幅縮小も56億円の損失。
豊田自動織機
売上収益
・車両事業の売上増加、円安などにより前年同期比14.6%増となる2兆8,275億円。
・事業セグメントでは、自動車が前期比29.4%増、産業車両が66.6%増と好調。
・エンジン検査不正による国内認証問題の影響は3Q決算には盛り込んでいない。
営業利益
・売上増加、為替変動影響、原価改善活動、物流費の減少などにより。前年同期比44.9%増の2,009億円。
・地域セグメントはすべての地域で利益を計上。欧州が22.4%増、北米が14.7%増、日本が12.9%増。
トヨタ紡織
売上収益
・グローバルでの車両生産台数回復に伴う増産などにより前年同期比25.8%増となる1兆4,711億円。
・地域セグメントでは、売上の約半分を占める日本が前期比39.5%増とけん引。米州も21.8%増。BEV化が進む中国は1.6%増にとどまった。
営業利益
・増産効果や車種構成の変化により、前年同期比168%増となる767億円。
・うち、前期ロシア事業終了による営業損失80億円が相殺されている。
・地域セグメントでは、前期マイナスだった日本が181億円のプラス、同じくマイナスだった北中南米が0となった。アジア・オセアニア地域が前期比28.9%増となる291億円と利益をけん引。
ジェイテクト
売上収益
・自動車の生産回復等により前年同期比15.3%増の1兆4,118億円。
・事業セグメントでは、自動車が前期比20.9%増の1,731億円、産機。軸受が中国・アジアの減少を日本・欧州が相殺し、3.1%増の80億円、工作機械は北米での販売増加で4.3%増の57億円。
事業利益
・売上増の影響などから前年同期比70%増の545億円。
・事業セグメントでは、自動車が前期比234.6%増。産機・軸受は原材料価格、エネルギー費の高騰により11.3%減、工作機械は4.2%増となった。
豊田合成
売上収益
・日本、米州を中心とした生産台数増などにより前年同期比14.6%増の8,042億円。
・製品領域別では、セーフティシステムが前期比21.8%増の2,983億円、内外装が7.8%増の2,831億円、機能部品が16.1%増の1,332億円、ウェザストリップが12.6%増の894億円。
・地域セグメントでは、すべての地域で前年度プラスで利益を計上。アジアは中国・アセアンでの減少をインドの増販効果で前期比16.7%とした。
・トヨタGr向けが67.7%。
営業利益
・増販効果や合理化により前年同期比136%増の559億円。
・地域セグメントでは、日本が前期8億円から133億円と大幅増、米州が146%増の226億円。インドの増販効果でアジアは15.7%増の178億円となった。
フタバ産業
売上収益
・部品の供給不足解消による客先からの受注増により前年当期比18.5%増となる6,101億円。
・セグメントでは、北米が前期比34.9%、日本が29.5%増となったが、中国が12.8%、アジアが11.6%減となった。
営業利益
・収益改善により営業利益も改善し、前年同期比547%増となる160億円(営業利益率2.3%)。
・各セグメント共に前期比増加・北米は前期損失から19億円の利益確保。日本は前期比10倍となった。
東海理化
売上収益
・部品の供給不足解消による客先からの受注増により前年当期比16.2%増となる4,749億円。
・製品別では、HMI製品が前年同期比17.1%増、シートベルトが15.9%、スマートシステムが14.8%、シフトレバーが20.9%増などとなった。
・地域セグメントでは、日本、北米、アジア、その他すべてで前期比増となった。
・顧客別売上割合ではトヨタが65.5%を占める。
営業利益
・売上増による利益増のほか、原材料価格影響や原価低減改善効果もあり、営業利益は前年同期比353%増となる332億円(営業利益率7.0%)。
・地域セグメントでは、前年同期マイナスだった日本、北米がプラスに改善し、すべての地域セグメントで利益を計上した。