水素・アンモニア関連ニュース
経産省 水素基本戦略の改訂に着手 2023.3.6
経産省は3月6日、水素・燃料電池戦略協議会を開催し、2月10日に閣議決定されたGX実現に向けた基本方針を受け、2017年に策定された水素基本戦略の改訂に着手した。検討作業では、協議会参画企業等からのヒアリングを実施し、規制・支援などの制度整備だけではなく、日本企業による海外市場展開を見据えた水素産業戦略の取り組みについても議論をしていくとしている。
千代田化工 タイEGATとクリーン水素・アンモニアバリューチェーンの検討に関する覚書を締結 2023.3.6
千代田化工はタイ三菱商事、商船三井と共に、タイ国営発電公社EGATとの間でクリーン水素・アンモニアバリューチェーンの共同検討に関する覚書を締結を締結したと発表した。タイ南部での再生可能エネルギーに由来するクリーンな水素・アンモニアの製造、貯蔵、輸送、利用、および、タイ国内外への供給のためのバリューチェーンを構築することを目指すとしている。
IHI インドネシアでのグリーンアンモニア製造・販売、混焼事業を検討 2023.3.7
IHIは、インドネシア国営肥料会社ププック社と、インドネシアでのグリーンアンモニア製造・販売、および、発電用ボイラでの混焼の事業性を検討・調査する覚書を締結したと発表した。ププック社が保有するジャワ島の肥料工場で、地熱発電による電力を活用したグリーンアンモニアを製造し、インドネシア国内外への販売を検討する。また、ププック社保有の発電用ボイラでのアンモニア混焼の事業性も検討を行うとしている。
IHI インドネシアでのグリーンエネルギー活用電力システム、および、アンモニア・バイオマス混焼・専焼を検討 2023.3.8
IHIは、インドネシア国営電力会社PLNの100%子会社であるPT PLNヌサンタラパワー(PLN NP)、および、インドネシア燃料電池水素エネルギー協会(IFHE)と、インドネシアでのグリーンエネルギーを活用した地産地消型電力システムの構築に関する検討、および、PLN NP社が保有する既設火力発電所でのアンモニア・バイオマスの混焼・専焼の可能性検討に関する覚書を締結したと発表した。
IHI タイ火力発電所でのバイオマスやアンモニアへの燃料転換の可能性を検討 2023.3.8
IHIは、タイ国営電力会社Electricity Generating Authority of Thailand(EGAT)と、既存火力発電所におけるバイオマスやアンモニアへの燃料転換の可能性や、バッテリーエネルギー貯蔵システムの構築などの脱炭素に関する検討のための覚書を締結したと発表した。
川崎重工 液化水素サプライチェーン商業化実証での出荷、受入れ地を設定 2023.3.8
川崎重工は、NEDOグリーンイノベーション基金事業「大規模水素サプライチェーンの構築」プロジェクトで、日本水素エネルギー、岩谷産業、ENEOSと共に、現在取り組んでいる商用化に向けた実証での液化水素の出荷地を豪州ビクトリア州ヘイスティングス地区、受入れ地を川崎臨海部に設定したと発表した。2030年に船上引渡し水素供給コストを30円/Nm3にする液化水素の海上輸送技術の確立を目指すとしている。
Jパワー、住友商事 豪州ビクトリア州でのクリーン水素製造事業の事業化を検討 2023.3.8
Jパワーと住友商事は、豪州ビクトリア州ラトロブバレーでのガス化褐炭を用いたクリーン水素製造事業の検討を共同で実施する覚書を締結したと発表した。両社はこれまでのデータや知見を活かし、CCS技術を併用することでクリーン水素製造の事業化検討を進めるとしている。
住友商事 イスラエルの水素製造技術スタートアップH2Proと連携 2023.3.9
住友商事は、イスラエルのグリーン水素製造技術を保有するH2Proとグリーン水素の商用生産を共同で検討する覚書を締結したと発表した。H2Proは、2019年の会社設立後、2022年には1日当たり10キロのグリーン水素生産に成功している。住友商事は、H2Proのイスラエル国内での実証実験と、住友商事グループ内外でのH2Proのグリーン水素製造装置導入を支援し、両社は、2020年代後半の数百トン/日のグリーン水素生産を目指す。将来的にはグリーン水素製造装置の共同製造も検討するとしている。
東京ガス 米スタートアップと水電解装置向け触媒の共同開発を開始 2023.3.9
東京ガスは、水電解装置の低コスト化に向けて、米スタートアップ企業H2Uテクノロジーズ社(H2U)と、共同開発契約を締結したと発表した。PEM水電解では、電極にレアメタルであるイリジウムを使用しているため高価となっている。H2U社が保有する触媒探索エンジン(CDE)を活用し、安価でレアメタルを用いない触媒の開発を目指す。
デンソー 水素を活用した「カーボンニュートラル工場」実現に向けた実証を開始 2023.3.9
デンソーはデンソー福島にて豊田自動社と共同で、工場内のグリーン水素の製造、および製造した水素の工場での活用の実証を開始すると発表した。トヨタが開発した水電解装置を導入し、デンソー福島が自家発電した再生可能エネルギーを利用して水素の製造を行い、工場内で発生した排出ガスを無害化するアフターバーナ炉の燃料としてLPガスから水素に置き換えを実施する。
