水素・アンモニア・LOHC関連
JERA 水素・アンモニア等バリューチェーン構築でPOSCO INTERNATIONALと協力 2024.9.26
JERAは、韓国の総合商社POSCO INTERNATIONALと水素・アンモニア等のバリューチェーン構築に向けた協力に関する合意書を締結したと発表した。合意書に基づき、両者は水素・アンモニア等の商用取引に向けた市場の標準化、ポートフォリオの最適化、事業環境の整備・標準化に向けた日韓両政府との協議を行っていくとしている。
産総研 CO2と水素からギ酸を直接生成 2024.9.27
産総研は、触媒化学融合研究センター川波肇上級主任研究員が、筑波大学大学院 大野聖海氏と共同で、CO2と水素から高効率で直接ギ酸を合成する技術を開発したと発表した。これまで水溶媒のイリジウム触媒下でCO2と水素を反応させると平衡反応により、ギ酸がCO2と水素に分解する反応の方が早いためギ酸を効率的に生成することは困難であった。今回、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)溶媒中でイリジウム触媒を使うことで、水を使用した場合に比較してギ酸中間体が4倍の生成速度でギ酸合成することを見いだし、CO2と水素から直接ギ酸を合成する方法を開発した。産総研はこれまで、高圧水素連続供給法およびフロー式によるギ酸からの連続発電技術を開発していて、今回開発した技術と組み合わせることで、CO2を循環させギ酸を水素キャリアとして使用することが可能になるとしている。
合成燃料関係
三菱重工 eメタン管理プラットフォームCO2NNEXを大阪・関西万博に実装 2024.9.25
三菱重工は、大阪ガスと共同で、CO2の流通を可視化し、eメタンの環境価値管理や移転を行うデジタルプラットフォームCO2NNEXを、2025年に開催される日本国際博覧会(大阪・関西万博)に実装すると発表した。大阪・関西万博開催期間中、大阪ガスは会場内で製造するeメタンやeメタン・バイオガスを供給する予定だ。両社はプラットフォームを用いて、会場内のeメタン製造・利用実証における属性データや創出された環境価値を管理する。また、日本各地の都市ガス事業者が製造したeメタン・バイオガスの環境価値を、万博会場に供給する大阪ガスの天然ガスに移転することも行うとしている。
日揮HDなど 徳洲会とSAF原料としての廃食用油供給で基本合意 2024.9.26
日揮ホールディングス、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYは、医療法人徳洲会や一般社団法人徳洲会からなる徳洲会グループと、使用済み食用油の国産SAF等製造へ再利用する取り組みについて基本合意書を締結したと発表した。徳洲会グループが運営する全国約140の病院・老健・特養等の給食施設から排出される廃食用油を10月からSAF原料として供給する。
また、日揮HDはコスモ石油、レボインターナショナルと共同で手掛ける「廃食用油を原料とした国産SAFの大規模生産に向けた協業」がForbes JAPAN主催の「Xtrepreneur AWARD 2024」において、サーキュラーエコノミー部門賞を受賞したと発表した。
CCUS、DAC関連
東芝ESSなど BECCSの検討に着手 2024.9.24
東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)は、中国電力、住友重機械工業、日揮グローバルと共同で、中国電力グループのエネルギア・パワー山口が運営する防府バイオマス発電所でのBECCSの商用実装に向け、CO2分離回収・液化・貯蔵・払出設備を含めた設備の設計検討に着手したと発表した。住友重機械がボイラ技術とCO2分離回収技術の知見を活かし、CO2分離回収プロセス全体構成の設計を、東芝ESSが分離回収設備の設計、日揮グローバルがCO2液化・貯蔵・払出設備の設計、中国電力が全体取りまとめを担当する。JOGMECの令和6年度「先進的CCS事業に係る設計作業等」に関する委託調査業務を受託していて、日本で初となるBECCSの商用実装となる。
東京ガス サントリー白州蒸留所でのCO2回収に成功 2024.9.24
東京ガスは、サントリー及び東京ガスエンジニアリングソリューションズと共同して、サントリー白州蒸留所での、固体吸収法によるCO2回収実証実験で、蒸留工程で発生する低濃度CO2を99.5%以上の高濃度で分離回収することに成功したと発表した。RITEが開発した固体吸収材を用い、RITEと三浦工業が共同で開発した小型CO2分離・回収装置を使用した。今後は、回収したCO2を現地で利用するオンサイトCCUについて検証し、サントリーグループのCCU活動拠点や生産工程についても検討を行っていく予定だとしている。
大崎クールジェン バイオマス混合ガス化CO2分離回収IGCC実証実験を開始 2024.9.25
大崎クールジェンは、NEDOの協力のもと、CO2分離回収設備を備えたIGCCにバイオマス燃料を混合する実証実験を開始したと発表した。NEDOと大崎クールジェンは、これまでCO2分離回収技術を組み合わせたCO2分離回収型酸素吹IGCCの実証実験を行い、CO2回収率90%以上を達成している。今回、CO2分離回収型酸素吹IGCCにバイオマス燃料を混合した場合の検証試験、及び適用可能性について実証することを目的に実証試験をおこなう。大崎クールジェンは、実証試験を通じて得られた成果をバイオマス混合ガス化技術の社会実装につなげ、分離回収したCO2の一部を隣接するカーボンリサイクル実証研究所拠点に供給することで、カーボンリサイクル技術の開発を行っていくとしている。
ENEOS 土壌炭素固定カーボンクレジットスタートアップに出資 2024.9.25
ENEOSは、土壌炭素固定カーボンクレジット事業を手掛ける豪州に本拠があるスタートアップCarbon Asset Solutions(CAS)と株式引受契約を締結し、出資を行ったと発表した。土壌炭素固定カーボンクレジットは、農耕作地等における持続可能な農法の導入等の取り組みにより土壌中の炭素量を増やし、その増加分に相当するCO2が大気中から除去・固定化されたとみなして発行されるカーボンクレジットだ。CASは国際規格に準拠することを認証された土壌炭素固定カーボンクレジットを発行する事業者で、ENEOSは土壌炭素固定カーボンクレジットの普及を通じてカーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとしている。
JOGMEC 令和5年度先進的CCS事業成果報告会を開催 2024.9.27
JOGMECは、9月26日イイノホール&カンファレンスセンターで令和5年度先進的CCS事業成果報告会を開催を開催した。2023年度に採択された7事業推進者からの成果報告があった。JOGMECは2024年度のCCS事業として「先進的CCS事業に係る設計作業等」で9案件を選定している。日本政府及びJOGMECは、2030年までに年間600~1,200万トンのCO2貯留を目標に、今後も推進を行っていくとしている。
ニュースウォッチ
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