CO2利活用関連ニュース
三菱重工 DAC用CO2固体吸収体評価開始 2022.9.20
三菱重工は、子会社三菱重工エンジニアリングがNEDO、RITEと共同で取り組んでいる「ムーンショット型研究開発事業」での大気中からのCO2直接回収プロジェクトで、小型の試験装置を開発し、CO2を分離回収する固体吸収体の評価に着手したと発表した。これまでRITEが開発したCO2固体吸収材はラボ試験装置で数cmのものだったが、今回、三菱重工エンジニアリングはRITEと協力し、実機サイズの固体吸収材が評価できる蒸気再生方式のDAC小型試験装置を設置した。今後、このDAC小型試験装置を用いてCO2固体吸収材の評価や装置の大型化に向けてデータ取得を行い、2020年代後半にパイロットスケールDAC試験装置設計と経済性評価を実施するとしている。
https://www.mhi.com/jp/news/22092001.html
関西電力 CO2回収・輸送に関する調査委託業務契約締結 2022.9.20
関西電力は、JOGMECが公募するCO2回収及び輸送に関する調査に採択され、委託業務契約を締結したと発表した。調査ではCCSバリューチェーン構築のために、火力発電所の排ガスから分離・回収したCO2をパイプラインでハブ拠点に集約し、液化貯留した上で、液化CO2船にて貯留候補地まで輸送するハブ&クラスター形成について調査する。調査を通じてCCSバリューチェーン構築に必要な技術や経済性知見を獲得し、国内CCSの早期実現に取り組むとしている。
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2022/pdf/20220920_1j.pdf
千代田化工 独INERATECと脱炭素化促進に向けた協業覚書締結 2022.9.21
千代田化工建設は、独INERATEC社とe-fuel製造による脱炭素化促進に向けた戦略的協業に関する覚書を締結したと発表した。2016年に設立されたINERATEC社は、Power-to-XやGas-to-liquidのモジュール式装置の製造技術を保有している。千代田化工は覚書を通じ、INERATEC社のPtX技術を活用した日本やアジア地域でのSAFを含むe-fuel製造プロジェクトに適用し、脱炭素社会実現に貢献していくとしている。
https://www.chiyodacorp.com/media/220921.pdf
JFE CO2削減に貢献する新素材コンクリート製品の試作製造に成功 2022.9.21
JFEスチールは、東北大学、日本大学、西松建設、共和コンクリートと共同で、通常のコンクリートに比べ製造時のCO2排出量を75%削減可能なアルカリ活性材料コンクリートを素材としたプレキャストコンクリート製品の試作製造に成功したと発表した。従来、アルカリ活性材料コンクリートは製造時に排出するCO2を大幅に削減できるが、施工時の流動性確保が難しいため、複雑形状のプレキャストコンクリート製品への展開が課題であった。研究チームは、高炉スラグ微粉末や高炉スラグ細骨材の活用などによって流動性を確保し、耐凍害性を改良したアルカリ活性材料コンクリートを開発し、プレキャストコンクリート製品を試作し、通常コンクリートと施工性、風合いが変わらないことを確認した。
https://www.jfe-steel.co.jp/release/2022/09/220921.html
ニュースウォッチ
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