水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.4.20
水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.4.20

水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.4.20

水素・アンモニア・LOHC関連

大陽日酸 アンモニアからFCV用水素製造の実証実験に成功    2024.4.15

 大陽日酸は、アンモニアから燃料電池自動車(FCV)用水素の製造実証に成功したと発表した。大陽日酸は2014年から2018年まで実施されたSIP「アンモニア水素ステーション基盤技術」に参画し、水素ガス精製技術を確立してきた。今回、大陽日酸が開発した水素生成装置により、製造水素がFCV用に要求されるISO14687 Grade D規格を満足した。今後、アンモニア化から水素ガスを製造する装置の商品化を進めるとしている。

三菱重工、日本ガイシ 膜分離による水素精製システムを共同開発へ    2024.4.18

 三菱重工と日本ガイシは、アンモニア分解ガスを膜分離により水素を精螺生するシステムの共同開発を行うと発表した。アンモニアを分離する際に生成される水素と窒素の混合ガスから、膜分離方式によって水素を精製するシステムの構築を目指すとしている。

JERA 低炭素アンモニア製造でCF Indistriesと共同開発契約を締結        2024.4.18

 JERAは、CF Indistriesと低炭素アンモニア製造プロジェクトに関する共同開発契約を締結したと発表した。JERAは、2023年1月にCF Indistriesと低炭素アンモニア製造事業の共同開発および碧南火力発電所でのアンモニア混焼大規模実証に対して燃料アンモニア調達に関する協業検討の覚書を締結している。今回、米国メキシコ湾岸ルイジアナ州で年間約140万トンの低炭素アンモニア製造拠点開発を行い、2028年に生産開始を予定する。JERAは、共同開発契約に基づきプロジェクトに48%の出資を行い、将来日本国内向けに年間50万トン以上のアンモニア調達を検討する。

JERA インドのグリーンアンモニア製造プロジェクトで共同開発         2024.4.19

 JERAは、インドの再生可能エネルギー事業者ReNew社とグリーンアンモニア製造プロジェクトに関する共同開発契約に締結したと発表した。ReNew社はインド東部オディシャ州パラディップで、再生可能エネルギーを利用してグリーン水素を生産し、その水素を原料として年間約10万トンのグリーンアンモニアを生産するプロジェクト開発を進めている。両社は今後契約に基づき、基本設計・詳細設計による共同開発および日本へのグリーンアンモニアの供給について検討を行っていくとしている。

合成燃料関係

日揮HD SAF原料としての廃食油確保を推進  2024.4.17

 日揮HDは、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYと共同で推進している国内SAF製造に向けた取り組みとして、HEFAプロセスで製造されるSAF原料となる廃食用油の確保のため、みなとみらい東急スクエアの飲食店9店舗からの廃食油の回収を4月1日から開始したと発表した。また、星野リゾートと廃食用油の供給を受ける契約を締結し、関西国際空港りんくうタウン駅にあるホテルから導入を開始し、順次拡大していくと発表した。

コスモ石油 神戸港の湾岸作業車両への国産バイオディーゼルの導入を開始     2024.4.18

 コスモ石油マーケティングは、商船三井テクノトレードと共同して、商船港運が運営する神戸国際コンテナターミナル(KICT)で、商港テクノサービスが港湾荷役機器整備のため使用しているフォークリフト、車両等の燃料として、国産バイオディーゼル燃料「コスモCF-5」の納入を開始したと発表した。コスモCF-5は、コスモ石油が精製・製造した軽油に、レボインターナショナルが廃食用油から精製した軽油代替燃料C-FUELを5%混合したバイオディーゼル燃料で、商船港運が委託・運営している食堂から廃食用油を回収して活用している。

CCUS、DAC関連

三菱商事 米国ルイジアナ州でのDACプロジェクトに参画         2024.4.16

 三菱商事は、ルイジアナ州立大学(LSU)、ヒューストン大学(UH)、シェル(Shell US Gas & Power)が米国ルイジアナ州で検討を進めるDACプロジェクト ペリカンGCCRへの参画を行うと発表した。プロジェクトでは複数のDAC技術をスケールアップして評価し、将来的にCO2換算で年間100万トンの炭素除去を目指す。また、回収したCO2の一部をeメタンやSAFなどの原料として活用することなども視野に入れる。プロジェクトは、2023年8月米国エネルギー省(DOE)より490万ドルの助成を受けている。

大陽日酸 CO2回収装置の原料CO2濃度範囲を拡大         2024.4.17

 大陽日酸は、2023年4月に発売を開始した10トン/日規模のCO2回収装置の適用可能範囲20%~40%から、60%の高濃度CO2まで回収できるように濃度範囲を拡大したと発表した。中小規模の石灰製造炉などの高濃度のCO2排出源からPSAで98%以上の濃度でCO2回収が可能で、回収したCO2は炭酸塩などの原料やメタネーションに利用することができる。

東芝ESS 佐賀市のCO2分離回収設備でCO2吸収液の実証運転を完了        2024.4.18

 東芝エネルギーシステムズは、2023年3月から2024年3月まで佐賀市と共同で実施してきた、CO2分離回収設備での新CO2吸収液TS-Xの実証が終了したと発表した。佐賀市清掃工場で、ごみ焼却の際に発生する排ガスから1日最大10トンのCO2を分離回収し、新吸収液で8000時間以上の運転を実施した。試験結果では、現行吸収液と回収エネルギーは同等で、吸収液の劣化度合いが抑えられることを確認した。今後、TS-X吸収液を使用したCO2分離回収設備の拡販、および既存設備への吸収液の切り替え供給を行っていくとしている。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

川崎重工 水素混焼ガスエンジンの実証設備を建設         2024.4.15

 川崎重工は、神戸工場で稼働している都市ガスを燃料とする発電出力8MW級の大型ガスエンジン発電設備を改造して、水素30%混焼フルスケール実証設備を建設する工事に着手したと発表した。水素は燃焼速度が速く、燃焼温度が高いため、燃焼室部品の過加熱などによる劣化の促進の課題があるが、発電出力や水素混合比率などの制御システムを構築し、燃焼室の仕様を変更して課題を克服した。設備は2024年10月より運用を開始する予定となっている。

体制

出光 富士石油の株式8.75%を取得 持分法適用会社へ         2024.4.16

 出光興産は、JERAが保有する富士石油の発行済み株式数の8.75%を取得すると発表した。保有する富士石油の株式13.04%と合わせて21.79%を保有することになり、富士石油は持分法適用会社となる。両社は燃料油事業における協業深化と将来の脱炭素化に向けた取り組みを推進する資本業務提携に関する合意書を締結した。

ニュースウォッチ

  • JERA、35年度まで再エネに1兆円超 IPOや増資も視野 2024.4.15
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  • 海外海底下CCSへ ロンドン議定書改正案批准審議 2024.4.17
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