プラスチック関連動向 2024.12.20
  22002244..1122..2200

プラスチック関連動向 2024.12.20

プラスチック、原料

旭化成 プラスチック成型機洗浄剤 新シリーズの販売を開始 2024.12.16

 旭化成は、プラスチック成型機洗浄剤「アサクリン」の新シリーズとして3グレードをラインアップし、Rシリーズとして販売を開始したと発表した。2024年より、異物除去を重視したRXグレード、材料置換を重視したREグレードの販売は開始していて、今回高水準スタンダードタイプのRUグレードを販売することで、Rシリーズ3グレードが揃った。アサクリンはプラスチック成型機内部のスクリューやダイなどに残った汚れや樹脂を洗浄するパージ剤だ。Rシリーズは、既存製品に比べ高洗浄性能や低残留性能を強化、材料置換での時間ロス低減と生産性の向上に寄与する。

製品

東レ 高誘電性伸縮性フィルムを開発   2024.12.11

 東レは、高誘電率と高い復元性を有する伸縮性フィルムを開発したと発表した。伸縮性フィルム「REACTIS」の技術を深化させ、復元率100%を維持しつつ、従来エラストマーの2倍以上の高誘電率である比誘電率12を実現した。近年ロボット分野ではソフトロボットが注目されている。ソフトロボットでは、伸縮性を有する誘電体フィルムと両面に形成された電極から構成され、電極間に電圧をかけフィルムの誘電率に比例した変形を行う誘電エラストマーアクチュエータが使用される。従来シリコーンなどが使用されてきたが、高誘電性は有するものの、応答性に対応する高復元性に課題があった。今回開発した高誘電性高伸縮フィルムは、シリコーンフィルムを用いたアクチュエータに対し4倍以上の出力を確認している。東レは、開発品をソフトロボットの応答性向上への適用が期待できるほか、センサーの誘導体への適用も可能だとしている。

東レ 高耐熱・高耐電圧コンデンサ用フィルムを開発         2024.12.16

 東レは、150℃で動作が可能な高耐熱かつ高耐電圧コンデンサ用フィルムを開発したと発表した。車載インバータではSiCパワー半導体の採用が拡大しているが、周辺部品を含み150℃での耐熱設計により冷却構造を簡素化することで小型化・軽量化への検討されている。従来、コンデンサフィルム材質にはPPが使用されてきたが、PPでは150℃耐熱性を持たせることはできない。東レは、ポリマー設計と二軸延伸技術により高温で高い耐電圧性を有するフィルム基材層を設計し、表面にセルフヒール層を薄膜積層することで信頼性を高めた。今後、名古屋大学未来材料・システム研究所と共同で、車載インバータの実駆動環境下でのコンデンサ評価条件を構築し、150℃での動作確認をしていくとしている。

三菱ケミカル バイオエンプラDURABIOが自動車・二輪車部品に採用 2024.12.5

 三菱ケミカルグループは、植物由来のバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」が、複数の自動車や二輪車の部品に採用されたと発表した。12月5日には、スズキのSUV「フロンクス」のフロントグリルへの採用、12月13日には、BMWの7シリーズのキドニーグリルへの採用、12月16日には、ホンダの二輪車X-ADVの着色外装と透明フロントスクリーンに採用された。DURABIOは、再生可能な植物由来原料「イソソルバイド」を用いて作られるバイオエンジニアリングプラスチックで、外装部品に必要な耐衝撃性などの特性を保有するほか、着色剤を配合することで光沢のある意匠性を実現し、従来必要であった塗装工程を省くことができる。

リサイクル

サムサラエコ ナイロン6を分解する酵素を開発 2024.12.10

 オーストラリアの環境技術開発スタートアップ サムサラエコは、ナイロン6を分解する酵素を開発したと発表した。サムサラエコは、オーストラリア国立大学で研究されていたプラスチックを分解する酵素技術を基に2021年に設立されたスタートアップで、これまでナイロン6のほか、PETやポリエステル、ポリウレタンなどのプラスチックへの適用可能性を検証するとともに、商業化を目指した生産設備の建設を行ってきた。日本企業では日立や兼松が出資している。サムサラエコは、ナイロン6が広く使用されている繊維や自動車産業でのパートナーと協力して、2025年半ばにはナイロン6製品と混合材料での新酵素の試験を予定する。

住友化学 MMAモノマーでISCC PLUS認証を取得         2024.12.16

 住友化学は、愛媛県新居浜市にある愛媛工場のケミカルリサイクル実証設備で生産するメタクリル酸メチル(MMAモノマー)に関し、ISCC PLUS認証を取得したと発表した。すでに、同工場でのアクリロニトリルについては認証取得を行っている。住友化学は、ISCC PLUS認証を取得したリサイクル製品について、「Meguri」ブランドで販売していくとしている。

体制

住友化学 中国PPコンパウンド会社を譲渡      2024.12.18

 住友化学は、中国でのポリプロピレンコンパウンド事業会社2社、珠海住化複合塑料(広東省珠海市)および大連住化複合塑料(遼寧省大連市)について、全持ち株を現地コンパウンド事業会社である仕天材料科技(Guangzhou Suptech Material Technology)に譲渡したと発表した。譲渡した中国2社については、現地での強豪との競争が激化しシェアの低下を招いていた。住友化学は、経営立て直しの一環として樹脂事業の見直しを進めていて、今回の案件も短期集中での業績改善策の一環としている。

ニュースウォッチ

  • トヨタ、樹脂再利用へシステム確立 新車や補修部材 2024.12.10
  • 帝人、車向け樹脂開発 再生プラ使用、欧規則案に対応 2024.12.11
  • UBE、複合プラからPA6分離 30年社会実装へ2024.12.11
  • 経産省、「海洋10年分解」プラスチック開発へ 2024.12.11
  • ENEOSマテリアル、ハンガリーのSSBR会社を完全子会社化 2024.12.12
  • 光オンデマンド、特殊イソシアネートを来年度生産 2024.12.16
  • コベストロ、独にエラストマーのリサイクル設備 2024.12.17
  • アキレス、半導体ガラス基板にメッキ ポリピロールで高密着 2024.12.18

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です