11月9日、本田技研工業の2022年度第2四半期の決算発表が行われた。これに先立ちホンダ系サプライヤー各社の決算も発表されている。ここでは、本田技研工業、及び、ホンダ系主要部品メーカーの売上高、および、営業利益をグラフ化してみていく。
ビジネス環境
為替変動と燃料・原材料・輸送価格高騰、また、中国でのCOVID19流行による上海ロックダウン、半導体不足が2022年4-9月までの大きな外部要因である。
為替は一時1ドル150円台まで円安に変動し、海外で事業活動している企業の売上を押し上げた。一方で、資材・輸送価格の高騰は利益率を低下させる傾向になった。
本田技研工業
販売台数
FY2023.2Qまでの累計二輪車販売台数は9,20万台となり、ここ3年間では最高を記録した。これは、インドを中心とするアジアでの二輪車需要の回復によるところが大きく、アジアの二輪車販売台数は790万台と2年前の550万台から40%の伸びを示した。
自動車の2Qまでの累計販売台数は、前年同期比7%減の179万台となった。これは、特に北米で半導体不足による生産が制限されたこと、また、主要市場中国での上海ロックダウンの影響でアジアの販売台数が伸びなかったことが影響している。
売上、営業利益
ホンダの2022年度2Qの売上は、前年同期比16%増の8兆850億円。為替変動による効果もありここ3年間で最高となった。
各事業では、四輪事業が前年同期比13%増の5兆40億円、二輪が同38%増の1兆4130億円であった。
営業利益は、前年同期比2%増の4,535億円。
四輪の利益が前年同期比▲45%の640億円となったのに対し、二輪は同52%増の2,250億円と、二輪事業の収益に助けられている形になった。
ホンダ系列主要企業
ホンダ系各社も、コロナ禍からの消費回復や円安を受けて、売上は各社とも前年同期を上回った。営業利益率については、前年から営業損失であったF-TechとH-Oneが回復傾向にあるが、その他各社は前年同期比を下回った。
TS テック
二輪事業前期比34%増の38億円、四輪事業15%増1,842億円となった。二輪事業が前年同期比大きく増加したのは、第1四半期に二輪事業を営むインド子会社TS TECH(MANDAL) PRIVATE LIMITEDを連結範囲に含めたことによる。
武蔵精密
アジアでの二輪販売増による売上、利益増はあるが、日本、米州、欧州は赤字。特に、欧州の赤字体質は改善されていない。
G-TEKT
材料単価高騰を製品単価に反映したため利益は改善した。トヨタ系列への売上が伸び、ホンダ比率は前年同期60%から56%に減少した。
ユタカ技研
セグメント営業利益は、日本が▲10.5億、北米▲19.3億、アジア2.6億、中国32.8億円と上海ロックダウンの影響もあるが、中国事業が優位である構造は変わらず。
Fテック
北米事業の営業損失は22億円。インドでのIndia Steel Summit Private Limitedの株式を取得し、のれん発生益を7.65億円計上している。
エイチワン
北米、アジアでの売上増はあるが、中国以外は欠損。第2四半期連結決算より、武漢愛機新能源汽車有限公司を子会社に含めている。
FCC
売上はインドや米国の販売増や円安で増えたが、半導体など部品不足による自動車減産の影響で人件費の負担などがかさんだ。
八千代工業
中国でサンルーフ搭載車種の需要が伸びた。