水素・CO2利活用関連ニュース      2023.7.31
水素・CO2利活用関連ニュース      2023.7.31

水素・CO2利活用関連ニュース      2023.7.31

政策・規制、検討会関係

JOGMEC/TRC 技術事業戦略を改訂 2023.7.26

 JOGMECおよびJOGMEC技術センター(TRC)は、2020年7月に策定した低酸素社会に向けた技術事業戦略について、昨今エネルギー情勢をめぐる事業環境変化や第6次エネルギー基本計画、および、JOGMEC法の改正により追加された分野への対応を含んだ新技術事業戦略を発表した。

 新技術事業戦略では、JOGMEC法の改正で追加されたCO2の帯水層貯留および水素等製造事業について、新規事業で知識の獲得が必要であるため、それぞれを重要な「柱」として整備した。また、エネルギーを取り巻く環境が激動する中でもエネルギーの安定供給を行っていくことを第1の柱として、3つの「柱」と基盤で戦略を整理している。

 第1の柱であるエネルギー安定供給の維持拡大では、供給地の多角化や油ガス田開発から低炭素燃料であるガス田開発へのアセット転換のための技術開発・技術支援を支援する。第2の柱CCS事業領域では、国内外の実証を通じて技術の獲得やノウハウの蓄積を進める。新事業となる水素・アンモニア領域への挑戦となる第3柱では、ブルー/グリーン水素・アンモニア製造事業の事業化支援などから技術的知見を早期に獲得していくとしている。

合成燃料関係

三井物産 太陽石油とSAF製造事業を検討      2023.7.26

 三井物産は、太陽石油と共同で、エタノールを原料としたSAFおよびリニューアブルディーゼル(RD)の製造に向けた共同検討を行うことで合意したと発表した。太陽石油の子会社南西石油が所有する遊休地を活用し、三井物産が出資する米国ランザジェット社の技術と太陽石油のプラント運転ノウハウ、三井物産のエタノール調達機能を組合わせ、2028年度に最大22万キロリットル/年の国産SAF/RDの製造を目指すとしている。

東京ガス 三菱重工Grとごみ焼却場排ガスCO2からメタネーション実証へ      2023.7.28

 東京ガスは、三菱重工、三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC)と共同で、横浜市鶴見区末広町にあるごみ焼却工場の排ガスからCO2を分離回収し、東京ガスのメタネーション実証設備に輸送することでメタネーションの原料として利用する実証を開始すると発表した。

CCS関連

JFEエンジ 膜分離、物理吸着ハイブリッド型CO2分離回収パッケージの実証試験を開始        2023.7.20

 JFEエンジニアリングは、燃焼排ガス中の低濃度CO2を低消費エネルギーで高濃度に回収できるCO2分離回収パッケージ「GX-Marble」の実証を開始すると発表した。GX-Marbleは膜分離法により燃焼排ガス中のCO2を呼び濃縮した後、物理吸着法によりCO2を高濃度で回収する。化学吸収法に比べコンパクトで、消費エネルギーを大幅に抑えることができるとしている。

住友商事 UAEシャルジャ首長国でのCCS事業検討         2023.7.25

 住友商事は中東の子会社を通じて、UAEシャルジャ首長国の国営エネルギー開発会社SNOCと、CCS事業の共同検討に関する覚書を締結したと発表した。近隣のCO2排出企業からCO2を回収しパイプラインで輸送した上で、SNOCが保有する枯渇ガス田に貯留することで、CCSサービスの提供、カーボンクレジットの創出・販売につなげる。

INPEX インドネシア プルタミアとの戦略的協業に関する覚書を締結 2023.7.25

 INPEXはインドネシアの子会社であるINPEXマセラは、シェルと共同で推進しているインドネシア・アラフラ海マセラ鉱区でのアバディLNGプロジェクトで、シェルが所有する鉱区権益をプルタミア・フル・エナジー(PHE)およびペトロナスに譲渡することになったことから、INPEXは新パートナーとアバディLNGプロジェクトを推進するためにプルタミアと戦略的協業に関するMoUを締結したと発表した。INPEXはINPEXマサラを通じて、4月4日に現在の開発計画にCCSを追加する改訂開発計画をインドネシア政府当局に提出している。

JOGMEC インドネシア・スコワティ油田でのCCS実証試験に向けた共同研究契約を締結        2023.7.26

 JOGMECは、インドネシア国営石油会社プルタミア、PEP(PT Pertamina EP)、JAPEXと、インドネシア・東ジャワ州スコワティ油田におけるCO2圧入試験の実施に向けた共同研究契約を締結したと発表した。スコワティ油田ではこれまでプルタミアとJAPEXがCCUSプロジェクトの事業性評価を行ってきた。今回JOGMECを含めた4者でCO2圧入の実証試験に向けた検討を行うことになった。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

日立造船 スイスでバイオガスプラント向けCO2液化施設を完工         2023.7.24

 日立造船はスイスにある子会社日立造船イノーパ(HZI)が、スイス・アールガウ州にあるバイオガスプラントにおいて、CO2液化施設を完成したと発表した。施設は、バイオガスプラントで製造されたバイオガスを生成するプロセスで分離されるCO2を液化し、製薬や医療、食品分野などで再利用する。年間最大3,000トンのCO2をリサイクルし、脱炭素化を促進させるとしている。

出光 日本コンクリートと合成炭カル製造しCO2固定化         2023.7.26

 出光興産は日本コンクリート工業(日コン)と共同で、合成炭カルを道路舗装材などに活用することで、CO2の再資源化する技術の社会実装を推進する事業「コンクリートスラッジを利用した合成炭酸カルシウム製造によるCO2固定化実証試験」が、滋賀県の補助金事業に採択されたと発表した。取り組みとして、日コンの子会社であるNC西日本パイル製造の滋賀工場内に年産700トンの合成炭カル製造パイロットプラントを建設する計画だ。

ニュースウォッチ

  • 住友ゴム白河工場、地元・福島の研究拠点から水素調達 2023.7.24
  • 東邦ガス、圧力差を活用した発電システム CO2削減 2023.7.24
  • エネルギースタートアップのアビネール、米でSAF事業へ 2023.7.25
  • 大阪大学、CO2からメタン合成 保守容易な新装置 2023.7.26
  • 日揮と旭化成、グリーンケミカル事業化 福島に実証設備、今秋着手 2023.7.26
  • 住友ゴム、FH2R製水素活用 カーボンニュートラル実現に前進 2023.7.26
  • 成田製陶所、水素ガスでセラ焼成 化石燃料を代替 2023.7.27
  • ドイツ国家水素戦略を改定 独政府、生産能力目標2倍 2023.7.27

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です