CO2利活用関連ニュース
JOGMEC ベトナム国営石油会社とCCS/CCUS事業に関する覚書を締結 2023.3.6
JOGMECは、ベトナム国営石油会社ペトロベトナムと、ベトナムにおけるCCS/CCUS事業の共同調査について覚書を締結したと発表した。JOGMECとペトロベトナムは、2022年11月からベトナムにおけるCCS/CCUS事業の可能性を調査するため、対象候補エリアの地質評価、CO2排出源調査、事業環境の調査等を実施してきた。今後、。事業化に向けた追加調査を実施するための協議を進めるとしている。
JOGMEC マレーシア国営石油会社とカーボンニュートラル推進に関する覚書を締結 2023.3.6
JOGMECは、マレーシア国営石油会社ペトロナスとマレーシアや他地域におけるカーボンニュートラルに関する協力覚書を締結したとはっぴょうした。今後、日本企業も含めた水素・燃料アンモニア、CCS、GHG排出量管理に関わる具体的事業について協議していくとしている。
大阪ガス 豪州でのe-メタン製造および日本などへの輸出に関するPre-FEEDを実施へ 2023.3.7
大阪ガスの豪州子会社は、豪州石油・天然ガス探鉱・生産会社サントス社と、e-メタンの製造、および、日本などに輸出する事業の詳細検討(Pre-FEED)を行うための契約を締結したと発表した。2023年4月より詳細検討を開始し、2030年に年間約6万トンのe-メタンを輸出することを目指すとしている。
日揮HD メタン排出ゼロを目指すイニシアチブに参画 2023.3.7
日揮HDは、石油・天然ガス産業における気候変動への対応をリードする国際的組織「石油・ガス気候イニシアチブ」が推進する、同産業から排出されるメタン削減に向けた活動「メタン排出ゼロを目指すイニシアチブ」2月14日付で参画したと発表した。日揮HDは茨木県大洗町の技術研究所内に石油・天然ガス関連設備からのメタン排出を想定した「メタン排出計測技術評価設備」を建設し、メタン排出計測技術について検知能力評価や技術開発の場を提供している。3月中には国内外の協力会社で行ったメタン排出計測技術に関する試験結果をまとめ、計測技術の有用性や正確性の情報を得るとしている。
JERA シェブロン社とのCCS事業の共同検討について覚書を締結 2023.3.8
JERAは、シェブロンとCCS事業の共同検討に関する覚書を締結したと発表した。JERAはオーストラリアでシェブロン社と低炭素燃料製造プロジェクトの開発FSを推進している。米国では水素製造や液体有機水素キャリア(LOHC)の活用した事業化FSを共同で行っている。覚書では米国やオーストラリアをはじめとした地域でのCCS新規プロジェクトの開発可能性について共同で検討していくとしている。
千代田化工 インドネシア プルタミナ社と炭素循環技術の共同検討について業務契約を締結 2023.3.8
千代田化工は、インドネシアでの炭素循環技術の共同検討について、インドネシア国営石油会社プルタミナと共同検討業務契約を締結したと発表した。プルタミナ社保有のCO2含有量の多いガス田からのガスを原料として付加価値製品を生産することを目的としたCCU、および、千代田化工のCO2Reforming技術の適用可能性について検討を行うとしている。
千代田化工 CO2を原料とするパラキシレンの製造に成功 2023.3.10
千代田化工は富山大学、ハイケムと共に、CO2を原料としたパラキシレンの製造、単離に成功したと発表した。NEDOの「化学品へのCO2利用技術開発」事業で、千代田化工の子安リサーチパーク内のパイロットプラントに富山大学の研究成果を基にハイケムが製造した触媒を充填し、CO2を原料としてパラキシレンをメインとする化合物を製造した。また、従来技術を用いてパラキシレンを単離した。パラキシレンは高純度テレフタル酸(PTA)を経由して各種樹脂の原材料となる。
経産省 CCS長期ロードマップ案を提案 2023.3.10
経産省は3月10日、CCS長期ロードマップ最終とりまとめ案を提案した。それによると、CCSを取り巻く世界の情勢は懐疑論から政策導入に転換しており、CO2貯留地を巡る「大競争時代」が到来しているとしている。CCSについては法制度化に向けた論点は多く、さらなる検討が必要としながらも、日本は2050年時点で年間約1.2~2.4億tのCO2の貯留を目標に、2030年までに事業開始に向けた環境を整備し、2030年以降の本格的なCCS事業の展開を図るとしている。また、CCSの事業を促進する立法が必要との認識から、CCS事業法(仮称)についても提案がされた。
ニュースウォッチ
- 愛三工業、アンモニア発電を開発へ 研究開発費1.5倍に 2023.3.7
- 川崎重工業が水素圧縮機に参入 FCV充塡用、海外も視野 2023.3.8
- 川崎臨海部、液化水素の大規模供給網の拠点に 2023.3.9