水素・アンモニア・LOHC関連
IEA グローバル水素レビュー2024を発表 2024.10.1
IEAは、グローバル水素レビュー2024を発表した。今回の報告書では、南米での低炭素水素製造プロジェクトに焦点を当てている。構成は、水素需要、水素製造、貿易とインフラ、投資・ファイナンス・イノベーション、政策、水素のGHG排出、南米特集となっている。
水素需要では、世界の水素需要は2023年に9,700万トン超となり、2024年に1億トンに達する可能性があり、2023年に決定されたいくつかの大規模プロジェクトを勘案すると、2030年までに現在の3倍に当たる1.5Mtpaの低炭素排出水素の需要が見込まれるとしている。
水素製造では、2023年末までに設置された水電解装置の容量は1.4GWに達し、2024年末までには5GWまで増加、2030年までに520GW近くまでする可能性があるとしているが、2024年時点での容量の70%は中国が占めている。電解槽の製造能力は2023年時点で年間25GWであるが、中国が60%を占めている。現在の再生可能水素の生産コストは、化石燃料ベースの生産に比べ1.5倍から6倍高くなっているとしている。
合成燃料関係
ENEOS 合成燃料製造実証プラントが完成 2024.9.30
ENEOSは、神奈川県横浜市にある中央技術研究所敷地内で建設を進めていた合成燃料製造実証プラントが完成し、9月28日に完成式典を開催したと発表した。グリーン電力を使用して水素を製造し、1日あたり1バレル(159L)の合成燃料を製造する。製造した合成燃料は、2025年4月から開催される大阪・関西万博での大型車両実証等に使用される予定だ。
日鉄エンジ ENEOS向け合成燃料製造実証プラントを竣工 2024.10.1
日鉄エンジニアリングは、NEDO GI基金事業でENEOSが実施する「CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト(合成燃料)」で、設備の基本設計業務を担当した「1BD合成燃料製造実証プラント」が竣工したと発表した。日鉄エンジニアリングはJAPAN-GTL実証研究で開発したFT合成技術を保有していて、今回のFT合成プロセスの基本設計に反映した。竣工した合成燃料製造実証プラントでの検証を通じ、スケールアップを検討し合成燃料製造技術の確立を目指すとしている。
CCUS、DAC関連
三菱商事 JOGMECより海外CCSバリューチェーン構築FSを受託 2024.9.30
三菱商事は、JOGMECが公募した「令和6年度 先進的CCS事業に係る設計作業等」に、他社と共同で応募した海外CCS2案件が採択されたと発表した。
ひとつは、大洋州CCS事業で、伊勢湾・中部地域の複数企業から排出されるCO2について、CO2分離・回収先選定、海外のCO2貯留先選定、事業化に必要なバリューチェーン構築や関連技術検証を行う。メンバーは、三菱商事、日本製鉄、エクソンモービル・アジア太平洋、三菱ケミカル、三菱商事クリーンエナジーとなっている。
もうひとつは、マレー半島沖北部CCS事業で、東京湾の京浜地区、京葉地区周辺の複数企業から排出されるCO2について分離回収、液化、海上輸送、貯留について、最適な各設備設計を検討、課題抽出、実現可能性検証等を実施する。メンバーは、三菱商事、ENEOS、JX石油開発、JFEスチール、コスモ石油、日本触媒、ペトロナスCCSソリューションズとなっている。
両案件ともに2026年度までの最終投資決定、2030年度までの事業開始を目指す。
ニュースウォッチ
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