技術・製品
サンデン 商用車向け高耐久コンプレッサーを開発 2024.3.26
サンデンは、CO2排出量を従来製品の半分に低減した高耐久コンプレッサーを開発したと発表した。2024年1月よりインド子会社で生産を開始し、トラックメーカー向けに出荷をしている。開発したコンプレッサーは、揺動板式可変容量型(SDV)で、空調システム内の冷媒圧力状態をセンサーで検知し、吐出容量を制御する。長距離を走行する大型車両で求められる耐久性と、CO2排出量低減を両立させた。サンデンはSDVコンプレッサーを年間110万台生産していて、今回の量産開始により10万台分の増加となる。
日本精工 第7世代低フリクション円すいころ軸受を開発 2024.3.28
日本精工は、全回転域で平均20%の低フリクションを実現した第7世代「低フリクション円すいころ軸受」を開発したと発表した。ころ数を最適化することで、転がり摩擦を低減した。また、ころ数の最適化で発生するころ端部での焼き付きなどの課題も解決したとしている。円すいころ軸受は、エンジン車から電動車まですべての自動車のトランスミッションやeAxleに対応し、燃費や電費の向上に貢献する。日本精工は2030年に売上高150億円をめざすとしている。
河西工業 リサイクル材をコンテナボックス材料に使用 2024.3.28
河西工業は、生産工程から排出される端材をリサイクルし、自社工場内で使用する輸送用コンテナボックス材料の一部として活用したと発表した。ウレタン天井の生産工程から発生する端材を粉砕し、PP樹脂に混ぜて活用した。端材に含まれるガラス繊維がPP樹脂の強度向上に効果があり、リサイクル材の使用でPP樹脂の使用量を低減することができる。河西工業は、今後自動車部品ヘのリサイクル材の採用を視野に開発を進めるとしている。
新事業
日本ガイシ 医薬品開発サービス事業に参入 2023.3.25
日本ガイシは、赤外線による結晶探索技術を用いた医薬品開発向けの有機化合物結晶探索サービス事業を開始すると発表した。有機化合物結晶探索サービスは、有機化合物に特定の波長の赤外線を照射して分子間の結合を制御することで結晶形の析出確率を高め、これまで発見するのが困難だった未知の結晶形を探索するものだ。2025年度にはAIによる予測ソフトも実装予定で、2030年度の売上高30億円をめざす。
武蔵精密 ハイブリッドスーパーキャパシタが溶接機に採用 2024.3.25
武蔵精密工業は、グループ会社の武蔵エナジーソリューションズのハイブリッドスーパーキャパシタ(HSC)が、やまびこ社の溶接機「HDW310M-I」に採用されたと発表した。ハイブリッド溶接機は、発電とキャパシタ蓄電電力をエンジン出力補助として活用している。従来のディーゼルエンジン溶接機と比較してCO2排出量と燃料消費量を約60%低減する。
日本精工 eVTOLガスタービン発電機用軸受を開発 2024.3.25
日本精工は、 eVTOL向けガスタービン発電機用軸受を開発したと発表した。これまでの電動式からハイブリッド電動式推進装置が伸長すると期待されるeVTOLの中で、ガスタービン発電機ハイブリッドは現実的な推進機構として注目されている。新たに開発した軸受は、従来の潤滑機構であるジェット潤滑から高速回転領域で使用されアンダーレース潤滑の給油方法を採用し、潤滑油量と動力損失の低減を実現した。開発軸受は、80kWハイブリッドガスタービン発電機動力システムを搭載した高ペイロード緊急物資輸送用ドローンに採用された。日本精工は、2030年までのeVTOL向けガスタービン発電機用軸受の売上として10億円をめざすとしている。
日本特殊陶業 リバーシブルSOCシステムを開発 2024.3.27
日本特殊陶業は、固体酸化物セル(SOC)を用いて、水電解による水素製造(SOEC)と燃料電池による電力発電(SOFC)を1台のセルスタックで行う「リバーシブルSOCシステム」を開発したと発表した。単一のシステムでSOECとSOFC機能を備えるため、両方のシステムを併設するのに比べてシステムをコンパクトにできる。夏に太陽光発電で発電した余剰電力をSOECで水素に変換し貯蔵し、電力量が減少する冬には貯蔵水素によるSOFCでの発電で補うなどの使用方法の可能性がある。日本特殊陶業は2024年度に実証を行い、2025年度中の製品化を目指すとしている。
愛知製鋼 関西万博での自動運転実証実験にGMPSを提供 2024.3.29
