2024年 水素、アンモニア、合成燃料、CCS動向まとめ
2024年 水素、アンモニア、合成燃料、CCS動向まとめ

2024年 水素、アンモニア、合成燃料、CCS動向まとめ

 2024年1月から11月中旬までに、クリーンエネルギー関連各社が発表した覚書、FS、FEED、EPC動向についてまとめる。

目次
水素、MCH
アンモニア
合成燃料
CO2回収、輸送
CCS

水素、MCH

A01: 北海道苫小牧西部エリアで洋上風力発電などの再生可能エネルギーを活用し、100MW以上の水電解プラントで水素を製造、パイプラインで供給するサプライチェーンの構築を2030年頃までに目指す。実現すれば日本国内で最大規模の水素サプライチェーンとなる。

A08: ENEOSは、米国のメキシコ湾岸で水素、MCH、アンモニアのプラント開発を行っている米国企業MVCEガルフコースト社に出資した。ENEOSは、MVCE社からのクリーン水素製造およびMCHでの日本への輸出に関するFS検証を推進する。

A12: 日揮グローバルが、ENEOSと住友商事がマレーシア・サラワク州で計画を推進するグリーン水素製造プラントとMCH製造プラントに係るFEEDを受注。グリーン水素を年90,000トン規模製造するプラントと、水素をMCHに転換するプラントに係る基本設計を行う。

アンモニア

B06: JERAは、CF Indistriesと低炭素アンモニア製造プロジェクトに関する共同開発契約を締結。米国メキシコ湾岸ルイジアナ州で年間約140万トンの低炭素アンモニア製造拠点開発を行い、2028年に生産開始を予定する。将来日本国内向けに年間50万トン以上のアンモニア調達を検討する。

B09: つばめBHBは、工業用途向けに国内で2機目となる小型アンモニア合成設備を受注したと発表。受注したアンモニア合成設備容量は年産500トンで、2024年8月からFEEDを実施し、2026年夏頃の生産開始を予定する。相手先は非公表。

B10: 三井物産は、UAEのアブダビ国営石油会社ADNOCが出資するタジーズ、ファーティグローブ、韓国のGSエナジーと共同で、UAEルワイスでアンモニア製造プラントの建設を開始した。低CO2排出アンモニアを2027年から年間100万トン製造予定。その後CCS追加を予定する。三井物産は、製造するアンモニアの一定量を引き取り、日本をはじめとするアジア域内に供給する計画。

合成燃料

C04: 丸紅は、ドバイの国営石油・ガス会社Enocなどと、ドバイでのSAF製造事業FSを実施。現在埋め立て処理をされている一般廃棄物を原料としたSAFの製造・販売に関わる商流、廃棄物燃料化技術などの検討を行う。

C05: 日立造船は、開発した「バイオマス二段階原燃料化システム」を適用し、一般廃棄物中のバイオマスをエタノールに変換し、SAF製造事業者へのバイオエタノールを供給するモデルを検討する。

C06: 出光興産は、徳山事業所でのHEFA技術によるSAF製造プロジェクトがFEEDに移行。出光は2030年までに年間50万kLのSAFを国内に供給する体制を構築することを目標に、徳山事業所で2028年度に年間25万kLのSAF生産開始を目指す。

CO2回収、輸送

D04,05: 三菱重工業は、ハイデルベルク・マテリアルズ社から2案件のCO2回収プラントFEEDを受注。Advanced KM CDR Processを適用し、① 英国フリントシャー州のペイズウッドセメント工場向け年間最大80万トンのCO2を回収する設備設計を行う。② カナダ・アルバータ州エドモントンにある既設セメントプラント向け、最終的には年間100万トンのCO2を回収する設備の設計を行う。

CCS

E09: JOGMECが9月5日に発表した「令和6年度 先進的CCS事業に係る設計作業等」採択案件。以下の9案件が採択された。①苫小牧地域CCS事業(貯留量約150~200万トン/年)、②日本海側東北地方CCS事業(約150~190万トン/年)、③東新潟地域CCS事業(約140万トン/年)、④首都圏CCS事業(約140万トン/年)、⑤九州西部沖CCS事業(約170万トン/年)、⑥マレーシア マレー半島沖北部CCS事業(約300万トン/年)、⑦マレーシア サラワク沖CCS事業(約190~290万トン/年)、⑧マレーシア マレー半島沖南部CCS事業(約500万トン/年)、⑨大洋州CCS事業(約200万トン/年)。

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