クリーンエネルギー&プラスチック関連動向   2025/1/20
クリーンエネルギー&プラスチック関連動向   2025/1/20

クリーンエネルギー&プラスチック関連動向   2025/1/20

水素、アンモニア、LOHC

双日 ターコイズ水素製造技術開発フィンランドスタートアップに追加出資        2024/1/9

 双日は、フィンランドでターコイズ水素および固体炭素の製造技術を開発するHycamite TCD Technologies(ハイカマイト)社に追加出資したと発表した。双日は2023年7月にハイカマイト社に出資していて、今回の追加出資で筆頭株主となった。ハイカマイト社はメタンの熱分解による水素と固体炭素を製造する技術開発を行っている。2025年初頭からフィンランド西部の工業団地内に設置した商業規模の実証設備を稼働させる予定だ。今回調達した資金は、この商業規模プラントを稼働させるために使用される。年産2,000トン(約2,880Nm3/h)のターコイズ水素が生産される予定だ。

合成燃料

カナデビア CO2直接LPG合成に成功 2025/1/14

 カナデビアは、産総研およびAISTと共同で、CO2から直接液化石油ガス(LPG)を1MPa以下の低圧条件で合成することに成功したと発表した。新たにLPG合成プロセス用触媒および装置を開発した。詳細は明らかにしていない。カナデビアは、2023年4月、産総研内と共同で「カナデビア-産総研 循環型クリーンエネルギー創出連携研究室」を設立。2024年4月には、研究室の共同テーマ「下水汚泥からの水素製造プロセスに関する研究」で産総研理事長賞を受賞している。カナデビアは今回の成果を基に、2026年には年産3~4トン規模の実証実験を開始する予定だ。将来的には、再生可能エネルギー由来の水素を使用して、グリーンLPGを合成するとしている。

ENEOS 家庭からの廃食用油活用SAFサプライチェーン構築で連携    2025/1/15

 ENEOSは、セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、三井不動産レジデンシャル、三井住友銀行、吉川油脂、野村事務所と共同で、千葉県内のスーパーマーケットやコンビニの店舗、大規模分譲マンションを拠点として、家庭からの廃食用油の回収とSAF導入推進に向けたサプライチェーン構築事業を実施すると発表した。当初、バイオディーゼル燃料の製造などへの適用を行い、将来的には回収した廃食用油を原料としてENEOSがSAFを製造し、成田国際空港に供給するまでのサプライチェーン構築を目指す。

IHI CO2原料SAF製造試験装置がシンガポールで完成         2025/1/16

 IHIおよびIHIのシンガポール法人IHIAPは、シンガポール科学技術研究庁傘下の研究機関ISCEと共同で建設していた、水素とCO2からSAF原料となる液体炭化水素を1日あたり5kg製造できる小型試験装置の設置が完了したと発表した。IHIとISCEは、2022年にSAF合成用触媒を開発しラボ試験で世界トップレベルの性能を持つことを確認している。IHIは、今回の試験装置の稼働により、合成プラントの運転条件の最適化や反応器のデータ取得などの検証を行う。今後、2020年代後半のASTM認証の取得、2030年頃の商用化を目指すとしている。

三菱商事、JOGMEC eFuel事業米会社に出資参加         2025/1/17

 三菱商事とJOGMECは、米国でeFuel事業を手掛けているInfinium(インフィニウム)社に出資したと発表した。インフィニウム社は、ワックス分の生成を抑える独自のFT合成用触媒技術を保有していて、工場排ガスからのCO2と水の電気分解による水素から合成ガスを生成し、独自触媒を使用したFT合成反応器で低炭素eFuelを製造している。米国テキサス州コーパスクリスティでeFuel製造の第1号案件事業を行っているほか、テキサス州西部での第2号案件を計画していて、第2号案件は稼働時には世界最大規模のeSAF製造能力を持つプラントとなる予定だ。また、米国のプロジェクトのほか、フランスのアルセロールミタルの製鉄工場からのCO2を使用したeFuelプロジェクトにインフィニウム社の技術が用いられる。精製されたeFuelは、主にeディーゼルとeSAFに精製され、2023年からはアマゾンのトラックの燃料として供給されると報道されている。2021年には三菱重工がインフィニウム社に出資している。三菱商事は、インフィニウム社への出資を通じ、eFuelへの知見を深め、日本へのeFuelの供給を視野に入れるとしている。

