プラスチック、原料
PSジャパン 植物由来原料を一部使用したPSグレードを上市 2024.2.6
PSジャパンは、植物由来の原料を一部使用したポリスチレン(PS)グレードEAシリーズの販売を開始したと発表した。EAシリーズは石油由来原料の一部を植物由来品に置き換えたものであるが、完全相溶性PSであるため端材の再利用が可能だ。植物由来原料を11%使用した高透明性グレードEAG11(GPPS)を先行して上市した。今後、植物由来原料を30%使用した耐衝撃性グレードEAH30(HIPS)の上市を予定している。食品包装容器を製造販売している東光のデザートカップおよびケーキトレーにEAG11の採用が決まった。
三菱ケミカルG 発泡性PBT樹脂を開発 2024.2.7
三菱ケミカルグループは、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT樹脂)ノバデュランの発泡性グレード「ZRシリーズ」を開発したと発表した。発泡剤の分解残渣が課題の化学発泡剤の使用や、特殊な成型機が必要な物理発泡を使用することなく、樹脂自体が発泡性を持ち、比重が1.0を下回る超低比重の成形品が得られる。ZRシリーズは、PBT樹脂の持つ高い耐薬品性や耐熱性は維持している。
適用
中興化成 SLIMにフッ素樹脂製ダイヤフラムが搭載 2024.1.26
中興化成工業は、自社のフッ素樹脂製ダイアフラムが2024年1月20日に月面着陸したJAXAの月探査機SLIMに搭載されたと公表した。ダイヤフラムは酸化剤を貯蔵するタンクに使用されている。従来はチタン製のものが使われていたが、動きが硬く、重たいという課題に対して約1mmの薄肉で、酸化剤の薬液が振れても劣化しにくく、柔軟なPTFE製ダイヤフラムが採用された。
モルテン TPU素材のみで作られたマットレスを販売開始 2024.2.2
モルテンは、TPU(熱可塑性ポリウレタンエラストマー)のみで作られたマットレスカバーを開発し、このカバーを装着した静止型の標準マットレスを、病院・施設・在宅向けに販売を開始すると発表した。通常の合成皮革マットレスカバーは、表面のPU樹脂層と合成繊維の裏打ち層から構成されていて、医療や福祉の現場で使用される際に合成繊維層への臭いの浸み込みの課題があった。モルテンは厚み約170ミクロンのTPUによる樹脂カバーにすることで臭いの課題を低減した。
リサイクル
出光 ケミカルリサイクル装置建設時に発生する廃プラを再資源化 2024.1.31
出光興産は、2023年12月にJNCエンジニアリング(JNCE)に、出光の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン(CRJ)の油化ケミカルリサイクル装置の建設を委託したが、建築する際に発生する使用済みプラスチックの再資源化に向けた取り組みをJNCEと共同で開始すると発表した。取り組みでは使用済みプラスチックをJNCEが分別・回収し、CRJが生成油を生産、出光が石油化学製品や燃料油の原料として利用可能かを確認する。装置完成後は、リニューアブル化学品や燃料油の生産を目指すとしている。
ENEOS 家庭ごみ廃プラのケミカルリサイクル実証実験を開始 2024.2.1
ENEOSは、大分県国東市と協力して、家庭ごみ廃プラスチックを使用したケミカルリサイクルに向けた実証実験を実施すると発表した。国東市内の指定地域の住民の協力を得てケミカルリサイクルに適した廃プラスチックを収集し、ENEOSが油化した上で、石油製品やプラスチック製品への循環再利用に適した油の性状を有するかを評価する。家庭ごみ廃プラを含む一般廃棄物のケミカルリサイクルの実証実験は全国初となる。
体制
バイオマスレジン 北東北エリアに新拠点を設立 2024.1.30
バイオマスレジンは、岩手県波郡矢巾町にある北日本製袋株式会社が子会社として1月22日付けてバイオマスレジン北日本を設立したと発表した。青森、秋田、岩手を対象とした北東北エリアでのライスレジンの普及を目指す。また、岩手県とバイオマスプラスチック製ごみ袋を活用した清掃活動などのバイオマスプラスチックを活用した岩手県内の環境啓もう活動に関する連携協定を締結したと発表した。
AGC PEM水電解用フッ素イオン交換膜製造設備に投資 2024.1.30
AGCは、現在物流拠点となっている北九州事業所に約150億円をかけてPEM型水電解装置向けフッ素樹脂イオン交換膜FORBLUE Sシリーズを製造する設備を新設すると発表した。FORBLUE Sは世界トップレベルの電圧性能とガスバリア性を持つ。2017年より試験販売を行っていた。2026年6月の稼働を予定し、2030年には売上高300億円を目指すとしている。
アキレス 滋賀第二工場にウレタンフォーム生産ラインを増設 2024.1.31
アキレスは、滋賀第二工場に軟質ポリウレタンフォームの新生産ラインを増設したと発表した。アキレスはこれまで排出される液化炭酸ガス等を再利用したCO2やVOCの排出量を削減した「CRIIN FOAM(クリーンフォーム)」などの環境対応フォームを開発してきた。増設した滋賀第二工場の新生産ラインもリサイクル液化CO2などを使用し、環境に配慮した生産ラインとなっている。
レゾナック 九州大学と廃プラの地産地消型資源循環モデルを構築へ 2024.2.5
レゾナックは、九州大学グリーンテクノロジー研究教育センター、丸紅、三井住友信託銀行と共同で、九州地区で排出される廃棄物や未利用資源を活用し、資源循環型社会九州モデルを構築するための共同事業体としての「知の拠点」を2024年1月9日に形成したと発表した。レゾナックは川崎事業所のKPRプラントで廃プラのケミカルリサイクルを20年以上稼働している実績がある。知の拠点でもケミカルリサイクル中心の設計を実装することを検討していくとしている。
ニュースウォッチ
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