水素・アンモニア関連
川崎重工 液化水素SCでのCO2排出量評価で第三者認証機関DNVと覚書を締結 2023.5.29
川崎重工は、ノルウェーの第三者認証機関であり船級協会であるDNVと、液化水素の製造から利用に至るまでのサプライチェーンにおけるCO2排出量の具体的な算定方法を協働で検討する覚書を締結したと発表した。DNVは船舶や海上輸送に関する豊富な知見を有している。
丸紅 豪州クイーンズランド州でのグリーン水素SC構築事業でFEED開始 2023.5.29
丸紅は、岩谷産業、関西電力と共に、豪州クイーンズランド州政府のエネルギー・インフラ企業Stanwell、シンガポール拠点のエネルギー・インフラ企業Keppelと、クイーンズランド州グラッドストン地区で大規模にグリーン水素を製造し、液化して日本への輸出、および、同地区のアンモニア合成施設へ供給するCQ-H2プロジェクトについて、基本設計作業(FEED)を共同で実施することに合意したと発表した。FEED総額は約105億円で、2028年頃に200t/日、2031年以降に800t/日のグリーン水素を製造することを想定している。
丸紅 カナダでのアンモニアSC構築FS開始 2023.5.30
丸紅は、カナダのエネルギー・インフラ事業者Pembinaと、カナダからの低炭素アンモニアサプライチェーンの構築に係る事業化調査(FS)の共同開発契約を締結したと発表した。事業では、カナダ アルバータ州・エドモントン近郊のPembina社が保有するサイトで、天然ガスを用いて年間100万トン規模のブルーアンモニアを生産し、カナダ西海岸輸出港へ貨車輸送後、日本・韓国などの東アジアの発電所をはじめとした需要家向けに海上輸送する。2024年初めにFSを完了させ、2025年後半の最終投資決定、2028年後半の生産開始を目指すとしている。
JOGMEC カナダブリティッシュコロンビア州とのMoUを延長し水素・アンモニア、CCUS分野でも協力 2023.5.30
JOGMECは5月29日、カナダブリティッシュコロンビア州と非在来型天然ガス、金属鉱物及び原料炭という従来の分野で2012年に締結した協力覚書(MOU)を延長したと発表した。これまでの協力分野に加え、新たに水素・アンモニアやCCUSでの協力も盛り込み、今後、情報交換を進め、プロジェクトを形成していくとしている。
合成燃料関係
双日 次世代再生可能燃料製造スタートアップ米Next Renewable Fuelsに出資 2023.5.29
双日は、米国の子会社双日米国を通じて、次世代再生可能燃料の製造を目指すNext Renewable Fuels, Inc.に出資したと発表した。NEXT社は、米国オレゴン州ポートウエストワードに、植物油や廃食油を水素化した後脱炭素化することで炭化水素系燃料を製造するHEFAプロセスで、年間7億5千万ガロンのSAFや再生可能ディーゼルを製造するプラントの建設を計画していて、2026年に商業運転を開始する予定。双日はSAFの供給拡大に寄与していくとしている。
伊藤忠 フィンランドの再生可能ディーゼル製造会社Neste社との協業強化 2023.5.29
伊藤忠商事は、フィンランドのリニューアブル燃料メーカーNeste OYJと、Neste社が生産するリニューアブルディーゼル(RD) Neste MY Renewable Dieselの日本国内での流通拡大に向けて商標ライセンス契約の締結およびブランディング強化に関する協業契約を締結したと発表した。Neste社は現在年間330万トンのSAFやRDの生産能力を保有していて、2024年初頭に550万トン、2026年末までに680万トンに生産能力を増強する予定。伊藤忠は、伊藤忠エネクスと連携してRDの供給所整備など供給網の拡充を進めるとともに、RDの輸入基地の確保、タンカーでの輸入を今年度下期から開始し、供給エリアを現在の首都圏、中京圏から関西圏まで拡大していくとしている。
日鉄エンジニアリング 第2世代パオエタノール生産設備を着工 2023.6.2
日鉄エンジニアリングは、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合より受注した第2世代バイオエタノール生産設備を着工したと発表した。第2世代製造技術はトウモロコシやサトウキビなど食料となる原料を使用せず、農業残渣や非可食性植物バイオマスを原料としてエタノールを製造するもの。日鉄エンジニアリングはこれまでトヨタ自動車とバイオマス原料の前処理技術や花王と酵素生産技術の開発を行い、フィリピンでの非可食性バイオマス製造実証事業での設備の建設・操業に従事してきた。
CCS関連
住友商事 DACスタートアップGlobal Thermostatと共同で事業開発へ 2023.5.30
住友商事は、米国のグループ会社Presidio Ventures, Inc.を通じて、DAC技術を保有する米国企業のGlobal Thermostat, PBCに出資し、同社のDAC技術を活用したCCUS分野での共同事業開発に関する基本合意書を締結したと発表した。住友商事は今後、DACCSやDACM(鉱物化)、e-Fuel生産などの共同事業の開発を行っていくとしている。
三井化学、大阪ガス 泉北コンビナートから排出されるCO2のCCSを共同検討へ 2023.5.31
三井化学と大阪ガスは、泉北コンビナートから排出されるCO2を回収し、利活用する事業の共同検討を開始したと発表した。三井化学大阪工場の製造プラントおよび用役設備、大阪ガスグループの泉北天然ガス発電所の排ガス中からCO2を分離回収し、メタンやメタノールなどの原料として利活用することや、地中貯留することを目指すとしている。
三井化学 大阪工場のカーボンニュートラル構想を具現化へ 2023.6.1
三井化学は、三井化学グループの脱炭素を達成するため「大阪工場カーボンニュートラル構想」を策定したと発表した。構想では、ナフサクラッカーの燃料を現状のメタンからクリーンアンモニアへ変更、また、化学品の原料として使用しているか石油由来のナフサをバイオマスナフサや廃プラ油化に転換する。さらに、ナフサクラッカーで排出されるCO2を回収し液化CO2に変換後、一部をコンビナート連携での活用を、一部はCCSを検討し、2030年頃の具現化を目指す。
ニュースウォッチ
- アイシン、工場排ガスのCO2再利用 溶解炉の燃料に 2023.5.29
- 住友商事、英グリーン水素製造プロジェクト参画へ 年間最大120万トン 2023.5.29
- 脱炭素へ物資確保、経産省が投資基準 調達先広げる 2023.5.29
- 合成燃料の供給前倒しへ、エネオス 2023.5.30
- 三菱重工、CO2回収技術で攻勢 米で新規3件採用 2023.5.31
- CO2回収装置、選択に幅 大陽日酸が鉄鋼原料向け中型機 2023.5.31
- デンソー、SOFC外販へ 自社開発品の実証開始 2023.6.1
- 東京港の荷役機械を水素燃料化へ 東京都、日本郵船ら 2023.5.31
- 三菱ガス化学、環境循環型メタノール構想社会実装へ 2023.6.2
- ANA、フライトにCO2実質ゼロ燃料 SAFへつなぎ 2023.6.3