研究
住友ゴム タイ・コンケン大学と天然ゴムに関する共同研究を開始 2024.5.8
住友ゴム工業は、タイのコンケン大学とゴムノキの組織培養技術についての共同研究に関する協定を締結したと発表した。住友ゴムは、ゴムノキの一部組織を試験管内で培養する「組織培養技術」により苗を生育する研究を行っていて、一般的な「接ぎ木」由来の苗と比較して、植え付け初期の成長が早いことが確認されている。コンケン大学との共同研究では、組織培養由来のゴムノキの苗と接ぎ木由来の苗の生育状態や、植物生理学的反応に関するデータを取得し、収量向上につながる機構を解明する。
技術・製品
ジェイテクト 水素エンジン向け高圧水素減圧弁の開発に着手 2024.5.7
ジェイテクトは、水素エンジン車向け「高圧水素減圧弁」の開発を推進していると発表した。開発する高圧水素減圧弁は、パルプから供給された高圧水素をエンジンで必要な圧力に減圧する製品となる。ジェイテクトはこれまで燃料電池車向けに高圧水素供給バルブと高圧水素減圧弁を供給してきた。水素エンジン車向け減圧弁もこれまでのノウハウを活用して最適な製品を開発するとしている。
フタバ産業 CO2回収システムをトラックに搭載し公道実験走行を実施 2024.5.9
フタバ産業は、物流大手SBSホールディングスと共同で2月29から3月4日に、愛知県名古屋市内で「内燃機関トラック向け車載CO2回収システム」の公道実験走行を実施し、CO2排出量ゼロの状態で10kmの走行を確認したと発表した。フタバ産業は自動車用マフラーを製造していて、排ガス制御技術を保有している。CO2回収システムはマフラーからパイプを通して排ガスを取り込み、ゼオライトにCO2を物理吸着させ回収する。回収されたCO2は農業用ハウスでの活用や、e-メタンの原料としての活用が想定されるとしている。
NOK ENEOSと共同で自己潤滑ゴムを開発 2024.5.9
NOKは、ENEOSと共同して、オイルシールなどのシール製品の摩擦を従来比最大40%低減する「自己潤滑ゴム」を開発したと発表した。自己潤滑ゴムは、ゴム配合を調整し分子スケールの界面制御を行うことで、従来のの低摩擦オイルシールよりも30%から40%摩擦を低く抑えられる。密封性には差がないことは確認済みだ。環境負荷低減、およびモータの高周速化によりシール部材が使用される環境は厳しくなってきている。今後BEV用モータやeAxleなどへの適用で電費の向上に貢献していくとしている。
日本精工 ロッキングクラッチ、磁歪式トルクセンサを開発 2024.5.10
日本精工は、自動車の後輪操舵アクチュエータに搭載するロッキングクラッチと、様々なモビリティに適用可能な磁歪式トルクセンサの実用モデルを開発したと発表した。
ロッキングクラッチは、従来のボールネジを採用した後輪操舵アクチュエータではセルフロックができず、位置保持時に電力を消費するという課題があった。今回、入力軸からの回転は伝達し、出力軸からの回転はロックする機構のパワーフロー制御クラッチを開発した。これにより、後輪操舵アクチュエータ駆動時の伝達効率を従来比70%向上させ、位置保持時のセルフロック機構を実現した。
磁歪式トルクセンサは、軸のねじれを磁気で計測し非接触でトルクを検出するセンサで、e-Bike向けの変速や油圧制御に活用されているが、自動車向けは実用化に至っていない。日本精工は2020年に自動車向け第一世代の駆動軸用「非接触式トルクセンサ」を開発した。その後、改良を加え信頼性と小型・低コスト化を果たした第三世代となる自動車向けトルクセンサの実用モデルを開発した。
田中精密 モータ接着巻線での新塗布技術を開発 2024.5.10
田中精密工業は、子会社であるタナカエンジニアリングが、モータの接着巻線で従来のローラータイプのワイヤーガイド向け塗布技術に加え、ノズルタイプに適した塗布技術を開発したと発表した。自社開発した接着剤を巻線をしながら導線に塗布する。ワニスによる導線での自己融着からの置換が可能となり工数の削減、生産性の向上が期待できるとしている。
新事業
フタバ産業 ハウス暖房機由来CO2をイチゴ育成に利用 2024.5.7
フタバ産業は、戸田建設と共同して、北海道下川町で戸田建設が運用中のイチゴ生産ハウスで、ハウス用暖房機から発生するCO2を植物の育成に利用する「agleaf CO2システム」の試験導入を開始したと発表した。システムは、夜間に稼働する暖房機の排ガスからCO2をタンクに貯留し、日中貯めたCO2を局所的に作物に施し、収穫量や糖度の向上を図る。排ガスに含まれるCO2を利用しているため、新たな燃料を必要とせず、大気中へのCO2排出量を削減できるとしている。
豊田合成 エアバック生地のキャディバッグを発売 2024.5.9
豊田合成は、ゴルフグッズを販売するmuta JAPANと協力して、エアバック生地のキャディバック「muta Stand caddy -Re-S original edition-」を製作し、5月より予約受付を開始したと発表した。価格は77,000円(税込み)で、100個の販売数を予定する。豊田合成はエシカルブランド「Re-S」で様々な商品を展開している。
エフ・シー・シー スウェーデン セルインパクトとの協力関係を継続 2024.5.7
スウェーデンの燃料電池用フロープレート成形技術開発スタートアップ セルインパクトは、エフ・シー・シーと、日本、インド、中国での事業開発のため、2022年に締結した協業契約の継続契約を締結したと発表した。セルインパクトは、燃料電池のセル間に挟んで燃料ガスや空気を遮断し、ガス流路を形成するフロープレートを高速成型する技術を保有する。2022年エフ・シー・シーと協業契約を締結し、エフ・シー・シーにデモラインを導入した。今回の契約を基に、セルインパクトはエフ・シー・シーと協力して、自動車業界やその他の関係者向けにセルインパクトの成形技術による燃料電池や電解装置用フロープレートを売り込んでいくとしている。
M&A・出資
日産自動車 河西工業へ60億円出資 2024.5.9
日産自動車は、河西工業が第三者割り当てにより発行するA種優先株式に60億円を出資すると発表した。河西工業は日産の自動車生産台数の減少の影響により、2023年3月期まで4期連続の欠損を計上し、2023年3月末の借入金合計は769億円、自己資本比率は7.7%まで低下し、資金繰りが悪化していた。これまで5回にわたり借入返済期限の延長を行ってきたが、シンジケートローンを提供する銀行団とのさらなる猶予交渉が難航していた。2023年3月期の日産自動車への販売割合は51.9%のほか、本田技研工業向けが21.7%となっている。
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