水素・アンモニア・LOHC関連
出光 米国ルイジアナ州でのクリーンアンモニア製造プロジェクトに参画 2024.2.27
出光興産は、三菱商事とスイスのメタノールや肥料を製造する大手プロマンが米国ルイジアナ州レイクチャールズで検討を進めているクリーンアンモニア製造プロジェクトに参画すると発表した。プロジェクトは2030年までに年間約120万トンのクリーンアンモニアの生産を開始することを目的にしていて、三菱重工と米国ザクリ(Zachry)が、トプソーのSynCORアンモニアプロセスと三菱重工のAdvanced KM CDRプロセスを用いたFEEDを推進している。出光興産は山口県周南市のコンビナートで、2030年に100万トン超のアンモニア供給を目指していて、プロジェクトで生産されるクリーンアンモニアを日本国内へ供給することを検討する。
川崎重工 シンビオと燃料電池システムを共同開発へ 2024.2.28
川崎重工は、フランスの燃料電池開発製造販売会社シンビオと建設機械を含むモビリティ向け燃料電池システムの共同開発に関する覚書を締結したと発表した。シンビオは、自動車部品大手フォルシアとミシュランが2010年に出資して設立した合弁会社、2023年欧州自動車大手ステランティスが資本参加した。商用から乗用車向け燃料電池システムを開発している。今回の覚書締結で、両社は川崎重工の持つ建設機械分野のネットワークを利用し、建設機械を含む様々なモビリティ向けのソリューションを検討するとしている。
東芝ESS ベカルトとPEM水電解装置用MEA技術で協業本格化 2024.2.29
東芝ESSは、ベルギーに本社を置くグローバルで鋼線加工を事業としているベカルト(Bekaert)社とPEM水電解装置の主要部品である膜電極接合体(MEA)の製造技術ライセンスを含むパートナーシップ契約を締結することになったと発表した。MEAには希少金属であるイリジウムが使用されているが、ベカルト社のチタン不織布(PTL)技術を活用することによってイリジウム量を最大90%削減が可能になるとしている。
産総研 AGCとPEM水電解の基礎評価試験を共同研究へ 2024.2.29
産総研は、AGC、AISTと共に、高圧環境でのPEM型水電解の特性解明を目的とした共同研究を4月より開始すると発表した。AGCは水素製造用フッ素イオン交換膜FORBLUE Sシリーズをはじめとした電解膜を事業として展開している。PEM型水電解装置での水素製造コスト低減のため1MPa以上での高圧での水素製造の評価をできる設備を導入し、高圧水電解での膜材料評価技術の確立を目指す。
合成燃料関係
伊藤忠商事 HIFと合成燃料製造検討 2024.2.27
伊藤忠商事は、米国HIF Globalのアジア子会社、JFEスチール、商船三井と、日本国内からCO2を回収し、豪州へ輸送した上で、豪州で輸送したCO2を原料とする合成燃料の製造、また製造した合成燃料を輸出するサプライチェーン構築に関する事業化調査を共同で実施することになったと発表した。
ENEOS TOPPANと古紙を原料としたバイオエタノール事業で共同開発 2024.3.1
ENEOSはTOPPAN HDと古紙を原料としたバイオエタノールの事業化に向けた共同開発契約を締結したと発表した。両社は2021年よりバイオエタノール事業の立ち上げについて共同で検討を推進してきた。TOPPANが開発している防水加工された紙など難再生古紙を処理して原料とするプロセスと、ENEOSが開発しているエタノールの連続生産プロセスを組合わせる。今後、パイロットプラントでの実証運転を行い、2030年度以降の事業化を目指す。
CCUS、DAC関連
マレーシアCCS事業化検討に中国電力と日本ガスラインが参画 2024.2.26
石油資源開発(JAPEX)、日揮HD、川崎汽船が、2023年9月にマレーシアのペトロナスCCSベンチャーズと締結したCCS事業化検討に関する基本契約に、中国電力と日本ガスラインが参画することになったと発表した。2023年6月にJFEスチールが参画していて、計6社での事業化検討となった。
JAPEX、日揮、川崎汽船 マレーシアCCS事業化でCO2貯留地契約を締結 2024.2.29
JAPEX、日揮HD、川崎汽船は、マレーシアCCS事業でのCO2貯留地契約を、マレーシア・サワラク州のエネルギー会社ペトロナスと締結したと発表した。同州沖合の枯渇ガス田M3を貯留地として検討を行いCCS事業の採算性の調査を推進する。
ENEOS、JX石油開発、三菱商事 東京湾を排出源とする海外CCSバリューチェーン構築を検討 2024.3.1
ENEOS、JX石油開発、三菱商事は、マレーシアの国営石油会社ペトロナスの関連会社ペトロナスCCSソリューションズと、東京湾を排出源とするCO2をマレーシアで貯留する海外CCSバリューチェーン構想に向けた検討に関する覚書を締結したと発表した。4社は、東京湾周辺産業から排出されるCO2の分離回収に関する調査、設備・輸送検討、貯留先調査FSなどを実施していくとしている。
エア・ウォーター 低炭素水素製造、CO2回収・利活用で新会社を設立 2024.3.1
エア・ウォーターは、子会社で炭酸ガス及びドライアイスの製造・販売を行うエア・ウォーター炭酸と水素の製造・販売を行うエア・ウォーター・ハイドロを統合し、4月1日よりエア・ウォーター・グリーンデザインとして新会社を設立すると発表した。新会社では、既存事業のほか、低炭素水素の製造やCO2回収・利活用といった成長分野に経営資源を重点配分するとしている。
運搬・貯蔵、燃焼、利用関係
東京ガス 産業用熱利用分野でのアンモニア利用研究がSIPに採択される 2024.2.26
東京ガスは、岐阜大学、三浦工業と共に、内閣府のSIP研究開発テーマ「アンモニア・水素利用分散型エネルギーシステム」に産業用熱利用分野でのアンモニア利用の研究開発が採択されたと発表した。アンモニアの改質によって、生成混合ガスを燃料として用い、アンモニアの燃料性課題およびNOx抑制の技術課題を解消することを目指す。2025年度までに最適な燃焼方法を確立し、2027年度までに工業炉および還流ボイラの実証機を開発することを目指す。
IHI 台湾発電所でのアンモニア燃焼技術に向けた検討を開始 2024.3.1
IHIは、台湾の電力会社台湾電力および住友商事と共に、台湾電力の高雄市にある大林(ターリン)発電所での、燃料アンモニアの経済性の検証、アンモニア燃焼技術の適用検討および実証試験実施についての覚書を締結したと発表した。2030年末までにアンモニア燃焼5%以上の実証試験の実施を目指すとしている。
ニュースウォッチ
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