政策・規制、検討会関係
経産省 GI基金事業「CO2等を用いたプラスチック原料製造時技術開発」PJの改定案を提示 2023.11.20
経済産業省は11月20日、GI基金事業「CO2等を用いたプラスチック原料製造時技術開発」に混合プラスチックからの基礎化学品製造と廃タイヤからのカーボンブラック再利用の項目を追加するプロジェクト改定案を提示した。令和3年10月に発表された同事業プロジェクトでは、他の関連プロジェクトを含めた上限予算額1,262億円で、アンモニア燃料等への燃料転換と共に、混合廃プラからの合成ガス製造、単一廃プラ及びCO2からの基礎化学品等製造、廃タイヤからのゴム原料等製造が研究開発費補助テーマとして採択されていた。今回、資源循環においてケミカルリサイクルの果たす役割が大きいとして、資源価値の低い混合プラからマイクロ波照射によって経済価値の高いエチレンやプロピレンなどオレフィン等の基礎化学品を製造する技術開発をテーマに追加する提案となっている。また、廃タイヤのリサイクルでは、熱分解によりカーボンブラックを取り出し、二次加工等でタイヤ原料に利用可能なカーボンブラックを製造する技術開発をテーマについて追加している。
水素・アンモニア関連
IHI Vopakと低炭素アンモニアターミナルを共同開発へ 2023.11.21
IHIは、オランダのロイヤル ヴォパック社と、日本でのアンモニアターミナルの開発・運営を共同で検討する覚書を締結したと発表した。日本国内外での大規模アンモニア貯蔵ターミナルを対象としている。ヴォバックは世界最大規模のタンクターミナル運営会社で、大規模アンモニア輸入、貯蔵、流通インフラの開発を行い、アンモニアの取り扱いと貯蔵に関する知識を有している。
JERA 山梨県と水素バリューチェーンの構築を共同推進へ 2023.11.22
JERAは、山梨県と山梨県が推進している「やまなしモデルP2Gシステム」の導入拡大により、地域の水素バリューチェーン構築を共同で推進していくことに合意したと発表した。山梨県はPEM型水電解装置によるグリーン水素製造システムの開発を推進している。JERAは水素バリューチェーン構築に向けた協業先として山梨県と協議を行ってきた。今後、山梨県の米倉山に水電解装置を整備し、太陽光発電などと組み合わせ山梨県内の企業、事業所向けにローカル発電技術の実証試験を検討していくとしている。
合成燃料関係
東京ガス 豪州でのe-methaneの製造・輸出で事業性を検討 2023.11.21
東京ガスは、豪州のエネルギー企業サントス社の子会社と、豪州中東部クーパーベイスンでのe-methaneの製造と日本への輸出に向けた事業性検討に関する覚書を締結したと発表した。これまでも東京ガスとサントス社は、豪州ダーウィンLNG基地からのLNG調達等で協力関係を築いてきた。検討では2030年に年間約6万トンのe-methaneを日本に輸出することを目指すとしている。
DAC、CCS関連
日揮HD マレーシア ペトロナスとCCS事業検討の基本契約を締結 2023.11.20
日揮HDは、石油資源開発(JAPEX)、川崎汽船、マレーシア国営エネルギー会社ペトロナスの子会社であるペトロナスCCSベンチャーズと共に、マレーシアでのCCS事業化検討に関する基本契約を2023年9月22日に締結したと発表した。2022年1月以降進めてきたマレーシアCCS共同調査の結果を踏まえ、マレーシア海域での枯渇油ガス田及び付帯塩水帯水層へのCCSについて、2024年にFEEDを開始し、日本など海外からのCO2の海底下圧入・貯留を2028年末に開始することを目指す。
九州大学 双日が設立したCarbon Xtract社に出資 2023.11.24
九州大学は、双日が主体となって設立したDAC開発スタートアップCarbon Xtract社に出資し、事業参加したと発表した。Carbon Xtract社は九州大学 藤川主幹教授および理化学研究所で開発されたナノ膜の実用化を目指すナノメンブレン社、および双日によって2023年5月に設立され、空気をナノ膜でろ過するだけでCO2を分離回収する技術m-DAC(membrane-based Direct Air Capture)の開発、およびCO2の利活用技術の実用化開発を行っている。九州大学は政府のムーンショット型開発制度を利用しm-DAC技術の開発を支援する。
体制
日揮 高田工業所と国内EPCで協業 2023.11.20
日揮は、福岡県北九州市に本社を置く高田工業所と、日本国内におけるプラントEPC事業について協業を行っていく方向で検討を行っていると発表した。低・脱炭素、資源循環分野のプロジェクトが拡大することが見込まれる中、プラント配管で実績を有する高田工業所と協業に関する基本合意書を締結した。メンテナンス事業に関しても連携を進めていくとしている。
出光 CNX戦略本部を設置 2023.11.21
出光興産は、カーボンニュートラルに向けた取り組みをさらに加速させるため、2023年12月1日付で「CNX(Carbon Neutral Transformation)戦略本部」を設置すると発表した。中期経営計画で表明した2050年のカーボンニュートラル・循環型社会でのエネルギー、カーボンニュートラルソリューションのメインプレイヤーになることを目指して、水素、アンモニア、SAF、合成燃料などの社会実装に向けた検討を行っていくとしている。
ニュースウォッチ
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