政策・規制、検討会関係
JOGMEC ドイツH2グローバルとグリーン水素協力で覚書を改定 2024.6.4
JOGMECは、水素の国際市場の立ち上げを目的に設立されたドイツのH2グローバル財団との間で、2024年2月にクリーン水素に関する協力の促進を目的とした覚書を締結したが、今回、低炭素水素に係る基準・認証やプロジェクトの評価方法を協力分野に含めた改定を行ったと発表した。日本政府が2024年5月に成立した水素社会推進法に基づき制度整備を進めるのに合わせての改定となった。
水素・アンモニア・LOHC関連
伊藤忠 北九州市での水素・アンモニアサプライチェーン構築FSを開始 2024.6.3
伊藤忠商事は、福岡県水素拠点化推進協議会の参画メンバーとして、北九州市響灘臨海エリアを中心とした水素・アンモニアのサプライチェーン構築に関する実現可能性調査(FS)を開始したと発表した。北九州市響灘臨海エリアでは、エリア内で2030年に水素換算で約9万トン、2040年に約70万トンの水素・アンモニア需要が見込まれている。伊藤忠は海外からのアンモニア調達、アンモニアクラッキング、地域資源活用による水素製造、及びパイプラインによる近隣需要家への供給といった水素・アンモニアサプライチェーン構築に関する調査を行う。
関西電力 兵庫県播磨・神戸地域での水素サプライチェーン構築に向けた調査を実施 2024.6.3
関西電力は、エネルギー供給構造高度化事業コンソーシアムが公募した「令和6年度非化石エネルギー等導入促進対策費補助金(水素等供給基盤整備事業)」に提案した「兵庫県播磨・神戸地域のクリーン水素導入に向けた潜在需要、輸送インフラ、地域経済への影響に関する調査」が採択されたと発表した。今後、自治体や水素利活用候補先と協力して、2030年時点での当該地域における水素需要や利活用先への最適な輸送インフラ、地域経済への影響について調査検討を行うとしている。事業期間は2024年6月から2025年2月末となっている。
日立造船 福井県の電子部品生産プラントに水素発生装置を納入 2024.6.4
日立造船は、京都市の薄膜抵抗器製造メーカー進工業の福井県小浜市にある小浜工場に、清水建設から受注していた水素発生量5Nm3/hの水素発生装置1基を納入したと発表した。清水建設が産総研と共同開発した再生可能エネルギーの余剰電力により水素発生装置を運転し、水素を水素吸蔵合金に蓄え、必要に応じて水素を取り出し発電する「Hydro Q-Bic」システム向けに水素発生装置を納入したもの。生産プラント向けに導入されるのは初めてとなる。
つばめBHB 東京工業大学とグリーンアンモニア協同研究拠点を設置 2024.6.5
つばめBHBは、東京工業大学とアンモニアの合成・利用のための高効率触媒に関する研究を行う「つばめBHBグリーンアンモニア協働研究拠点」を東工大すずかけ台キャンパスに設置したと発表した。共同研究拠点の設置により、東工大のアンモニア触媒に関する知見とつばめBHBの触媒の工業化や反応プロセス技術によるグリーンアンモニア及びアンモニア由来の化合物の合成技術の創出を目指すとしている。
双日 インドからグリーンアンモニア供給で基本合意 2024.6.6
双日は、シンガポールに拠点のあるエネルギー開発会社セムコーポの100%子会社セムコープ・グリーン・ハイドロジェン、及び九州電力と、3社がインドで製造予定のグリーンアンモニアについて日本向けに供給することに関して基本合意したと発表した。双日と九州電力は基本合意に基づき、2020年代後半から年間20万トンのグリーンアンモニアを九州地方を中心とした産業需要家に供給する予定だ。双日は2022年からセムコープと脱炭素分野での事業の協業協議を開始し、2023年よりセムコープ、九州電力と共に、日本の需要家向けにグリーンアンモニアを供給するプロジェクトの検討を進めていた。
合成燃料関係
大阪ガス SOECメタネーション ラボ試験装置が完成 2024.6.5
大阪ガスは、産総研と共にNEDO GI基金事業に採択された「SOECメタネーション技術革新事業」において、e-メタン製造能力0.1Nm3/hのラボスケール試験装置が完成し、試験を開始したと発表した。SOECメタネーションは。SOECを用いて水やCO2を電気分解し、生成した水素とCOから触媒による反応装置でe-メタンを合成する。SOECメタネーションでは、外部水素調達が不要で、SOECが700~800℃の高温で作動するため、必要な再エネ電力等を削減できる。さらにメタン合成時の排熱を活用することで、従来メタネーションのエネルギー効率55~60%を上回る85~90%が期待される。大阪ガスはラボ試験装置で装置の性能確認と共に、エネルギー効率の検証を行うとしている。
日立造船 東京都の一般廃棄物を原料としたSAF製造に向けたFS調査に採択 2024.6.6
日立造船は、東京都が公募した「一般廃棄物を原料としたSAF製造に向けたFS調査」に応募した「一般廃棄物由来バイオエタノールによるSAF実現可能性調査」が採択されたと発表した。日立造船が開発した「バイオマス二段階原燃料化システム」を適用し、東京二十三区清掃一部事務組合の協力のもと、一般廃棄物中のバイオマスをエタノールに変換し、SAF製造事業者へのバイオエタノールを供給するモデルを検討する。
運搬・貯蔵、燃焼、利用関係
三菱重工 タイ国電力公社とガスタービン向け水素混焼技術導入検討でMoUを締結 2024.6.5
三菱重工は、タイの発電事業者タイ国電力公社(EGAT)と、タイ国内のガスタービン発電設備に燃料として水素を混焼させる技術を導入する調査・検討についてMoUを締結したと発表した。両社は2022年にクリーン燃料発電、クリーン水素、CCUS技術に関する調査と情報交換に関するMoUを締結していて、今回、水素混焼についてのMoUについて合意した。MoUに基づき、第一弾として2025年3月までに初期FSを実施し、その後の詳細FSにつなげるとしている。
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