研究
住友ゴム 大阪大学とがん細胞だけを吸着する特殊ポリマーで治療法開発 2024.7.19
住友ゴムは、大阪大学大学院医学系研究科の山本浩文教授らの研究グループと、住友ゴムが開発した特定のがん細胞を血中から吸着る特殊ポリマーによる「がん細胞吸着キッド」を使用した、新たながん治療法開発を目指す共同研究を推進していると発表した。がんに罹患した場合、血液中には血中循環がん細胞が発生し、このがん細胞を分析することで治療法の選択研究ができる。しかし、血中がん細胞はごく僅かしか存在しないため、従来の方法では特定のがん細胞と血液細胞を完全分離することは難しかった。住友ゴムが開発したがん細胞吸着キットは、中間水の働きで特殊ポリマーの硬さを制御することで、特定のがん細胞のみを吸着することができる。共同研究では、血中循環がん細胞の研究を通じて、がん活性化シグナルを明らかにし、そのシグナルを阻害する治療薬投与に結び付ける研究、及び新薬開発の可能性などの研究開発を加速させるとしている。
製品
三洋化成 環境配慮型プラの臭気消臭剤を開発 2024.7.17
三洋化成は、プラスチックの溶融混錬時に混ぜ込むだけで、環境配慮型のプラスチック固有の臭気成分に対して高い消臭効果を発揮する消臭剤「ケシュナール」を開発したと発表した。バイオマス複合PEやPPで発生するアルデヒドやケトン、環化合物、酸などのVOC、リサイクルPPなどで発生するポリオレフィン分解物由来の臭気を捕捉し、樹脂中に固定化することで臭気を抑制する。
ユニチカ 環境配慮型不燃透明シート「ユークリア―シートE」を発売 2024.7.18
ユニチカは、製造時のCO2排出量を約60%削減した環境配慮型不燃透明シート「ユークリアーシートE」の販売を開始したと発表した。ユークリアーシートは、ガラスクロスと樹脂を複合した不燃透明シートで、主に防炎垂れ壁・間仕切りなどに使用されている。開発したユークリアーシートEは、従来品と同等の性能を有し、CO2排出量を約60%削減した。環境問題への意識が高まる中、市場ニーズに沿った製品ラインアップとして位置付けているとしている。
適用
旭化成 水現像フレキソ樹脂版がティーバッグのパッケージの製版に採用される 2024.7.17
旭化成は、伊藤園の「健康ミネラルむぎ茶(ティーバッグ)」包装水性フレキソ印刷用に、開発した水現像フレキソ印刷樹脂版「AWP」が採用されたと発表した。従来、国内のパッケージ印刷は、ほとんど油性グラビア印刷で行われているが、環境意識の高まりから、印刷プロセスで溶剤を使用しない水性フレキソ印刷への関心が高まっている。旭化成は、水現像フレキソ印刷樹脂版「AWP」を使用した水性フレキソ印刷では、油性グラビア印刷・ドライラミネート方式比べ、CO2排出量を約14%削減できたとしている。
リサイクル
矢野経済 ELV由来プラ回収量を900tと推計 2024.6.27
矢野経済研究所は、自動車プラスチックリサイクル市場の調査を実施し、国内のELV(End of Life Vehicle)由来のプラスチック回収量の見込みを900tと推計した。現状、自動車に採用されているELV由来のリサイクルプラスチック材料は、主に解体工程で回収された内装材由来の材料だ。自動車関連各社は、従来採用されてこなかった外装由来のリサイクルプラスチック材料を含め、破砕工程やシュレッダーダスト由来のリサイクルプラスチック材料の採用を検討するなどで安定調達を図るものとみられる。
住友化学 ホンダEVフロントグリル向けに「ノーブレン Meguri」を供給 2024.7.16
住友化学は、ホンダが2024年秋に発売予定の新型電気自動車(EV)「N-VAN e:」のフロントグリル向けに、マテリアルリサイクル技術によって得られたPP「ノーブレン Meguri」を提供すると発表した。回収したホンダ車の廃棄バンパーを、再生事業者である協和資材が洗浄・粉砕し、住友化学の材料設計とコンパウンド技術で再生材料とした。住友化学は、今後もグループを挙げて「Meguri」の製品ラインアップを拡充し、循環型社会の実現に貢献していくとしている。
レゾナック 使用済みプラ・リサイクルによるアンモニアを船舶燃料に供給 2024.7.17
レゾナックは、使用済みプラスチックをリサイクルして製造したアンモニアを、日本郵船が8月に竣工する世界初の商用アンモニア燃料タグボート(A-Tug)に供給すると発表した。レゾナック川崎事業所が2003年より製造しているECOANN(エコアン)を、横浜港本牧ふ頭でTruck to Ship方式で船舶へ供給する。
M&A・出資
Hamee 複合プラ再資源化プラント開発のREMAREと資本・業務提携 2024.7.24
Hameeのプラスチックリサイクルサービス「ParallelPlastics」は、複合プラスチックの再資源化プラントを開発するREMARE(三重県鳥羽市)と資本・業務提携を行ったと発表した。「ParallelPlastics」とREMAREは、両者のリサイクル技術やノウハウを組み合わせることで、国内の海洋プラスチックごみや産業廃プラスチックの有効活用を加速させるとしている。
体制
ENEOS NUC 超高圧・高圧電線用PE設備を竣工 2024.7.11
ENEOS NUCは川崎工業所内で増設した超高圧および高圧電線の絶縁用ポリエチレン設備の竣工式を行ったと発表した。生産能力は年産約3万トンで、6月から商用運転を開始していて、7月下旬から販売を開始する。ENEOS NUCの架橋PEは電線の絶縁材料として優れた電気特性と高いクリーン度、加工性の良さを特徴としている。ENEOS NUCは、高圧法低密度PEから得られる電線グレード専用の特殊レジンを独自ノウハウでコンパウンド・架橋している。
積水化学 タイでの合わせガラス用中間膜生産能力増強 2024.7.22
積水化学工業の高機能プラスチックカンパニーは、タイ ラヨン県にある合わせガラス用中間膜生産拠点に、ヘッドアップディスプレイ(HUD)用くさび型中間膜を中心とした高機能製品群(N-HPP)の新製膜ラインを増設すると発表した。合わせガラスは自動車や建造物で使用されている。特に、自動車ではフロントガラスのみならずサイドガラスやルーフガラスへの適用が拡大するとともに、HUD対応、遮音・遮熱、デザインなど高機能付加中間膜が高い成長を続けている。積水化学はこれまで、2017年にメキシコ、2020年にオランダでHUD向けくさび型中間膜の生産を開始したが、今回タイに約80億円の投資を行い、自動車700万台/年分の生産能力を増強する。2026年度下期の稼働を予定する。
ニュースウォッチ
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