水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.10.26
水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.10.26

水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.10.26

水素・アンモニア・LOHC関連

出光、三菱商事 クリーンアンモニアSC構築を共同推進 2024.10.23

 出光興産と三菱商事は、海外からのクリーンアンモニア・サプライチェーン構築を共同で検討すると発表した。
 出光は、山口県周南市にある徳山事業所の既設インフラを活用したアンモニア輸入受入拠点整備し、2030年までに周辺事業所と共同で100万トン超のアンモニア燃料を導入することを目指している。三菱商事は、保有する愛媛県今治市にある波方LPGターミナルの一部をアンモニアターミナルに転換することを検討して、2030年までに年間約100万トンのアンモニアを供給するハブターミナルにする計画を推進している。両社は、両アンモニア受入拠点や運搬船の効率運用検討を共同で行う。また、ExxonMobilが米国テキサス州・ベイタウンで推進しているクリーン水素・アンモニア製造プロジェクトに両社が参画し、海外から調達するアンモニアのサプライチェーンの構築検討を加速させるとしている。

合成燃料関係

INPEX、伊藤忠 リニューアブルディーゼルの流通拡大に向けた取組みを開始   2024.10.23

 INPEX及び伊藤忠商事は、INPEXの子会社であるINPEX JAPAN、INPEXロジスティクス、伊藤忠商事、伊藤忠エネクスの4社が、フィンランドに本拠があるネステ社と協働で、軽油に最大40%のリニューアブルディーゼル(RD)を混和した「RD40」の商用ベースでの製造を行い、INPEXロジスティクスが北陸・甲信越地方で石油製品を輸送するタンクローリー車18台向けに供給を9月下旬から開始したと発表した。
 RDについては、これまで伊藤忠商事が2021年5月に、ファミリーマート店舗向け配送トラックの代替燃料として、RD100の商用利用を開始し、2022年6月にはINPEXグループが保有する製油製品輸送用タンクローリー車でのRD使用を開始している。日本ではRD100の使用はRD専用車へのみに制限されているが、RD40については制約はなく軽油との共用が可能だ。今後4社はRD40の全国展開を目指して取り組んでいくとしている。

出光、三菱ガス化学 e-メタノールおよびバイオメタノールの国内供給体制構築へ向け協業を開始       2024.10.23

 出光興産と三菱ガス化学は、e-メタノールおよびバイオメタノールの国内供給体制の構築に向けた協業を開始すると発表した。e-メタノールおよびバイオメタノールは、低炭素排出特性や他の代替燃料と比較して取り扱いが容易であることから、重油に代わる船舶燃料としての利用が拡大することが見込まれている。両社は2025年度中に船舶向け燃料としての供給体制を構築するために、両者が保有するメタノール貯蔵用タンクやバンカリング船などの設備の共同運用、メタノールを供給する港湾での許可手続きやガイドラインの整備支援・制度構築への働きかけ、e-メタノール・バイオメタノールの共同調達の可能性検討などを行い、需要創出と市場拡大を目指すとしている。

CCUS、DAC関連

INPEX、中部電力 日豪CCSバリューチェーン構築に向け共同検討実施で合意書を締結        2024.10.21

 INPEXは100%子会社であるINPEX Browse E&P(IBEP)と中部電力が、名古屋港から豪州・北部準州沖合のボナパルト堆積盆地でのCO2圧入貯留までのCCSバリューチェーン構築に向け、共同検討を実施する合意書を締結したと発表した。INPEXは2022年よりトタルCCS豪州及びウッドサイトと共同でボナパルト堆積盆地にGGアセスメント鉱区を取得し、イクシスLNGプロジェクトのCO2排出削減を目的としてCCS事業の検討を行っている。中部電力は、名古屋港周辺の脱炭素化支援として、名古屋港周辺で排出されるCO2を回収し、貯留や有効活動を行うCCUS事業の調査を推進していて、今回の合意書に基づきIBEPと共同で名古屋港からボナパルト堆積盆地へのCO2の船舶輸送に関するFSを行う。

