円安による為替影響が大きく8社中7社が売上前期比10%以上を達成した。利益はインフレ、資源高や顧客の生産調整などから8社中7社が前期の営業利益率を下回る結果となった。
TSテック
売上は円安為替影響や機種構成の良化などにより、前期比16.9%増となる4,092億円となった。営業利益は中国での減産の影響や諸経費の増加、英国子会社の解散に伴う費用発生などにより前期比33.7%減の152億円、営業利益率3.7%となり2018年以来利益率が低下系傾向となっている。
地域セグメントでは各地域共に売上高は前期を上回ったが、営業利益は日本が人事制度見直しによる費用発生等で減益、米州が経費の増加や為替差損からマイナス幅を広げた。中国も減産影響で減益。アジア・欧州は英国子会社の生産終了影響はあったが増収効果により増益となった。
武蔵精密
売上は円安為替影響や中国でEV関連製品の受注が好調なこともあり、前期比24.6%増となる3,015億円を計上し、初めて3,000億円を突破し過去最高の売上となった。営業利益は、急激な生産変動や物価上昇の影響を受け前期比8.7%減となる76億円を計上した。
地域セグメントでは、売上は中国以外は増収となった。中国はゼロコロナ政策の廃止後の急速な感染拡大での生産変動の影響が大きく売上は前期比減となった。利益では日本、中国、欧州が前期に比べ減少したが欧州は34億円の営業損失となっている。
武蔵精密は新事業開発に注力していて積極的にスタートアップなどに出資をしている。今期も出資金として前期に比べ5億円多い15億円を計上している。
G-TEKT
売上は電力・物流コストの上昇分を売価に反映したこと、および、テスラ向けの車体部品の量産が立ち上がるなどEV関連事業が伸長したこともあり、前期比32.9%増となる3,143億円を計上し、過去最高の売上高となった。営業利益は生産ラインの自動化・合理化を推進し生産効率を上げたことや型設備売上が増加した影響もあり前期比17.4%増となる128億円となった。
地域セグメントでは、各地域共に増収となったが、特に下期後半に生産が回復してきた北米が前期比66.5%増と好調だった。営業利益は、生産ラインの合理化による体質改善効果が表れた北米では営業損失が大幅に縮小した。一方。アジアでは非量産品の売上の減少に共にい減益。中国も減産影響などで減益となった。
ユタカ技研
売上は半導体不足や中国での受注減により円安為替効果を相殺し前期比2.2%増にとどまる2,180億円となった。営業利益は売上の約半分を占める中国での受注減や原材料の高騰などの影響により前期比63.2%減となる40億円にとどまり、北米も前期で計上されていた日米APA合意に伴う価格調整金がなくなったことにより大幅減少となったことなどから前期比56.5%減となる38億円を計上した。
営業CFが前期121億円から40億円に減少しているが、これは主に税引き前利益の減少と営業債務の減少によるものとなっている。FCFは投資CFを前期比よりも抑えていることから125億円のプラスとなっている。
F.tech
売上は北米メキシコ拠点を中心に2021年度に受注した新機種が立ち上がったこと、円安による為替影響がプラスに働いたことから、前期比36.1%増となる2,611億円となった。営業利益は同78.4%増となる20億円となった。
地域セグメントでは、日本が新規得意先からの受注製品の量産化が始まったことから売上は前期比14.7%増となったが、営業利益は機種ミックスの影響もあり前期比65%減となった。北米は新規受注製品の量産化や円安影響等で売上は前期比52%増となり、英儀容損失額も前期より約10億円減少した。アジアは中国での生産制限の影響はあったが、インドでの子会社化や円安影響から、売上は前期比13.6%増となった。一方、利益は前期比29%減となった。
エイチワン
売上は主に円安効果が大きく前期比32.3%増の2,256億円となった。営業利益は販管費の増加や北米子会社で減損損失を計上したことから営業損失82億円となった。
地域セグメントでは、日本は売上は前期比8.8%増となったが、材料コストの上昇などから税引き前9億円の損失となった。北米は円安効果が大きく売上は前期比72%増となったが、連結子会社の減損損失などの影響で74億円の税引き前損失となった。中国の売上は前期比0.8%増、損失面は生産機種ミックスや競争激化で1億円の税引き前利益を計上した。中国の売上は前期比0.8%増であったが、利益は同95.9%減少した。利益は確保した。アジア・大洋州は増収増益であった。
F.C.C.
売上はインドや米国での販売の増加や円安による為替効果によって前期比28.1%増となる2,189億円となった。売上が2,000億円を突破するのは初めてとなる。営業利益は、販売増加の増益効果が原材料高騰などの影響より勝り、前期比18.4%増となる119億円を計上した。
事業セグメントでは、インドでの二輪クラッチの販売が好調で、売上は前期比25.1%増の1,013億円、営業利益は同13.7%増の94億円となった。四輪クラッチ事業では米国での販売増加や円安ことかから、売上は前期比30.7%増の1,175億円、営業利益は同47.6%増の42億円となった。
地域セグメントでは、日本は減収減益で営業損失を計上。米国が増収増益。アジアは増収減益となった。
八千代工業
売上はコロナ禍による生産減少からの回復や為替影響で前期比14.6%増の1,882億円となった。営業利益は原材料高騰によるマイナス影響を為替差益がカバーしたことで前期比4%増の109億円となった。
地域セグメントでは、日本は受注増もあり増収増益となった。前年度減損損失を計上したため今期は11%の増益となった。米州の売上は同39%増となったが、営業損失は解消できないかった。中国は半導体供給不足による受注減やコロナ対策による混乱から減収減益となった。アジアは増収増益となった。