水素・アンモニア・LOHC関連
岩谷産業、コスモ石油 平和島水素ステーションを開所 2024.4.9
岩谷産業とコスモ石油マーケティングは、出資会社である岩谷コスモ水素ステーションが、岩谷コスモ水素ステーション平和島を4月8日に開所したと発表した。水素ステーションは京浜トラックターミナル内でキタセキが運営する京浜トラックターミナル平和島SSに併設していて、今後普及が見込まれる大型FCトラックへの水素充填が可能となる。
ENEOS 羽田空港ターミナルビルへのCO2フリー水素供給を検討 2024.4.10
ENEOSは、東京国際空港(羽田)の旅客ターミナルビルを運営する日本航空ビルデングと、羽田空港旅客ターミナルビルで水素発電コジェネ導入を前提としたCO2フリー水素利用の実現について共同検討に関する協定を締結したと発表した。京浜臨海部の水素供給拠点から、羽田空港旅客ターミナルビルへCO2フリー水素を供給し、水素発電コージェネレーションを通じた電力および熱を供給するための水素供給インフラ整備の検討を行う。2030年頃の水素利用実装を目指すとしている。
合成燃料関係
三菱重工 SAFに関するレポートを発表 2024.4.9
三菱重工は、ボーイング、SMBCアビエーションと共同で、ICFに委託したSAFに関する包括レポートを発表した。
日本政府は、2030年に航空機用ジェット燃料需要の10%となる1,710千kLをSAFに置き換える目標に規制導入を検討している。ICFのレポートでは、この目標達成に必要なSAF原料を日本国内で賄えるとしながらも、SAF精製設備の不足も指摘し、2030年までの国内原料由来のSAF生産能力は制限されていると分析している。
レポートでは、国内原料由来のSAF生産の機会と燃料消費量の関係を、産業創成進歩を3つ状態でシナリオを設定し分析している。それによると、原料の入手性が高く、燃料消費量が減少し、日本政府が高効率航空機導入や国内SAF生産への支援を積極的に行って産業創成が迅速に進んだ場合は、2050年にはジェット燃料の総需要の最大80%を国内原料で賄える可能性があるとしている。
JX石油開発、住友商事 米国ルイジアナ州でのSAF/BECCS事業に参画 2024.4.9
JX石油開と住友商事は、米国ルイジアナ州で開発中のルイジアナ・グリーンフューエルSAF/BECCS事業に参画すると発表した。事業では、木質バイオマス廃棄物をガス化・合成し、SAFおよび再生可能ナフサ(RN)の製造を行う。2029年には年産約12万kLの製造設備の商業稼働を開始する予定だ。また、事業では製材所で生じた廃材などを燃料としてバイオマス発電を行い、操業のための電力として活用すると同時に、SAF/RN製造・発電過程において生じるCO2を回収し地下に圧入するCCSも実施するとしている。
日本ゼオン 米Visolis社とSAF原料事業でMoUを締結 2024.4.9
日本ゼオンは、米国のバイオスタートアップVisolis社と、バイオイソプレンモノマーおよびSAFなどの商業化に関するMoUを締結したと発表した。バイオイソプレンモノマーは、バイオイソプレンゴム(IR)やバイオスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、SAFなどの原料となる。日本ゼオンは2023年2月にCVCを通じてVisolis社に出資し、同社の技術で合成したモノマーを使用してバイオSISを合成している。
出光興産 全農グレインとSAF原料確保で協業 2024.4.11
出光興産は、全国農業協同組合連合会の子会社で米国ルイジアナ州な本社がある全農グレインと、SAFサプライチェーン構築の戦略的協力に関する覚書(MoU)を締結したと発表した。出光興産は、2030年までに年間50万kLのSAF供給体制の構築を目標に、千葉事業所にATJによる実証生産、徳山事業所にHEFAによるSAF製造の検討を行っている。HEFAは原料として植物油などが使用されるが、HEFA原料油の確保が課題となっていて、全農グレインと協業することで、大豆油を中心とした植物油・その裏作でカメリナ・カリナタ・冬作菜種などカバークロップ(緑肥)として栽培される非可食油糧種子由来の植物油の活用を検証する。
