水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.11.30
水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.11.30

水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.11.30

合成燃料関係

日鉄エンジ 次世代グリーンCO2燃料技術研究組合向け「第2世代バイオエタノール生産設備」を竣工    2024.11.26

 日鉄エンジニアリングは、次世代グリーンCO2燃料技術研究組合から受注した第2世代バイオエタノール生産設備が竣工したと発表した。設備には、トヨタ自動車が開発した自然界酵母では発酵が難しいキシロールを高効率に発行させる技術TOYOTA XyloAceや、花王が開発した非可食性バイオマスを糖化させる酵素CRECENTISを採用している。草本系非可食バイオマスなどを原料として、前処理・糖化・発酵・蒸留設備一式を日鉄エンジニアリングが請負実施した。技術研究組合では、設備を活用して自動車用バイオエタノール燃料製造の研究を行うとともに、製造過程で発生するバイオマス由来の高濃度CO2や低縮合リグニン残渣の利活用も検討する。

日揮、コスモなど 国産SAF原料調達で堺市、京浜急行と協力         2024.11.28

 日揮HDは、コスモ石油、レボインターナショナルなどと取り組んでいる国産SAF製造での原料調達に関して、11月25日堺市と協力協定を、28日京浜急行電鉄と基本合意書を締結したと発表した。堺市では、2025年1月中旬より大阪府内のイオンモール5施設で家庭から出る使用済み食用油の回収を開始する。京急電鉄とは、京急電鉄グループの京急ストア、京急百貨店や京急ロイヤルフーズが運営する飲食店など24店舗で使用した廃食用油の提供を受ける。

CCUS、DAC関連

日揮HD インドネシア・タングーEGR/CCUSプロジェクトで陸上設備EPCIを受注     2024.11.25

 日揮HDはインドネシア現地法人が、インドネシア・タングーLNG EGR/CCUSプロジェクトでの陸上での天然ガスの昇圧設備、CO2の収集・圧縮設備等に係るEPCI(設計・調達・建設・据付)契約を受注したと発表した。具体的には、既存のガス井から生産される天然ガスを昇圧するための2,350百万立方フィート/日天然ガス昇圧設備を3基、既存の酸性ガス除去装置から酸性ガスを収集・圧縮するためのEGR圧縮設備、コンバインドサイクル発電設備およびその他の必要なユーティリティ設備を担当する。受注額は約24億米ドルで、ランプサム契約となっている。

日鉄エンジ 先進的CCS事業で8件のFEEDを受注         2024.11.25

 日鉄エンジニアリングおよび子会社である日鉄パイプライン&エンジニアリング(NSPE)は、JOGMECが委託した先進的CCS事業に係る設計作業等に関する9案件のうち3案件から8件のFEEDを受注したと発表した。受注案件は以下の通り。
 【首都圏CCS事業】 ①CO2分離回収設備検討業務(発注者:日本製鉄)、②海洋設備概念設計業務(INPEX)、③昇圧設備Pre-FEED業務(INPEX)、④パイプライン路線工事FEED業務(INPEX)、⑤パイプラインステーション工事FEED業務(INPEX)
 【日本海側東北地方CCS事業】 ⑥CO2分離回収設備およびCO2液化・貯蔵・出荷設備検討業務(日本製鉄)
 【大洋州CCS事業】 ⑦CO2分離回収設備検討業務(日本製鉄)、イプラインルート選定および技術検討に係るエンジニアリング業務(三菱商事)

日揮HD マレーシア・サラワク州CCSで陸上ターミナルなどのFEEDを開始     2024.11.28

 日揮HDは日揮グローバルが、JOGMECからの委託契約に基づき石油資源開発(JAPEX)と共同で行っている、マレーシア・サラワク州沖でのCCS事業に係るCO2陸上ターミナルおよび桟橋上部受入関連構造に関する基本設計作業(FEED)を開始したと発表した。JAPEXは他のパートナーと共に、技術的・商業的検討を行い、日揮グローバルは、FEED作業に取り組む。

三菱重工 製紙工場での小型CO2回収装置による実証試験を開始       2024.11.29

 三菱重工は、大手製紙会社北越コーポレーションと共同で、ソーダ回収ボイラー向けCO2回収実証試験を11月から開始したと発表した。北越コーポレーションの新潟工場のパルプ製造過程での副生成物である黒液を主要燃料とするボイラーに、三菱重工の実証試験用小型CO2回収装置「CO2MPACTモバイル」を設置し、CO2を回収している。黒液は木材からパルプを製造する際に生成されるため、黒液を燃焼させても大気中のCO2は増加せず、ソーダ回収ボイラーでの燃焼はカーボンニュートラルであるが、CO2を回収することでネガティブエミッションの実現が可能となる。今回の実証試験では、将来のネガティブエミッションの可能性を検証し、実現に貢献していくことが目的となっている。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

JERA 水素発電電力を東宝スタジオへ供給開始         2024.11.29

 JERAは子会社JERA Crossを通じて、東宝の東宝スタジオへ水素専焼火力発電による電力の供給を開始したと発表した。JERAの千葉県にある袖ケ浦火力発電所構内で建設工事を行っていた水素発電設備の工事が完了し、水素専焼でのゼロエミッション火力で発電した電力の商用利用を開始した。水素専焼による電力の商用供給は日本初となる。JERAの袖ケ浦火力発電所への水素供給はエア・ウォーターが行う。

ニュースウォッチ

  • 瀬戸内コンビナート、脱石油へ 周南でCO2から化学原料 2024.11.25
  • 三井住友海上、CCSの専用保険 建設・操業の2段階で補償 2024.11.25
  • 米新興、26年にも海の「CO2回収工場」JAL・日立と連携 2024.11.26
  • 水素ガス市場、40年度58兆円に 富士経済予測 2024.11.27
  • INPEX、大型メタン合成設備の設計着手 30年めど年産6万トン 2024.11.28
  • 東京海上日動、アンモニア・水素供給網のリスク分析 2024.11.28
  • 東洋エンジ、インドネシアでグリーンアンモニア製造 2024.11.29
  • 東京都、グリーン水素の試験取引開始 商品取引所と連携 2024.11.29

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