水素・アンモニア関連ニュース
経産省 改訂水素基本戦略の骨子案を提案 2023.4.5
経済産業省は4月5日専門審議会を開催し、2018年に発表した水素基本戦略の改訂版となる水素基本戦略の骨子案を提案した。これに先立ち、水素基本戦略に取り込むべき内容について専門家や関係企業などから意見を聴取し、公開した。それによると、供給拡大に向けた動きに対して「2035年/2040年における水素・アンモニアの導入目標を位置付けることが必要」、「水電解装置の設備コスト目標」や「経済合理性」の観点の指摘があった。需要創出に向けた動きでは、「優先的に取り組むべき分野の具体化・明確化」や発電分野で「EUタクソノミーなどCO2排出量基準との適合を図るべく水素混焼率30%を超える燃焼器開発への支援が必要」との意見が挙げられている。また、水素の派生製品では、「アンモニアは水素派生製品ではなく、水素戦略の柱の一つとして記載すべき」との意見や「e-メタン」についての取り扱いについての意見が挙げられた。
これらの意見を踏まえ、水素基本戦略として、2040年における水素等の導入量目標を1200万トン程度を軸に検討することや、2030年の日本企業関連の水電解装置の導入目標を、世界の水電解装置の導入通しの1割に当たる15GW程度を軸に検討すること、また、合成燃料等水素化合物も含めることが主な改定ポイントとして盛り込まれた。経産省は5月末の改定に向けて検討を進めるとしている。
関西電力 カナダからのクリーン燃料サプライチェーンのFSを開始 2023.4.7
関西電力は、カナダのエネルギーインフラ事業者のATCO社と、カナダからのクリーン燃料サプライチェーン構築に係る事業化調査を開始したと発表した。カナダ・アルバータ州エドモントン近郊において、天然ガスからブルー水素またはブルーアンモニアをATR法で製造し、カナダ西海岸へ輸送後、日本に海上輸送後、火力発電所等で利用する一連のサプライチェーンの事業化を検討するとしている。
九州電力 苓北発電所においてアンモニア混焼試験を実施 2023.4.7
九州電力は、熊本県天草郡苓北町にある石炭火力発電所苓北発電所1号機において4月11日より、九州電力として初となるアンモニア混焼試験を実施すると発表した。九州電力は2030年に「水素1%・アンモニア20%の混焼技術確立をKPIとして設定している。
CO2利活用関連ニュース
大陽日酸 CO2回収装置を販売 2023.3.31
大陽日酸は、石灰製造炉などの高濃度CO2排出源から98%以上の濃度でCO2を回収可能なPSA方式のCO2回収装置を4月より販売を開始すると発表した。装置は中小規模排出源(排出量1000Nm3/hクラス)向けで、CO2濃度は20%以上の原料から1日当たり10トンの高濃度CO2を回収できる。高濃度化したCO2は炭酸塩などの原料やメタネーションに利用できるとしている。
INPEX インドネシア・アバディLNGプロジェクトでのCCS計画を政府当局へ提出 2023.4.4
INPEXは、子会社であるINPEXマセラを通じてインドネシア共和国アラフラ海マセラ鉱区アバディLNGプロジェクトでの開発計画にCCSを新たに追加する改定開発計画(改定POD)をインドネシア政府当局へ提出したと発表した。改定PODでは、CCSの導入によりアバディガス田から天然ガスに付随して産出されるCO2の全量を削減できる見通し。
日揮HD スシローの使用済み食用油をSAF原料として使用 2023.4.5
日揮HDは、回転すしチェーン「スシロー」と大衆寿司居酒屋「鮨 酒 肴 杉玉」を傘下に持つFOOD&LIFE COMPANIES(F&LC)、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYの3社と、スシローや杉玉での使用済み食用油をSAF製造の原料として供給することで協力する基本合意書を締結したと発表した。スシローと杉玉からの廃食用油は年間90万Lと見込まれ、レボインターナショナルが廃食用油を回収、SAFFAIRE SKY ENERGYがSAFを2024年度下期から2025年度初頭の生産開始を目指す大阪府堺市のプラントで製造する。日揮HDはサプライチェーン全体の構築を行うとしている。
出光興産 HIF Globalと合成燃料での戦略的パートナーシップのMoUを締結 2023.4.5
出光興産は、南米・北米・豪州などで合成燃料(e-fuel)の製造を行うHIF Globalと、合成燃料の生産や日本での実用化・普及を加速させるための戦略的パートナーシップに関するMOUを締結したと発表した。今後、海外プロジェクトからの合成燃料の調達と日本国内供給、合成燃料を製造する設備への共同出資、国内で回収したCO2の国際輸送と活用を検討していくとしている。
また、出光はグループの製油所・事業所での合成燃料の生産検討を進め、2020年代後半までに国内での合成燃料の生産・供給体制の確立を目指すとしている。
ニュースウォッチ
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- 住友精化、低濃度CO2回収向け実証設備建設2023.4.6
- 日立造、舶用タンク参入 アンモニア・LNG燃料船向け 2023.4.7
- 茨城県、アンモニアのサプライチェーン構築へ2023.4.7
- 液化CO2の運搬へ川崎汽船など始動 地下貯留を後押し 2023.4.8
- 神戸製鋼所、水素ガス実証設備稼働 兵庫の高砂製作所で 2023.4.7