JFEエンジ CO2パイプライン関連業務2案件を受注 2024.10.23

 JFEエンジニアリングは、JOGMECの令和6年度「先進的CCS事業CO2パイプライン輸送検討業務」に関連した2案件を受注したと発表した。
 ひとつは、伊藤忠商事など7社がJOGMECから受託した、日本海側東北エリアにおけるCCS事業に係る設計作業等の業務で、太平洋セメントが担う川崎臨海コンビナート地区でのCO2輸送検討の一部を受注した。
 もうひとつは、JAPEXなど3社がJOGMECから受託した北海道苫小牧エリアにおけるCCS事業に係る設計作業等の業務で、JAPEXが担うCO2輸送、貯留検討の一部を、2023年のFSに続き受注した。

千代田化工 三菱商事向けCCS2案件を受注   2024.10.25

 千代田化工建設は、三菱商事からCCSバリューチェーン構築に係る検討業務2案件を受注したと発表した。ひとつは、伊勢湾/地域を対象とした大洋州CCSバリューチェーン構築に係る検討業務、もうひとつは、東京湾域を対象としたマレー半島沖北部CCSバリューチェーン構築の実現可能性に係る検討業務だ。
 大洋州CCSバリューチェーン構築に係る検討業務では、昨年度コスト試算や初期設計等が行われたCO2液化・貯蔵・出荷設備に関する検討業務で各種設計の精度を高める作業を行う。
 東京湾域を対象としたマレー半島沖北部CCSバリューチェーン構築の実現可能性検討業務では、東京湾域の複数産業から排出・分離回収・集積されたCO2の液化・貯蔵・出荷セグメントについて、各種設備設計の検討を行うとともに、コスト試算、課題の抽出、実現可能性検討証を実施する予定としている。

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

岩谷産業など 大井コンテナふ頭で水素燃料RTGによる荷役作業を開始        2024.10.21

 東京都港湾局、日本郵船、ユニエックスNCT、三井E&S、岩谷産業は、大井コンテナふ頭で燃料電池(FC)を実装したタイヤ式門型クレーン(RTG)による荷役作業を開始したと発表した。実証検証では、RTGのディーゼルエンジン発電機をFC発電機への換装、千葉の水素製造工場から大井コンテナふ頭への陸上輸送、及び水素供給ユニットでの昇圧によるタンク充填、RTGによる荷役作業でのデータ収集および分析を行い課題抽出や対応策検討を行うとしている。

岩谷産業 水素燃料電池船「まほろば」が完成    2024.10.24

 岩谷産業は、2025年大阪・関西万博で運航を予定している水素燃料電池船「まほろば」の建造が完了し、10月18日に大阪・中之島ゲートまで曳航され到着したと発表した。今後、船舶検査証取得を行った上で実証運航を行い、来年4月から大阪・関西万博の海上輸送として運航を開始する。運行は大阪水上バスに委託を行う。

ニュースウォッチ

  • CCSのCO2監視、東大発新興が小型装置でコスト半減 2024.10.22
  • JX石油開発、米ワイオミング大と覚書 CO2鉱物化 2024.10.22
  • 大阪ガス、CO2直接回収技術を開発 独自吸着剤で試験機 2024.10.23
  • 中部電、低NOxの産業用水素バーナーを開発 燃料使用2割削減 2024.10.23
  • ゴミからSAF、3割多く生産 INPEXが30年代実用化 2024.10.23
  • ガス協会、豪団体と覚書 e―メタン加速 2024.10.24
  • フルヤ金属、水電解触媒を来夏に本格事業化 2024年10月24日
  • 石油連盟会長「航空会社にもSAF規制を」 供給義務巡り 2024.10.24
  • 伊藤忠出資の水素航空機、26年にも商用化 まず英国で 2024.10.25

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