CCUS、DAC関連
三菱重工 カナダでの既設セメントプラント向けCO2回収設備のFEEDを受注 2024.4.11
三菱重工業は、ドイツに本社を置くグローバルセメントメーカー ハイデルベルク・マテリアルズ社から、同社のカナダ・アルバータ州エドモントンにある既設セメントプラント向けCCUSプロジェクトでの基本設計(FEED)を受注したと発表した。カナダでCO2回収事業を担う三菱重工グループ会社MHI-LCSCと北米エンジニアリング会社キーウィット・エナジーGrのコンソーシアムが受注し、三菱重工のCO吸収アミン液KS-21とCO2回収技術Advanced KM CDR Processを適用し、最終的には年間100万トンのCO2を回収する設備の設計を行う。
運搬・貯蔵、燃焼、利用関係
三菱造船 舶用アンモニア燃料エンジン向け燃料供給装置を受注 2024.4.10
三菱造船は、ジャパンエンジンコーポレーション(J-ENG)から、アンモニア燃料供給装置(AFSS)およびアンモニア処理装置(AGAS)を受注したと発表した。2025年中にJ-ENGに納入予定だ。
また、三菱造船は、スイスの舶用大型エンジンライセンサー ウインターツールガスアンドディーゼル社(WinGD)が開発を進めている、アンモニア焚き舶用大型低速2ストローク「X-DF-A型」エンジン向けアンモニア燃料供給装置(AFSS)の基本設計承認(AiP)を、日本海事協会から取得したと発表した。
日本郵船 Truck to ship方式での船舶への燃料アンモニア補給の実施を決定 2024.4.10
日本郵船は、保有するアンモニア燃料タグボート(A-tug)に対して、今年5月下旬にタンクローリーよりフレキシブルホースを用いて船舶へ燃料を供給するTruck to ship方式で燃料アンモニアを補給することを決定したと発表した。2023年12月にJERA、レゾナックと共に、燃料アンモニアの船舶への供給に向けた共同検討を開始し、安全な運用方法の確立や輸送・受けあれ体制の構築等に取り組んできた。安全な燃料アンモニアの船舶への補給のめどが立ったことでアンモニア燃料の補給を決定した。
GHG排出
日揮HD マレーシアでのメタン等GHG排出管理技術検討PJを完了 2024.4.10
日揮HDは、日揮グローバルがJOGMECより委託された調査業務の一環として、マレーシアのペトロナス社が保有する天然ガス海上生産設備を対象としたGHG排出管理および削減手法の技術検討が完了したと発表した。日揮グローバルは、ドローンや固定センサーなどを使って設備全体の排出をとらえるトップダウン計測手法の策定を行ない、ペトロナス社は、排出源毎の排出量を測定・算出し積み上げるボトムアップ計測手法の策定行なった。トップダウンとボトムアップ手法による結果の差分は検証を通してGHG排出量定量化の精度向上に使用するとしている。プロジェクトは、2023年11月から2024年3月までマレーシア サラワク沖にある天然ガス海上生産設備で行われた。
ニュースウォッチ
- 北海道の会沢高圧、洋上風力でアンモニア製造へ50者連合 2024.4.8
- シナネン、CO2実質ゼロの燃料販売 法人向け 2024.4.8
- ENEOS、石油化学品のCO2排出量算出 メーカー向け 2024.4.8
- 関西電力、CO2貯蔵の実証事業に参画 輸送船に積み込み 2024.4.8
- 東芝ESS、CO2電解装置を26年に商品化 2024.4.9
- 出光興産、北海道でeメタノール生産検討 2024.4.10
- みずほ、海外CO2回収貯留に邦銀初参画 カナダ実証に出資 2024.4.11
- 花王、化粧品原料でCCU 植物栽培に清掃工場のCO2 2024.4.12
- 三井物産や三菱商事、CO2が9割減のLNG 生産時の排出 2024.4.12