水素・アンモニア関連ニュース
昭和電工 廃プラ由来のアンモニアがCO2排出量80%削減を確認 2022.12.20
昭和電工は、昭和電工川崎事業所で製造している使用済みプラスチックを原料にした「低炭素アンモニア エコアン®(ECOANN®)」が、化石燃料を原料にしたアンモニアと比べて、製造過程で排出されるCO2などの温室効果ガスが80%強削減されていることを確認したと発表した。第三者機関 一般社団法人日本LCA推進機構(LCAF)によって認証された。昭和電工は1930年から国産アンモニアの生産を開始し、2003年からは使用済みプラスチックを原料にアンモニアを製造する「川崎プラスチックリサイクル(KPR)」事業に取り組んできて、これまで使用済みプラスチックを累計100万トン処理した。
千代田化工 スコットランドからロッテルダムへの水素ハイウェイ構築PJへ参画 2022.12.22
千代田化工建設は、欧州 英国スコットランドからオランダ・ロッテルダム港への水素海上輸送プロジェクトLHyTSに参画すると発表した。スコットランド政府は、2030年までに5GW(約45万トン/年)、2045年までに25GW(約255万トン/年)のクリーン水素を生産する。千代田化工が推進してきたMCHによる水素キャリアSPARA水素を使用して、スコットランドからロッテルダムへ輸送を行う計画となる。
CO2利活用関連ニュース
IHI SAF合成技術で世界トップレベルの収率確認 2022.12.19
IHIはシンガポールの科学技術ISCE²と共同で、世界トップレベルの26%という液体炭化水素収率を示すSAF合成の新触媒を開発したと発表した。IHIは2022年3月にISCE²と共同で研究開発を行う施設設立のためのMoUを締結、9月にはSAF合成技術の共同研究を開始したと発表していた。IHIはAIを活用しながら効率的に試験条件を探索・調整し、炭素数5以上の液体炭化水素の収率26%を確認したとしている。
東京ガス、大阪ガス 革新的メタネーション技術社会実装検討委員会を設置 2022.12.20
東京ガスと大阪ガスは、共同で「革新的メタネーション技術社会実装検討委員会」を設置したと発表した。両社がNEDO GI基金事業で推進するメタネーション技術の社会実装に向け、原材料調達や製造適地、製造・供給シナリオなどの助言を有識者や専門家らから受けることを目的としている。
大阪ガス 米国でのバイオマス由来e-メタン製造についてのFS開始 2022.12.22
大阪ガスは米国子会社を通じて、天然ガスパイプライン等のエネルギーインフラを保有・運営するTallgrass MLP Operations, LLC(Tallgrass)、バイオエタノールプラントを保有・運営するGreen Plains Inc.(Green Plains)と、米国中西部においてe-メタンを製造する事業のFS検討を行うための覚書を締結したと発表した。計画では年間20万トンのe-メタンを製造し、2030年にはFLNG基地で液化した上で日本へ輸出することも視野に入れるとしている。
昭和電工、日本製鉄 6大学と連携し工場排ガスに含まれる低濃度CO2の分離回収技術開発開始 2022.12.22
昭和電工と日本製鉄は、6つの国立大学(大分大学、大阪大学、京都大学、千葉大学、名古屋大学、北海道大学)と共同してNEDO GI基金事業に採択されたCO2濃度10%以下の低圧・低濃度の排出ガスからCO2を分離・回収する技術開発を本格的に開始したと発表した。従来使用されてきたゼオライトなどの多孔体材料とは異なる、構造柔軟型多孔性配位高分子(PCP:Porous Coordination Polymer)を使用して、柔軟な材料構造にCO2を取り込むことを目指す。1トンあたり2,000円台という画期的な低コスト実現をターゲットに、2030年代後半の社会実装を目指すとしている。
丸紅 畜産飼料添加剤でのCO2活用でバイオベンチャーと協業 2022.12.23
丸紅は、東京大学発のバイオベンチャー企業CO2資源化研究所(UCDI)と、畜産業における環境負荷軽減を目的とした飼料添加剤等での協業に関する覚書を締結したと発表した。UCDI社は水素をエネルギー源にCO2を取り込んで有機物に変化し増殖する水素菌(UCDI®水素菌)の研究開発に取り組んでいる。丸紅は。UCDI社と飼料添加剤および原料の開発、製造委託、販売などの検討を推進するとしている。
INPEX CO2回収技術開発、蘭スタートアップへ出資 2022.12.23
INPEXは、CO2回収技術の開発を行うオランダのスタートアップ企業「CarbonOrO Holding B.V.」に出資を行ったと発表した。CarbonOrOは独自のアミンと水の二相溶媒を使用して濃度5%~50%範囲のCO2を回収する。一般的なアミン溶媒の脱着温度130℃よりも低い70℃程度から脱着が可能であり、低エネルギーでCO2を分離回収できるとしている。INPEXはCarbonOrOの技術開発を支援し、将来のCCUSおよびメタネーション事業につなげていくことを目指すとしている。
ニュースウォッチ
- バイオコーク技研とトクヤマ、水素保存可能な合金を量産 2022.12.19
- 日立金属子会社の三徳、水素吸蔵合金を低コスト化2022.12.20
- CO2値付けで新機構 政府創設へ、GX推進担う 2022.12.21
- 水素・アンモニア普及へ新法、経産省検討 利用拡大促す 2022.12.21
- ANA、海外でのSAF調達等でJOINと連携 2022.12.21
- 川崎汽船、欧州CCS事業向け「液化CO2船」2隻の長期契約を締結 2022.12.21
- 日本製鉄、鉄鋼原料「還元鉄」製造を事業化へ CO2削減 2022.12.22