水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.10.19
水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.10.19

水素、合成燃料、CCUS関連動向      2024.10.19

水素・アンモニア・LOHC関連

三菱重工、大阪ガス 天然水素探査技術スタートアップ コロマ社に出資 2024.10.15

 三菱重工業は米国統括拠点である米国三菱重工業を通じ、及び大阪ガスは、それぞれ独自に地中の天然水素の探査技術を有する米国・コロラド州デンバーに本拠があるコロマ社に出資したと発表した。コロマ社は地下探査ノウハウ及び独自のデータ解析技術により、天然水素資源の場所を特定し、商用生産と利用を目指している。三菱重工グループは、革新的技術を有する様々なパートナーへ資本参加や協業を行い、水素バリューチェーンの構築に取り組むとしている。また、大阪ガスはコロマ社との連結を通じ、天然水素の利活用の可能性を検討したいとしている。

合成燃料関係

日揮HD ダイニングイノベーションから国内SAF製造用廃食用油供給 2024.10.15

 日揮ホールディングスは、Italian Kitchin VANSANややきとり屋すみれ、じねんじょ庵を運営するDining Innovation Investmentから飲食店から出る使用済み食用油を、国内でのSAF製造原料として供給をうける基本合意書を締結したと発表した。

東洋エンジ タイでのバイオエチレン製造設備のFEEDを受注         2024.10.16

 東洋エンジニアリングは、ブラジルのブラスケムとタイのSCGケミカルズによって2023年8月に設立された合弁会社であるブラスケム・サイアムから、年産約20万トンのエタノール由来のバイオエチレン製造設備の基本設計業務(FEED)を受注したと発表した。最終製品であるバイオポリエチレンI‘m greenは、ブラスケム社とラムナス社がライセンスを保有する大気中のCO2とサトウキビ由来のエタノール原料から製造される技術EtE EverGreenが適用されていて、最終プラスチック製品のカーボンフットプリントを大幅に削減できる。東洋エンジニアリングは、タイでのエチレンプラントを含むプラント建設の豊富な実績が評価され、受注につながったとしている。

CCUS、DAC関連

Jパワー 西日本における大規模CCSバリューチェーンの検討でJOGMECより設計作業等を受託       2024.10.15

 電源開発は、ENEOSおよびJX石油開発と共に、JOGMECの令和6年度「先進的CCS事業の実施に係る設計作業等」に応募した、瀬戸内・九州地域でのENEOSの製油所やJパワーの火力発電所から排出されるCO2を分離回収・輸送して、吸収西部沖の海域帯水層へ貯留するCCS事業での詳細設計及び貯留予定地の試掘調査等に係る事業を受託したと発表した。4社は、事業を通じて西日本での大規模CCSバリューチェーンを2030年に実装開始するとしている。

北海道電力 JOGMECより苫小牧エリアでのCCS事業開始を目指す設計作業等を受託        2024.10.15

 北海道電力は、出光興産および石油資源開発(JAPEX)と共に、JOGMECの令和6年度「先進的CCS事業に係る設計作業等」に応募した、北海道苫小牧エリアでのCCS事業に係る設計作業等で受託契約を締結したと発表した。今後、出光と北海道電力がそれぞれCO2排出源で必要な設備の設計作業等を、JAPEXがCO2輸送・貯留でり各排出源と貯留候補地をつなぐパイプラインや設備の設計作業等を行う。また、2030年に年間150~200万トンのCO2を貯留することを目標に、JAPEXが苫小牧エリア海域を対象とした深部塩水層への圧入やモニタリングに必要な設備の設計作業等を行っていくとしている。

JFEエンジ 東新潟エリアCCS事業でのCO2パイプラインのFEEDを受注       2024.10.15

 JFEエンジニアリングは、石油資源開発(JAPEX)より、新潟県東新潟エリアにおける「CO2輸送パイプライン建設に係る基本設計業務」(FEED)を受注したと発表した。JOGMECの委託事業として、JAPEX、三菱ガス化学、東北電力、北越コーポレーションの4社が受託した新潟県東新潟エリアにおけるCCS事業に係る設計作業等の業務のうち、JAPEXが担うCO2輸送検討の一部を受注したものとなる。

JOGMEC インドネシア・スコワティ油田でのCO2圧入試験を開始    2024.10.16

 JOGMECは、インドネシア国営石油会社プルタミナ、PTプルタミナEP(PEP)、石油資源開発(JAPEX)と共に、インドネシア・東ジャワ州スコワティ油田での坑井間CO2圧入試験を開始したと発表した。4者は、2023年7月からスコワティ油田でのCO2-EORの商業化を目指し、小規模CO2圧入試験を含む技術研究を行ってきた。2024年8月には共同研究契約を締結し、10月8日よりCO2の圧入井より約1か月間で計2,500トンのCO2を圧入し、周辺のモニタリング井出のEOR効果とCO2貯留効果の確認を行う予定だ。JOGMECは、今回のCO2圧入試験が将来の商業化に向けた重要なマイルストーンになるとしている。

