プラスチック関連動向 2024.6.14
プラスチック関連動向 2024.6.14

プラスチック関連動向 2024.6.14

研究

産総研、東ソー 常圧・低濃度CO2からジエチルカーボネート合成触媒反応を開発      2024.6.10

 産総研触媒化学融合研究センターのチームと東ソーは共同で、ポリカーボネートやポリウレタン原料として使用されるジエチルカーボネートを常圧・低濃度CO2から合成する触媒反応を開発したと発表した。従来ケイ素反応剤ジエチルカーボネート合成は高純度CO2と数MPaの加圧が必要だったが、エタノールと有機強塩基を用いたCO2の化学吸着によりエチル炭酸塩を形成させることで、体積比15%程度のCO2や常圧下でのCO2を利用したジエチルカーボネート合成に成功した。この反応を利用することでCO2分離・圧縮工程の簡略化によりコストとエネルギーの削減ができるとしている。

プラスチック、原料

東ソー 低温硬化ブロックイソシアネートがGSC奨励賞を受賞         2024.6.3

 東ソーは、新化学技術推進協会グリーン・サステイナブル ケミストリー ネットワーク会議(JACI GSCN会議)が主催する第23回グリーン・サステイナブル ケミストリー賞(GSC賞)で、「低温硬化ブロックイソシアネート」技術が奨励賞を受賞したと発表した。ポリウレタン塗料硬化剤として使用されるブロックイソシアネートで、感温性のあるアミン触媒とブロック剤を組み合わせることで、80℃で硬化が可能な低温硬化型ブロックイソシアネートを開発した。自動車塗装や、耐熱性が低い木材やプラスチックなどへの用途開発を進めている。

三菱ガス化学 ポリカーボネートでISCC PLUS認証を取得         2024.6.11

 三菱ガス化学は、鹿島工場で生産するポリカーボネートについて国際的認証制度ISCC PLUS 認証を取得したと発表した。認証取得により、鹿島工場で生産するPCについてマスバランス方式により割り当てたISCC PLUS認証PCの取り扱いを開始する。また、MGCグループの鹿島ポリマー、MGCフィルムシート、三菱エンジニアリングプラスチックス、三菱ガス化学トレーディングでも認証取得済みで、サプライチェーンを通じてマスバランス方式でのPC製品群を提供できるとしている。

製品

シキボウ コットン素材再利用のPPレジンペレットを開発         2024.5.20

 シキボウは、廃棄コットン素材を再利用しPP樹脂に分散させたバイオマスプラスチックペレット「CottResin」を開発したと発表した。従来廃棄されていたコットン素材をミクロサイズまで細かくし、PPと混合した。PP100%商品に比べ、物性が向上することが確認できた。廃棄物の削減だけでなく、強度アップによる箔肉化での樹脂使用量の低減や軽量化などの効果も期待できるとしている。シキボウは今後CottResinの事業化に取り組み、3年後に3億円の販売を目指すとしている。

適用

カネカ 生分解性バイオポリマーがスズキの船外機梱包資材に採用される        2024.6.6

 カネカは、生分解性バイオポリマー 「Green Planet」製のフィルム、発泡成型品が、スズキの船外機の梱包資材に採用されたと発表した。フィルムは船外機の埃除けカバーと付帯部品の袋、発泡成型品は緩衝材に使用されている。

リサイクル

デンカ、東洋スチレン 市原市と使用済みPS回収で事業連携協定を締結        2024.5.29

 デンカは、グルーブ会社東洋スチレンと共同で、千葉県市原市のデンカ千葉工場内に建設した使用済みポリスチレン(PS)のケミカルリサイクルプラント稼働に伴い、市原市と市内で発生した使用済みPS製品を回収する事業連携協定を締結したと発表した。2023年に実施したPS製品の試験回収の結果を基に、2024年7月より工業施設などで使用済みPS製品の回収を開始する。

M&A・出資

日本ゼオン ZSエラストマーを吸収合併 2024.6.12

 日本ゼオンは、2016年12月に住友化学と合同で設立した溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S-SBR)の研究開発、販売を行うZSエラストマーを吸収合併し100%子会社とすると発表した。住友化学との合弁解消に伴うもの。住友化学が保有するZSエラストマーの株式40%分は日本ゼオンが買い取る。2024年10月の合併を予定する。

体制

帝人 ポリカーボネート樹脂シート・フィルムの生産増強         2024.6.10

 帝人は、ポリカーボネート樹脂「パンライト」のシート・フィルム生産の新ラインを立ち上げ、6月17日より生産を開始すると発表した。自動車内装や車載機器の高品質化が進む中、タッチパネルやヘッドアップディスプレイなどの光学機器の採用が増えていて、これらの光学機器には、耐衝撃性や透明性に優れたポリカーボネート樹脂のシートやフィルムが使用されている。帝人は愛媛県松山市の松山事業所内に年間生産能力1,350トンの「パンライト」の単層・複層シート・フィルム生産新ラインを新設し、急増する車載光学機器需要に対応する。2027年度には年間25億円の売上を目指すとしている。

日本ゼオン シクロオレフィンポリマーの新プラントを建設へ         2024.6.11

 日本ゼオンは、シクロオレフィンポリマー(COP)の新プラントを建設すると発表した。山口県周南コンビナート内に約18万m2の事業用地を取得し、投資総額約700億円をかけて年産12,000トンのCOP新プラントを建設する。COPは優れた光学特性から、光学フィルムや光学レンズ向けに使用されているが、医療用途や半導体用途などでの採用も拡大している。日本ゼオンは、岡山県の水島工場で約42,000トンのCOP生産能力を保有する既存工場があるが、新工場を合わせた生産理宇力は54,000トン/年と増強される。2028年上期の竣工を予定する。

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