水素・アンモニア・LOHC関連
東芝ESS 横浜市での自立型水素燃料電池システムH2Oneの実証事業が終了 2024.12.5
東芝ESSは、2015年11月に横浜市港湾局の横浜港国際流通センターに納入した自立型水素エネルギー供給システム「H2One」による実証が10年を迎え、運転を終了したと発表した。H2Oneは、太陽光発電で水道水を電気分解して水素を生成し、必要時に貯蔵した水素を燃料として発電する。水電解装置、蓄電池、燃料電池、水素エネルギーマネジメントシステムH2EMSなどの機器全てをコンテナ内に収納し、水素タンクと合わせてコンテナ2台サイズに収めたパッケージシステムだ。実証では、災害時の非常用電源としての利用可能性検証やCO2フリーエネルギーの電力利用、VPP構築事業への参画・連携などを行ったほか、横浜市での移動式水素ステーション設置や風力発電による水素生成など横浜市の水素政策展開の礎となった。東芝ESSは、横浜市でのH2One実証による知見が、純水素燃料電池システムH2Rexの商品化や、CO2電解装置C2Oneの開発に活かされているとしている。
合成燃料関係
産総研 SOEC共電解による合成燃料製造ベンチプラントが完成 2024.12.6
産総研は、カーボンニュートラル燃料技術センター(JPEC)と共同で、SOEC共電解とFT合成を組み合わせることで、CO2と水から液体合成燃料を一貫して製造するベンチプラントを開発し、連続運転に成功したと発表した。CO2から合成ガス製造には、従来逆水性ガスシフト反応(CO2+H2=CO+H2O)を利用する方法があるが、水素を水電解で製造する必要があった。SOEC共電解では、水素製造と逆水性ガスシフト反応が同時に行うことができる。しかし、メタン生成や炭素析出を防ぐため高温での運転が必要で、電解スタックの安定性・耐久性の検討開発を行った。また、FT合成反応はメタンからワックスまで幅広い炭化水素が生成する特性があるが、産総研とJPECはFT合成触媒に酸触媒を組み合わせたハイブリッド触媒を開発し液体合成燃料の収率を向上させた。装置は産総研つくばセンターに導入され、最大で200ml/hの液体合成燃料の製造が可能となっている。
CCUS、DAC関連
三菱商事、三井物産 米DACスタートアップHeirloom社に出資 2024.12.5
三菱商事と三井商事は、米国で初めてDACの商業化を行ったHeirloom Carbon Technologies社に出資参画したと発表した。三菱商事は、2023年7月に商船三井と共に転換証券によりHeirloom社に参画した。今回、Heirloom社が1.5億ドルの資金調達を行うにあたり、三井物産、日本航空など日本企業を含む複数社と共に出資した。Heirloom社のDAC技術は、石灰岩を吸着材として利用し、CO2吸着に大型送風設備を必要としないことなどから、コスト面での優位性があり、早期の事業化が期待されている。三菱商事は、今回の出資を通じ、Heirloom社が開発中のDAC案件への直接参画について検討していくとしている。三井物産は、今回の協業を通じてDACに関する知見を深め、CSSやDACCS事業への発展やDAC回収CO2原料でのカーボンニュートラル燃料の製造・販売を目指すとしている。
千代田化工 JAPEXより新潟県東新潟エリアでのCO2圧入設備建設FEEDを受注 2024.12.5
千代田化工建設は、石油資源開発(JAPEX)より、東新潟CCS CO2圧入設備建設に係る基本設計業務(FEED)を受注したと発表した。JAPEX、三菱ガス化学、東北電力、北越コーポレーション4社がJOGMECの先進的CCS事業に係る設計作業等から受託した東新潟CCS事業に係る設計作業等関連で、JAPEXから受託したものとなる。
ニュースウォッチ
- 大阪ガス、脱炭素メタン調達に1000億円 米国に製造拠点 2024.11.30
- KRI、水素化物を1段階で生成 バイオマスと固体触媒を撹拌 2024.12.2
- 液化CO2の受け入れ基地、苫小牧で竣工 日本CCS調査 2024.12.3
- 東京都と豪クイーンズランド州、グリーン水素活用で連携 2024.12.4
- 日本郵船、液化CO2運搬船の建造検討 常温で効率良く 2024.12.4
- エネオス、QLD州での水素生産に2億$ 2024.12.5
- JFEエンジ、廃棄物を燃やさずガス化 エタノールに 2024.12.5