プラスチック、原料
豊田合成 海水由来の繊維強化プラスチックを開発 2023.11.27
豊田合成は、海水由来の無機繊維で補強した軽量プラスチック素材を開発したと発表した。海水から抽出したマグネシウム化合物を補強材の一部としてポリプロピレンに配合した。補強材として使用されるタルクに比べてマグネシウム化合物は繊維状であるため補強性が高く補強材の量を低減できるとしている。
リケンテクノス リサイクル硬質塩ビ用改質剤を開発 2023.11.30
リケンテクノスは、リサイクル硬質塩ビ(PVC)用改質材を開発したと発表した。成形加工したPVCを粉砕し再利用すると熱安定性や溶融性がバージンに比べ劣り、成型時の外観荒れや物性低下を引き起こすことがある。リサイクル材に開発改質剤を添加することで、押出負荷を低減し、外観や寸法安定性を向上させることができるとしている。改質剤は用途に応じて複数のグレードがある。
住友化学 シクロヘキサノン事業から撤退 2023.12.4
住友化学は、愛媛県新居浜市にある愛媛工場で生産しているシクロヘキサノンの製造設備を、2024年3月末を目途に停止し、シクロヘキサノン事業から撤退すると発表した。シクロヘキサノンは、ナイロンの中間原料として用いられている。住友化学は1973年に愛媛工場のシクロヘキサノンプラントの操業を開始し、年10万トンの生産能力を保有している。
三菱ケミカル 生分解性樹脂「BioPBS」が海洋生分解性認証を取得 2023.12.8
三菱ケミカルグループは、植物由来の生分解性樹脂「BioPBS™」が日本バイオプラスチック協会(JBPA)の「海洋生分解性バイオマスプラ」認証を取得したと発表した。JBPAの海洋生分解性プラ識別表示制度では、海洋での生分解性および安全性を確認したプラスチック製品を認証・登録している。またバイオマスプラスチック度が25%以上の場合は「海洋生分解性バイオマスプラ」として認定される。
リサイクル
UBEマシナリー 廃プラを分別不要で再資源化 2023.11.20
UBEマシナリーは、放電精密加工研究所およびセイコーレジンと、廃プラスチックなどのマテリアルリサイクルに向けた取り組みを加速するため業務提携することで合意したと発表した。UBEマシナリーの特殊成形技術(ダイレクトサンドイッチ成形)、放電精密が保有する混合溶融技術、セイコーレジンの金型製造技術の融合により、分別困難な樹脂同士を分別不要で混合したり、木粉、竹粉、コーヒー・茶殻、貝殻粉などとリサイクル樹脂を混ぜたりした上で、ポリプロピレンの新材などで覆って成形することにより、リサイクル樹脂の充填率を極限まで高めた状態で成形できる設備と金型をシステムとして供給することを目指す。
東洋インキ 相川鉄工・荻原工業とプラスチックのリサイクルで共同開発 2023.11.28
東洋インキは、相川鉄工、萩原工業と、各社が保有する技術を用いた高品質なプラスチックリサイクルを実現するための洗浄・脱墨・異材質分離・再生等のプロセスや生産機等の開発を目的として共同開発契約を締結したと発表した。東洋インキは脱墨、剥離用素材開発技術をもとにリサイクル機器、プロセスの改良を、相川鉄工は、プラスチックの洗浄、異材質分離、脱墨技術及び装置開発を推進。荻原工業は装置やプロセスの改良を進める。
出光 日本通運と使用済み物流資材プラの再資源化で実証実験を開始 2023.11.30
出光興産は、日本通運と使用済み物流資材プラスチックの油化ケミカルリサイクルでの再資源化に向けた実証実験を開始すると発表した。日本通運の物流拠点で発生する使用済み物流資材プラスチックを原料として、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパンが油化ケミカルリサイクル技術により生成油を生産する。出光興産は、生成油の確認により使用済み物流資材プラスチックの再資源化の可能性について検証する。将来的にはリニューアブル化学品やリニューアブル燃料油の生産を目指すとしている。
ENEOS 廃プラをアスファルト舗装に応用 2023.12.8
ENEOSは、廃プラスチックのみを骨材として利用するアスファルト舗装を、静岡県浜松市にイオンリテールが開店した全館環境配慮型の新店舗「そよら浜松西伊場」に敷設し、実証試験を開始したと発表した。一般的な道路舗装は石や砂が骨材として使用される。廃プラを骨材に使用した場合、骨材同士のかみ合わせがなく舗装強度が低下することが課題となっていた。実証試験では、骨材として架橋PE廃材を使用し、骨材への粘着性を向上させて変形に耐えられる強度を付与したバインダーを開発した。
体制・M&A・出資
クラボウ ブラジルで軟質PUモールド製品製造ライン増設へ 2023.11.27
クラボウは、ブラジルの関係会社クラシキ・ケミカル・プロダクツ・ド・ブラジルの生産ラインを増設すると発表した。回復が見込まれるブラジルの自動車市場に対応し、約10億円を投資してカーシートやヘッドレストなどの軟質ウレタンモールド製品の生産ラインを増設し、生産能力を現状の2倍にする。2025年5月の生産開始を目指すとしている。
三菱ガス化学 JSPとの資本提携解消成立 2023.12.1
三菱ガス化学は、10月31日に公表していた発泡プラスチックなどを手掛けるJSPとの資本業務提携の解消について、JSPが自己株式の公開買付けを終了したことで解消が成立したと発表した。公開買い付け前、三菱ガス化学はJSP株式の54.06%を保有していたが、買い付け後は47.75%となった。三菱ガス化学は2015年に新製品開発などのシナジーを目指し、TOBによりJSPを子会社化したが、期待していたシナジーは得られなかった。
住友化学 農POフィルム事業をタキロンCIグループに譲渡 2023.12.4
住友化学は、完全子会社であるサンテーラの農業用ポリオレフィン(農PO)フィルム事業を、会社分割により、タキロンシーアイが新設する子会社タキロンシーアイサプライに承継させると発表した。タキロンCIグループは農業資材のサプライチェーンを保有している。2024年3月1日の実施を予定している。
ニュースウォッチ
- 出光興産、2024年10月めどにビスフェノールA事業から撤退 2023.11.29
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