水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.6.29
水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.6.29

水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.6.29

水素・アンモニア・LOHC関連

三井物産 UAEでのクリーンアンモニア製造プラント建設開始         2024.6.25

 三井物産は、UAEのアブダビ国営石油会社ADNOCが出資するタジーズ、ファーティグローブ、韓国のGSエナジーと共同で、UAEルワイスでアンモニア製造プラントの建設を開始したと発表した。従来よりもCO2排出量の少ないアンモニアを2027年から年間100万トン製造する予定だ。また、製造工程で排出されるCO2を回収・貯留する設備を追加し、2030年までにクリーンアンモニアの製造開始を目指す。三井物産は、プロジェクトへの参画に加え、製造するアンモニアの一定量を引き取り、日本をはじめとするアジア域内に供給する計画だ。

東邦ガス 知多緑浜工場から水素供給を開始    2024.6.27

 東邦ガスは、知多緑浜工場での水素製造プラントの運転を開始し、水素供給を開始したと発表した。天然ガス改質による水素製造で1日あたり1.7トン(800Nm3/h)の水素製造能力を有している。製造した水素は、水素ステーションや大陽日酸など熱分野、工業用原料などの用途向けに供給する。

三菱造船 アンモニア分解水素の船舶利用FS完了 2024.6.28

 三菱造船は、米国のアンモニア分解技術開発スタートアップ アモジー社と共同で行った、船舶向けにアンモニアを活用した2つのコンセプトソリューションに関しての実現可能性調査(FS)が完了したと発表した。FSでは、アモジー社のアンモニア分解技術を活用した船上水素製造利用設備と、三菱造船の舶用アンモニアハンドリングシステム「MAmmoSS」を組み合わせ、アンモニア分解水素を水素燃料電池に適用する可能性について検証を行った。また、アンモニア燃料に必要なパイロット油を従来の重油・軽油からアンモニア分解水素に代替し、アンモニア燃料船をカーボンフリー化する検証も行った。

合成燃料関係

IHI 小型SAF製造試験装置を設置へ  2024.6.24

 IHIは、シンガポール科学技術研究庁傘下の研究機関ISCEと共同で、水素とCO2からSAF原料となる液体炭化水素を合成するプロセスを検証するための試験装置を設置すると発表した。ISCE敷地内に9月までに1日あたり100kgのCO2を注入する試験装置を設置し、年内に試験を開始する予定だ。IHIとISCEは、2022年にSAF合成の新触媒を開発し、ラボ試験において世界トップレベルの性能を持つことを確認しているとしている。

コスモ石油 SAF廃食用油回収キャンペーンを展開         2024.6.24

 コスモ石油は、日揮HD、レボインターナショナルと連携し、SAFの原料となる廃食用油の回収キャンペーン「東京 油で空飛ぶ 大作戦 Tokyo Fry to Fly Project」を展開している。コスモ石油は、コスモ石油マーケティング、コスモ石油販売と共同で、6月24日より8月31日まで東京都内のコスモのガソリンスタンド3店舗でSAF原料化を目的とした廃食用油の市民回収実証を開始したと発表した。

日揮HD 神戸市とSAF製造のための廃食油回収で連携         2024.6.28

 日揮HDは、レボインターナショナル、NPO法人Blue Earth Project、関西エアポート神戸と、SAF原料となる廃食用油の回収促進を目的とした連携協定を締結したと発表した。2024年秋頃から神戸市の公共施設数か所に廃食用油の専用回収BOXを設置し回収の実証を行うとともに、廃食用油回収の取り組みに関する普及啓発イベントを開催する予定だ。

CCUS、DAC関連

日揮HD ゼオライト膜CO2分離回収技術が日本セラミックス協会の技術賞を受賞       2024.6.24

 日揮HDは、日本ガイシと共同で開発を行っている「大型DDR型ゼオライト膜を用いたCO2分離回収技術の開発」が、日本セラミックス協会の2023年度第78回技術賞を受賞したと発表した。従来難しいとされていた高圧・高CO2濃度での大規模ガス処理に関して、日本ガイシが開発した大型DDR型ゼオライト膜でCO2とメタンを分離する。天然ガス及び原油生産時の随伴ガスからのCO2分離回収での利用が期待されるとしている。

JOGMEC CCS事業化9案件を候補選定       2024.6.28

 JOGMECは、公募していた「先進的CCS事業に係る設計作業等」事業について、国内貯留5案件、海外貯留4案件の計9案件を候補として選定したと発表した。9案件で年間約2,000万トンのCO2貯留量となる。2023年度に選定したCCSバリューチェーン構築FSで挙がった用役コスト、CO2輸送・貯蔵能力、CO2貯留可能量及び圧入・長期貯留健全性などの課題に対して、今回の事業化候補でCCSバリューチェーン全体の設計作業や貯留可能性評価を行う。JOGMECは先進的CCS事業の事業フェーズに応じた支援を行い、2030年までに年間600~1,200万トンのCO2貯留量の達成に向けて取り組んでいくとしている。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

IHI JERA碧南火力発電所での燃料アンモニア転換実証試験が終了             2024.6.26

 IHIは、2024年4月に開始したJERA碧南火力発電所で4号機での燃料アンモニア転換実証試験を終了したと発表した。実証試験では、定格出力100万kWでの運転で燃料アンモニアとして20%転換し、従来燃料専焼と比較し用性は同等で、NOxは同等以下、SOxは約20%減少したことを確認している。IHIは今回の事業成果を基に、火力発電所でのアンモニア50%以上の高比率燃焼技術の確立や100%燃料バーナの開発に取り組んでいくとしている。

川崎重工 LPG燃料推進LPG/アンモニア運搬船の引渡し         2024.6.28

 川崎重工は、川崎重工としては5番船となる86,700m3型LPG燃料推進LPG/アンモニア運搬船「GAS AMETHYST」の引き渡しを行ったと発表した。

出資

三菱UFJ銀行 LanzaJetに出資       2024.6.26

 三菱UFJ銀行は、SAFの製造技術を保有する米国スタートアップLanzaJet社に出資したと発表した。LanzaJet社はATJ技術を活用したSAF製造プラントの建設を米国ジョージア州で行っている。三菱UFJ銀行は、今回の出資を通じて航空業界の脱炭素ヘの取り組みを加速させていくとしている。

ハイドロネクスト 2.3億円の資金調達を実施 2024.6.28

 大分県のスタートアップハイドロネクストは、ベンチャーキャピタル5社を引受先とした第三者割当増資によるプレシリーズAラウンドとして2.3億円の資金調達を行ったと発表した。ハイドロネクストは、水素を含む混合ガスをバナジウム金属膜に透過させることでほぼ100%純度の水素を取り出す技術を開発している。同社は2025年度をめどに、1時間当たり5Nm3の高純度水素精製装置の開発完了を目指している。

ニュースウォッチ

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  • 豪水素企業スパーク、信州大と協力枠組み協定 2024.6.27
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