水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.5.25
水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.5.25

水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.5.25

合成燃料関係

三菱重工、日本ガイシ バイオエタノール、e-メタノール向け膜分離脱水システムを共同開発     2024.5.22

 三菱重工は、日本ガイシと共同でバイオエタノールおよびe-メタノール製造工程での膜分離脱水システムの共同開発を行うと発表した。バイオエタノール製造工程では発酵、蒸留後の脱水工程を従来方式から膜分離方式に置き換える。また、e-メタノール製造工程ではメタノール合成後の脱水工程を膜分離方式に置き換える。三菱重工と日本ガイシは2024年4月18日、アンモニア分解ガスから水素精製工程での膜分離システムでも共同開発を行うと発表している。

CCUS、DAC関連

東芝ESS CO2分離回収設備での新CO2吸収液実証運転を完了       2024.5.18

 東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)は、佐賀市と共同で、佐賀市清掃工場に2016年に設置したCO2分離回収商用設備で、新吸収液「TS-X」の実証運転を行い良好な試験結果を得られたことから実証運転を完了したと発表した。新回収液「TS-X」は現行吸収液と必要回収エネルギーは同等に保ちながら、劣化度合いを従来液の3分の1に抑え、大気中へのアミン成分の排出量も10分の1程度に低減した。今後、既存のCO2分離回収設備への吸収液の切り替え時にTS-Xを適用していくとしている。また、東芝ESSは、吸収液のより効率的な運用を目指し、CO2分離回収後の吸収液に蓄積される不純物を電気透析により除去する方法の研究を4月から開始した。

三菱化工機 CO2分離用分子ゲート膜によるCO2分離回収型水素製造装置を開発へ    2024.5.20

 三菱化工機は、次世代型膜モジュール技術研究組合(MGM組合)と共同で提案した「高圧用CO2分離膜の水素製造システムへの適用性検討」が、NEDOが公募した「CO2分離・回収技術の研究開発/二酸化炭素分離膜システム実用化研究開発」の助成事業として採択されたと発表した。MGM組合が取り組んできた高圧ガス源であるIGCC、水素プラント向けCO2分離用分子ゲート膜の中圧水素製造システムへの適用性の検討を行う。三菱化工機は、水素製造装置にCO2分離膜を取り込み、高純度水素製造とCO2回収機能を有する実証機を設計・製作、実証試験を行う。2社は2028年度中の商業利用開始を目指すとしている。

三菱重工 ベルギーでCO2回収装置実証試験機稼働         2024.5.21

 三菱重工は、アルセロール・ミタル、BHP、Mitsubishi Develppment Pty(MDP)と共同で、アルセロール・ミタルがベルギー・ゲントに保有する製鉄所の高炉にCO2回収装置を設置し、実証実験を開始したと発表した。三菱重工が関西電力と共同で開発したAdvanced KM CDR Processを設置し、高炉ガスと圧延再加熱炉の排ガスからCO2の回収を行う。将来的には直接還元製鉄設備のリフォーマー排ガスでの実施も計画する。アルセロール・ミタルと三菱重工は実証試験を通じて、製鉄プラントでのCO2回収技術の実装に向けて最適化設計を検討していくとしている。

住友商事 カナダ・アルバータ州でのCO2回収・貯留事業で共同開発    2024.5.24

 住友商事は、カナダのReconciliation Energy Transition Inc.(RETI)社と、住友商事の子会社Ammolite Carbon Sequestrationを通じて、カナダ・アルバータ州カルガリー東部のRETIプロジェクトの共同開発契約を締結したと発表した。契約は2023年10月にRETIと締結した独占契約に基づいて実施されたもので、年間最大1,000万トンのCO2のCCSを想定するプロジェクトだ。2026年度のCCS開始を目標として共同開発を進めるとしている。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

中部電力 アンモニア混焼小型還流ボイラを開発へ         2024.5.21

 中部電力は、三浦工業と都市ガスとアンモニアを混焼する小型還流ボイラの開発に向けた共同研究に関する契約を締結したと発表した。今後、中部電力と三浦工業は、混焼バーナの開発や、中部電力技術開発本部内に設置する実験設備を用いた燃焼試験などに取り組んでいくとしている。また、中部電力ミライズを加えた3社で、アンモニア混焼ボイラの市場調査や製品仕様等の検討を行い、商品化を目指す。

投資

日本特殊陶業 水素社会・炭素循環型社会実現に向けファンドを設立    2024.5.21

 日本特殊陶業は、水素と炭素循環をコンセプトとした「水素の森」プロジェクトを開始すると発表した。運用総額40億円規模のCVCファンドを設立し、関連するスタートアップに投資を行うと共に、日本特殊陶業小牧工場に敷地内に同テーマに特化した5,000m2の実証フィールドを設置し、スタートアップの技術開発を支援する。

ニュースウォッチ

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