プラスチック関連動向 2024.9.20
プラスチック関連動向 2024.9.20

プラスチック関連動向 2024.9.20

製品

ダイセル ルアーに酢酸セルロース樹脂を提供  2024.9.5

 ダイセルは、ルミカ(福岡県古賀市)が製造する釣り用ルアー「リップレスミノー90」向けに。、天然由来素材酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」を提供すると発表した。100均ショップ「DAISO」を通じて順次販売される。酢酸セルロース樹脂「CAFBLO」は、酢酸や木材、綿花など非可食バイオマスセルロースから得られる酢酸セルロースに非フタル酸系可塑剤を配合した透明な熱可塑性樹脂で、海洋生分解性を有する。

宇部エクシモ 環境対応プラスチック段ボールを発売         2024.9.11

 宇部エクシモは、環境対応製品「ダンプレートADR」を2024年9月より発売を開始したと発表した。ダンプレートは、一体押出による中空の構造を持つPPプラスチック段ボールで、軽量、耐衝撃性、耐薬品性、耐水性などの特徴を持つことから、物流容器、コンテナ、養生材などで採用されている。販売を開始したADRは、社内で生じた再生原料に加え、UBEグループで発生した廃プラを30%以上含んだ再生品グレードで、一般品に比べ約27%のCO2排出量の削減を実現したとしている。

適用

クラレ オートクレーブ成形にPVOHフィルムを提案         2024.9.13

 クラレは、CFRPやFRPのオートクレーブ成形に使用されるバギングフィルム及びリリースフィルムの代わりにPVOHフィルムを提案する。9月18日から東京ビッグサイトで開催される「SAMPE Japan 先端材料技術展2024」に出展する。オートクレーブ成形は、積層したプリプレグを真空条件下で加圧加熱により硬化させる。この際、プリプレグと離型性のあるリリースフィルムと、真空にするため空気を通さないバギングフィルムが使用されている。クラレのPVOH樹脂はエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に対し離型性が良く、またガスバリア性があるため、リリースフィルム及びバギングフィルムの代替材料として使用が可能だ。また、リリースフィルムを使用せず成形することも可能で、作業工程の短縮や副資材の削減が実現できるとしている。

リサイクル

双日プラネット 中国社とリサイクル樹脂の販売代理権を獲得         2024.9.17

 双日プラネットは、中国・江蘇弘盛新材料(Bestory Advanced Materials)と、使用済み漁網を原料とするリサイクルナイロン樹脂の販売代理権を取得し、戦略的提携契約を締結したと発表した。

鹿島 廃棄プラスチック梱包材を土のう袋に再生利用         2024.9.17

 鹿島は、萩原工業、JFEエンジニアリンググループのJ&T環境と共同で、建設現場で廃棄される使用済みのプラスチック梱包材を、土のう袋の材料として再生利用したと発表した。鹿島の建築現場から分別回収した使用済みプラスチック梱包材を、J&T環境が再生ペレット化し、萩原工業が再生ペレット15%、PEバージン材85%の比率で混ぜ、土のう袋を5万枚製造した。これまで焼却処理されていたプラスチック梱包材をリサイクルすることで、バージン材の使用量を減らすことができた。今後、3社は継続して建設現場で発生する使用済みプラスチック再生材を活用した製品を研究していくとしている。

M&A・出資

iPEACE223 2.3億円の資金調達を実施     2024.9.10

 バイオエタノールからプロピレンを生産するゼオライトを活用したETP触媒プロセスを開発している東工大発スタートアップiPEACE223は、日本火薬及びファンドより約2.3億円の資金調達を実施したと発表した。iPEACE223は、日本化薬と2024年度より共同研究を開始していて、資金調達によりETP触媒によるバイオプロピレン製造技術の実用化に向けた取り組みを加速させるとしている。

体制

デンカ PE延伸フィルムから撤退 大船工場稼働停止へ         2024.9.9

 デンカは、神奈川県鎌倉市にある大船工場について、2026年3月末をめどに稼働を停止すると発表した。これに伴い、大船工場で生産していたポリエチレン横延伸フィルム「カラリヤン Yフィルム」および同フィルムを複合した包装用粘着テープ「カラリヤンテープ」については事業撤退する予定だ。主要販売地域でいるアフリカでの需要が減少していることに加え、原材料高騰や固定費の増加、さらには包装の簡易化が事業継続を困難にしていることが要因としている。

DIC マレーシア子会社がISCC PLUS認証を取得2024.9.10

 DICは、マレーシアにある子会社DIC Epoxyが、持続可能な製品の国際規格のひとつである「ISCC PLUS認証」を8月に取得したと発表した。対象は、エポキシ樹脂「EPICLON」で、認証取得により、マスバランス方式を採用した製品の取り扱いが可能になった。

三菱ケミカルGr ISCC PLUS認証を追加取得2024.9.10

 三菱ケミカルグループは、三菱ケミカル広島事業所で生産するコーティング材料用メタクリル樹脂「ダイヤナール」と中日本事業所大垣地区で生産するポリエステル樹脂「ニチゴーポリエスター」が、7月に新たにISCC PLUS認証を取得したと発表した。これらの製品のマスバランス方式による取り扱いが可能となった。

住友化学 シンガポールのMMA生産能力を削減         2024.9.11

 住友化学は、シンガポールの子会社である住友化学アジアが生産しているMMA(メタクリル酸メチル)モノマー及びPMMA(メタクリル樹脂)の各製造設備について、3系列中2系列を2024年9月末を目途に停止すると発表した。MMAモノマーは約8割、PMMAは約7割の生産能力削減となる。アジアでのMMAモノマーやPMMAは今後生産能力の拡大が見込まれるが、住友化学は汎用用品領域での安定販売量と利益を確保するのが困難と判断した。今後、PMMAの特殊品・高付加価値品分野に注力し、市況に左右されない事業構造に転換していくとしている。

住友化学 住友ベークライトの保有株式の一部を譲渡         2024.9.18

 住友化学は、持分法適用関連会社である住友ベークライトの保有株式の一部をシンガポール政府投資公社(GIC)に譲渡すると発表した。住友化学は現在住友ベークライトの株式を議決権行使割合で22.62%所有しているが、7.02%に当たる株式をGICに譲渡し、譲渡後の所有割合は15.61%となる。住友化学は収益性の悪化から構造改革に取り組んでいて、施策として資産売却の取り組みを行っている。住友ベークライトの保有株式譲渡も施策の一環となる。株式譲渡後は住友ベークライトは持分法適用関連会社から除外されるが、両者の取引関係への影響はなく、今後も良好な関係を維持していくとしている。

ニュースウォッチ

  • ポリプラ、液晶ポリマーをマスバランス化 2024.9.10
  • クラレ、再生可能な自動車向け新材料の開発本格化2024.9.12
  • 住ベ、セラ並み放熱特性の樹脂シートを大型事業に 2024.9.12
  • 三菱ガス化学、台湾で熱可塑性ポリイミド攻勢 2024.9.13
  • 樹脂ブロックの内部亀裂を防止 PLAMO、射出成形新技術 2024.9.16
  • プラスチックの好感度回復傾向 プラ工連、イメージ調査結果公表 2024.9.14
  • パナHD、家電プラの劣化診断 再生材の使用義務化にらむ 2024.9.18
  • アーケム、環境型ウレタン製品拡充 ヤシ由来原料を活用 2024.9.19

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