JOGMEC 越境CCSハンドブックを公表       2024.10.17

 JOGMECは、2024年2月に経産省及びAsia CCUS Networkと共同で開催した「アジア・太平洋域におけるCO2越境輸送・貯留(CCS)に関するワークショップ」の内容を基に、法的枠組みや国際的スタンダード、個別プロジェクトをまとめた「越境CCSハンドブック」を作成し、公表した。ハンドブックの公表は、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想」の推進に貢献するとしている。

双日 m-DAC技術が東京都の支援事業に採択される         2024.10.17

 双日は、Carbon Xtract及び清水建設と共同で、建物構造物内のCO2を大気から直接回収し、利活用するシステムの都市実装に向けた事業を、東京都の「GX関連産業創出に向けた早期社会実装化支援事業」に提案し、東京都の支援事業に採択されたと発表した。2024年度から28年度に渡り、東京都江東区にある清水建設のイノベーション拠点「温故創新の森NOVARE」に、Xtract社のガス分離膜型DAC装置m-DACを設置し、回収したCO2を様々な用途に利活用する実証実験を行う。手始めに回収したCO2を施設内に設置予定の植物栽培プラントに活用し、植物の光合成を促進することを計画する。その後、複数事業での利活用を検討する。

中部電力 豪サントス社との脱炭素分野で包括的協力に関する覚書を締結        2024.10.18

 中部電力は、豪州サウスオーストラリア州あでりーどに本拠があるサントス社と脱炭素分野での包括的協力に関する覚書を締結したと発表した。両社は覚書に基づき、下記の2つのプロジェクトについて取り組みを行うとしている。
1.名古屋港から豪州ムーンバCCSプロジェクトへのCCSバリューチェーン構築に向けた検討
2.クーバー盆地における再生可能エネルギー利用および脱炭素プロジェクトに関する検討

運搬・貯蔵、燃焼、利用関係

川崎重工 5MW以上の大型ガスエンジンでの水素専焼燃焼技術を開発 2024.10.16

 川崎重工は、発電出力5MW以上の大型ガスエンジンで、世界初となる水素のみを燃料とした燃焼を実現できる技術を開発したと発表した。従来、水素を燃料としたレシプロエンジンでは、水素燃焼特性から、出力を下げるか、天然ガスと混焼させる方法が一般的であった。川崎重工は、電気着火式カワサキグリーンガスエンジンの単気筒試験機に技術を適用し、水素専焼でも天然ガス年少の場合と同じ出力を維持したまま安定して運転できることを確認した。2030年頃の商品かを目指し、製品実装への最適化と設計を進めるとしている。

川崎重工 航空機用小型水素エンジンの運転試験に成功         2024.10.17

 川崎重工は、NEDO GI基金事業での「水素航空機向けコア技術開発」で、小型航空エンジンの水素100%燃料による運転試験に成功したと発表した。JAXAの秋田県にある能代ロケット実験場にて、従来燃料用の川崎重工製小型航空エンジンに、新たに開発した水素用燃焼器などを搭載し、水素のみを燃料とした着火から回転上昇、定常運転、回転降下、停止までの一連の運転動作で安定したエンジン運転が可能であることを確認したとしている。今後、液化水素燃料貯蔵タンク、及び水素航空機は耐構造検討についても推進し、2030年に地上での実証試験を計画する。

川崎重工 関西地域3空港での水素インフラ整備でFS         2024.10.18

 川崎重工は、エアバス及び関西エアポートと共同で、水素航空機の導入・運行を実現するために、関西エアポートが運営する関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港の3空港での水素インフラ整備のFSを実施する覚書を締結したと発表した。今後3社は、水素航空機の導入・運行を実現するための初期的なFSを行い、3空港で航空機への水素供給を具体化させるための連携を強化していくとしている。

ニュースウォッチ

  • 三井物産など8社、マレーシアCCS事業業務を受託 2024.10.11
  • 東電や大林組、海外で地熱から水素 脱炭素へ安定生産 2024.10.15
  • JERAなど水素供給安価に 多業種巻き込み普及けん引 2024.10.16
  • 独の水素調達、導管計画の中止・遅延で危機 2024.10.16
  • 海藻でCO2吸収、出光や商船三井などが連携 事業化視野 2024.10.17
  • 伊藤忠が合成メタンの低コスト技術 触媒の変換効率9割 2024.10.17
  • トクヤマ、水素化Mg多用途展開 非常用発電機など 2024.10.18
  • ENEOSやJパワー、環境分野の新興と協業 東京都事業で 2024.10.18
  • 豪州・グリーン水素事業、視界不良 オリジンは事業停止 2024.10.18
  • OOYOO、1日10トンのCO2回収装置開発へ 4億円調達 2024.10.18

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