CO2回収、DAC、CCUS

千代田化工 積水化学向けCO2→CO変換プラントのEPC業務を受注 2025/1/16

 千代田化工は、積水化学工業からCO2をCOに変換するケミカルルーピング技術用のCO2処理プラントのEPC業務を受注したと発表した。積水化学がNEDO GI基金事業に採択されたプロジェクトでの中型試験機建設でのEPC業務となる。

体制

三井化学、三菱ケミカル フェノール関連製品の安定供給で協力         2025/1/17

 三井化学と三菱ケミカルは、フェノール関連製品の安定供給に向けた共同検討を開始したと発表した。中国を中心としたアジアでのフェノール関連製品の大幅な供給過多による市況低迷や国内需要の縮小によりフェノール関連製品の事業環境は厳しい。三井化学は2024年4月、千葉県市原市の市原工場のフェノールプラント(年産能力19万トン)を2026年度までに停止することを決定している。また、三菱ケミカルも2024年3月に福岡県北九州市にある九州事業所のビスフェノールAプラント(年産能力12万トン)を停止する判断をしている。このような状況のもと、両社は、会社の枠を超えて、各社の定期修理期間中やトラブル時の供給対応や両社のタンクの効率的運用、物流の合理化などフェノール関連製品の供給安定性を向上させる施策を検討し実行していく。フェノール関連製品には、フェノール、アセトン、アルファメチルスチレン、ビスフェノールAおよびメチルイソブチルケトンが含まれる。

プラスチック

カネカ PVC樹脂生産体制再構築  東亞合成 PVC受託製造撤退       2025/1/15

 カネカは、東亞合成との塩化ビニル樹脂(PVC)の製造委託契約を2025年12月末に終了し、自社のPVC生産拠点である兵庫県の高砂工業所および茨木県の鹿島工場の能力増強による体制再構築を行うと発表した。また、同日東亞合成は2025年12月末をもってPVC受託製造を終了し、関連生産設備を停止すると発表した。
 石油化学工業協会によると2022年末のPVC年間生産量は、カネカが37万トン、東亞合成が12万トン。塩ビモノマーはカネカが54万トンで、東亞合成の川崎工場で生産するPVCは、カネカの高砂工業所から供給を受けていた。東亞合成は1949年に名古屋工場でPVCの生産を開始、2011年にはヴィテックの解散を受けPVCの生産を行ってきたが、収益性の高い高機能製品の拡充によるポートフォリオ見直しの一環としてPVC受託製造事業から撤退する。

日本ポリプロ 環境負荷低減PP製品を立上げ   2025/1/16

 日本ポリプロは、環境負荷低減原料を使用したポリオレフィン製品ブランドとして、日本ポリエチレンと共同運用する「NOVAORBIS(ノバオルビス)」を立ち上げると発表した。今後、マテリアルリサイクルPPのNOVAORBIS-MR、ケミカルリサイクルPPの-CR、バイオPPの-BP、そして三菱ケミカルで事業化を予定するカーボンリサイクルPPの-CUグレードを2025年から順次立ち上げていく。日本ポリプロおよび日本ポリエチは、両社の持株会社である日本ポリケムと共に日本ポリケムグループを構成し、NOVAORBISは日本ポリケムグループの環境負荷低減ブランディング「HOPE&LOOPP」の具体化のひとつとしている。

ニュースウォッチ

  • 住友化学、ケミカルリサイクル技術の製造ライセンス供与 2025/1/13

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