プラスチック関連動向 2023.11.3
プラスチック関連動向 2023.11.3

プラスチック関連動向 2023.11.3

研究

JPEC 東北大学とバイオマスや廃プラ等の分解油化で共同研究 2023.10.18

 石油エネルギー技術センター(JPEC)は、2023年3月に東北大学と研究開発及び人材育成に関する包括連携協定を締結した。具体的な研究テーマについて、資源循環社会実現に向けたバイオマスや廃プラスチック等の分解油化技術開発研究で連携して取り組むことになったと発表した。全体統括を東北大学の吉岡教授が行い、高度反応制御技術開発として熱反応制御と触媒反応制御を東北大学と弘前大学のチームが、プロセス概念設計構築として分子構造解析技術開発をJPECが、ガス化プロセス技術技術開発を弘前大学のチームが行っていくとしている。

芝浦工大 ナノプラスチックの生体影響調査モデル試薬を作製         2023.10.27

 芝浦工業大学は、デザイン工学部デザイン工学科の田邉匡生教授らのグループが他の研究機関との共同研究で、高温・高圧酸化分解により劣化が進んだナノプラスチックのモデルの作製に成功したと発表した。ヒト培養細胞を用いた実験によりナノプラスチックモデルの濃度が高くなると、細胞膜が傷つけられ、細胞死が誘導されることがわかった。これによりナノプラスチックの生体影響について理解が進む可能性があるとしている。

プラスチック、原料

三菱ケミカル ホンダと自動車ボディ用新アクリル樹脂を開発中         2023.10.26

 三菱ケミカルグループは、本田技研工業と共同で自動車ボディ部品用PMMA材料を開発していると発表した。従来の鋼板でできた自動車のドアやボンネットなどの代替えとして、アクリル樹脂にゴム粒子を混合し、自動車ボディに要求される耐衝撃性などの向上を研究している。また、アクリル樹脂の調色性により、塗装工程が不要になりCO2排出の削減にも貢献するとしている。

リサイクル

マイクロ波化学、横川ソリューション 小型分散型ケミカルリサイクルシステムを共同開発         2023.10.31

 マイクロ波化学は、横河ソリューションサービスと、マイクロ波加熱を利用した小型分散型ケミカルリサイクルシステムを共同で開発すると発表した。これまで両社はケミカルリサイクルのベンチ設備でPE、PPをマイクロ波で熱分解し油化する実証試験を行ってきた。今後、PE、PP、PSを連続して熱分解できる小型分散型ケミカルリサイクルシステムを開発し、2026年の事業化を目指す。

竹中、出光 建設系廃プラの再資源化実証実験を開始         2023.10.31

 竹中工務店と出光興産は共同で、建設系使用済みプラスチックの再資源化に向けた実証実験を開始すると発表した。竹中工務店が建設現場で発生した廃プラを分別し、出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパンが油化ケミカルリサイクル技術を用いて生成油を生産する。将来的には建設系廃プラ由来の生成油を原料としたリニューアブル化学品や燃料油の生産を目指すとしている。

JFEスチール 国内最大級廃プラ処理設備を導入へ         2023.11.2

 JFEスチールは、京浜地区にある東日本製鉄所に新規に廃プラ処理設備を導入すると発表した。廃プラ処理能力は国内最大級の年60,000トンで、主に高炉・コークス炉で原料炭などの原材料の代替えとして使用する。2024年10月の稼働を予定する。

体制・M&A・出資

出光 ビスフェノールA事業を撤退       2023.10.25

 出光興産は、ポリカーボネート樹脂やエポキシ樹脂の原料となるビスフェノールA事業から撤退すると発表した。1991年に千葉事業所で生産を開始し、年8万1千トンの生産能力を保有するが、近年アジアでの設備増設によりのビスフェノールAの供給が過剰となり、事業環境が悪化していた。

旭化成 ヴィーガンレザースタートアップNFW社へ出資         2023.10.25

 旭化成は10月25日、カーボンニュートラルに特化したCVCの投資枠の第1弾として、米国のヴィーガンレザー開発スタートアップNatural Fiber Welding(NFW)社に出資し、旭化成グループ傘下の米国Sage Automotive InteriorsがNFW社とパートナーシップを構築すると発表した。

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旭化成 LiB用セパレータの塗工能力を増強     2023.10.31

 旭化成は、LiB用セパレータ「ハイポア」の米国、日本、韓国における塗工能力を増強すると発表した。ハイポアは、ポリオレフィン微多孔膜の上にセラミック等を塗工した湿式セパレータ。400億円をかけて2026年度上期までに、米国ノースカロライナ州シャーロット、宮崎県日向市、韓国平澤市での塗工能力を約7億m2/年増強する。既存生産と合わせて12億m2/年、BEV約170万台に相当する供給能力となる。

国際プラスチック条約企業連合(日本)が発足    2023.11.1

 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)は、国際プラスチック条約 企業連合(日本)を発足したと発表した。プラスチック汚染を早期に根絶するために国際条約を法的拘束力のある野心的な世界共通ルールに基づくものとして制定することが不可欠として、サーキュラーエコノミーのアプローチによるプラスチックの生産と使用の削減やプラスチック流出の予防と回復などの施策を日本政府に呼びかけるとしている。立ち上げメンバー企業として次の10社が参画している。Uber Eats Japan、エコリカ、キリンHD、サラヤ、テラサイクルジャパン、日本コカ・コーラ、ネスレ日本、ユニ・チャーム、ユニリーバ・ジャパンHD、ロッテ。

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