愛知製鋼は、大阪・関西万博での自動運転実証実験に、磁気マーカシステム(GMPS)を提供したと発表した。3ルートで実施される実証実験のうち、「新大阪駅・大阪駅」、「舞洲駐車場~万博会場」の2ルートに採用された。舞洲駐車場~万博会場ルート3.3kmでは自動運転レベル4申請に向けた実証を2024年3月から2025年4月まで行う予定だ。
M&A・出資
豊田合成 ヘルスケアスタートアップ「ユーリア」に出資 2024.3.25
豊田合成は自社CVCを通じて、尿から簡単に体の状態をチェックできる検査キットを開発する愛知県名古屋市に本拠があるユーリア社に出資したと発表した。ユーリア社は尿検査キットとスマホアプリを組み合わせ、栄養状態などを即座に解析する技術開発を行っている。
フジオーゼックス 福島の金属加工業者をM&A 2024.3.28
フジオーゼックスは、福島県会津若松市に拠点がある金属加工業者ピーアンドエムの全株式を取得すると発表した。ピーアンドエム社はMCやワイヤ放電加工機を保有していて、マイクロアクチュエータや医療機器などの製造販売を行っている。フジオーゼックスはピーアンドエムの精密部品製造技術で、縮小するエンジンバルブ以外の新分野への参入で相乗効果が見込めると判断したようだ。2023年9月期のピーアンドエムの売上高は13億円だった。
体制
トヨタ自動車 PEVE名称をトヨタバッテリーに変更へ 2024.3.27
トヨタ自動車は、子会社化したプライムアースEVエナジー(PEVE)の社名を2024年10月1日から「トヨタバッテリー」に変更すると発表した。
アイシン LIXILにシャワートイレ事業を移管 2024.3.27
アイシンは、2023年7月にLIXILと締結したアイシンのシャワートイレ事業をLIXILに移管する基本合意契約を実行する契約を締結したと発表した。アイシンの日本と中国のシャワートイレ事業を対象としている。中国のアイシン生産子会社浙江愛信慧国機電有限公司および杭州愛信驪住機電有限公司の株式をLIXILに譲渡する。日本のシャワートイレ事業の移管方法については今後検討していく。
吉川工業 EV用モータコア専用工場を新設 2024.3.27
吉川工業は、グループ会社の吉川工業ファインテックがEV用モータコアの新工場を建設すると発表した。吉川工業ファインテックはこれまで小型家電用および中型産業機器サーボ用モータコアの生産を中心に手掛けてきた。北九州市小倉北区に建設中の新工場はEV向けモータコア専用工場となり、EVモータコアの生産能力はこれまでの4倍となる約20万個となる見込みだ。
トヨタ紡織 独AUNDE社から子会社TBカワシマへの出資を受け入れ 2024.3.28
トヨタ紡織は、100%子会社で輸送機器用内装材を手掛けるTBカワシマに、独AUNDE Achter & Ebels(AUNDE社)からの出資を受け入れることを決定したと発表した。TBカワシマはインドでAUNDE社と合弁会社を設立、その後北米での生産委託など協業関係にある。AUNDE社のTBカワシマへの出資によりトヨタ紡織のTBカワシマ議決権所有割合は持分法適用関連会社となる20.0%となる。
メタルアート 子会社を吸収合併 2024.3.28
鍛造による部品加工を手掛けるメタルアートは、子会社で宮崎県にある熱間ハンマー鍛造加工を手掛けるメタルフォージを吸収合併すると発表した。自動車市場の電動化、日本の少子高齢化に対し、機動的かつ柔軟に対応するためとしている。
デンソー 豊田自動織機保有株式を売却へ 2024.3.29
デンソーは、保有する豊田自動織機の株式の一部発行済み株式総数の9.1%を売却すると発表した。デンソーは今後2年半をかけて豊田自動織機の株式の売却を進め、全保有株式を売却し株式の持ち合いを縮減する。株式売却後も豊田自動織機との事業関係については維持・強化を行うとしている。
小糸製作所 インド・グジャラート工場が稼働を開始 2024.3.29
小糸製作所は、インド子会社IJLの3拠点目となる工場がグジャラート州で稼働を開始したと発表した。小糸製作所はインドではハリアナ州のバワール工場、タミルナドゥ州のチェンナイ工場で自動車照明機器を生産している。自動車産業が拡大しているインドでの受注拡大に対応するため、インドで3拠点目となるグジャラート工場を開設した。マルチ・スズキやタタ自動車向けに年間約50万台分の照明機器等を生産する予定だ。
ニュースウォッチ
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