水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.3.30
水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.3.30

水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.3.30

水素・アンモニア・LOHC関連

JERA エクソンモービルと低炭素水素・アンモニア製造を検討         2024.3.25

 JERAは、エクソンモービルと、エクソンモービルが推進する低炭素水素・アンモニア製造プロジェクトへの参画について検討を行うことにしたと発表した。エクソンモービルは2028年の生産開始をめどとして、米国テキサス州ベイタウンで年間約90万トンの低炭素水素生産、およびその水素を原料とした年間100万トン以上のクリーンアンモニアを生産するプロジェクトを計画している。JERAはプロジェクトへの参画、およびプロジェクトで生産するクリーンアンモニアを年間約50万トン日本向けに調達する検討を行う。

住友商事、東京ガス メガワット級PEM水電解装置を設置         2024.3.26

 住友商事と東京ガスは、イギリスに本拠地を置くITM Power社が開発した1.4MW PEM型水電解装置NEPTUNEを東京ガス横浜テクノステーション内に設置したと発表した。ITM Powerは独リンデに世界最大級の24MW PEM水電解装置を納入している。東京ガスは2021年7月にメタネーションの実証実験を開始すると発表していて、PEM水電解装置で製造した水素をeメタン製造実証に活用していくとしている。

日本特殊陶業 リバーシブルSOCシステムを開発        2024.3.27

 日本特殊陶業は、固体酸化物セル(SOC)を用いて、水電解による水素製造(SOEC)と燃料電池による電力発電(SOFC)を1台のセルスタックで行う「リバーシブルSOCシステム」を開発したと発表した。単一のシステムでSOECとSOFC機能を備えるため、両方のシステムを併設するのに比べてシステムをコンパクトにできる。夏に太陽光発電で発電した余剰電力をSOECで水素に変換し貯蔵し、電力量が減少する冬には貯蔵水素によるSOFCでの発電で補うなどの使用方法の可能性がある。日本特殊陶業は2024年度に実証を行い、2025年度中の製品化を目指すとしている。

住友商事 米国での船舶向けアンモニア燃料供給事業を共同検討        2024.3.29

 住友商事は、アメリカ船級協会、米国カルフォルニア州のアンモニア小売業者CALAMCOら4社と、米国西海岸でSTS(シップトゥーシップ)方式による船舶へのクリーンアンモニア燃料供給事業に関する共同検討を開始すると発表した。CALAMCOが、2027年頃に輸入アンモニアから地場生産のクリーンアンモニアに切り替える計画を機に、自動車運搬船やコンテナ船向けに燃料アンモニアの供給を検討する。アンモニアバンカリング船のオペレーション・ガイドラインや法規制の整備にも取り組むとしている。

合成燃料関係

東京都 日揮HD、コスモ石油などとSAF原料となる廃食油回収促進キャンペーンを展開         2023.3.25

 東京都は、日揮HD、コスモ石油、レボインターナショナルと連携し、SAFの原料となる廃食用油の回収キャンペーン「東京 油で空飛ぶ 大作戦~Tokyo Fry to Fly Project~」を展開すると発表した。マンションや商業施設、ガソリンスタンド、各自治体などでの廃食油回収や周知のキャンペーンを行う。キャンペーンには現時点で100団体が参加している。

三菱UFJ銀行  社員食堂の廃食油をSAF原料に提供         2024.3.27

 三菱UFJ銀行は、日揮HD、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYと連携して、国内SAF製造用原料として廃食用油の供給を行っていくことに合意したと発表した。三菱UFJ銀行の拠点されている全国239か所の社員食堂から年間約22kLの廃食油をレボインターナショナルが回収し、SAFFAIRE SKY ENERGYが計画するSAF製造装置に引き渡す予定だ。

ENEOS 物語コーポよりSAF原料用廃食油の供給で合意         2024.3.26

 ENEOSは、物語コーポレーションと、廃食油をSAF原料として活用する取り組みに関する基本合意書を締結したと発表した。物語コーポレーションが全国に展開する飲食店舗で排出される年間約420kLの廃食油を、吉川油脂を回収し、ENEOS和歌山製造所に建設するSAF製造プラントでの原料として使用する。

CCUS、DAC関連

JX石油開発 マレーシアでCCSを利用したガス田群開発に関与  2024.3.26

 JX石油開発は、子会社JX Nippon Oil and Gas Exploration(BIGST)を通じて、マレーシアの国営エネルギー会社ペトロナスの子会社チャガリ社と、マレー半島沖合の未開発ガス田5つの生産分与契約を締結したと発表した。JX石油開発は2020年4月よりJOGMECと共同で、CCS技術を用いた未開発ガス田の低環境負荷による開発の共同研究を行ってきた。この研究が評価され、生産分与契約と共同操業協定を締結した上で、具体的な検討を進めることになった。

UBE三菱セメント、大阪ガス セメント製造プロセスからのCO2でCCUSを共同研究    2024.3.28

 UBE三菱セメント(MUCC)と大阪ガスは、セメント製造プロセスから排出されるCO2のCCUSに関する共同検討を開始したと発表した。MUCCの福岡県京都郡にある九州工場のセメント焼成キルンから排出されるCO2を回収し、CCSすることやeメタン製造として再利用することを目的に、CO2の分離回収、液化・貯蔵、液化CO2の海上輸送、地下貯留、eメタン製造の設計および経済性評価を行うとしている。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

東京ガス 晴海地区へ水素供給を開始  2024.3.28

 東京ガスは、子会社の晴海エコエネルギーと共同で、晴海地区全街区の住宅・商業施設向けに水素パイプラインによる水素供給を開始したと発表した。水素パイプラインの敷設、順水素型燃料電池など水素供給事業に必要な設備の設置が完了した。晴海エコエネルギーは「選手村エネルギー事業」で、水素パイプラインと純水素型燃料電池の整備と水素供給事業を行う。

川崎重工 LPG/アンモニア運搬船を引渡し    2024.3.29

 川崎重工は、86,700m3型LPG(液化石油ガス)燃料推進LPG/アンモニア運搬船「GAS GARNET」の引き渡しを行ったと発表した。LPGのほかアンモニアの運搬も可能にした最新船型LPG推進船で、川崎重工としてLPG/アンモニア運搬船としては4番船となる。

その他

グローバル・ブレイン ゼオライトを用いたDAC技術会社に出資         2024.3.27

 グローバル・ブレインは、運営するCVCファンドを通じて、ゼオライトを用いたDAC技術を開発する米国のZeoDAC社に出資を行ったと発表した。ZeoDACは、ゼオライト研究で著名なジョージア大学のChris Jones教授とカルフォルニア工科大学のMark Davis教授によって創設されたスタートアップだ。従来のゼオライトを使用したDACプロセスでは、CO2の吸脱着量が不十分であったり、水分によって吸脱着性能の低下するといった課題があったが、ZeoDACの技術では、課題を解消し高いCO2吸脱着量を実現するとしている。

ニュースウォッチ

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