プラスチック関連動向 2023.10.20
プラスチック関連動向 2023.10.20

プラスチック関連動向 2023.10.20

研究

都立大 高機能バイオベースポリエステルを開発 2023.10.5

 東京都立大学大学院理学研究科の野村琴広教授らの研究グループは、大阪産業技術研究所 森之宮センター物質・材料研究部の平野寛部長らの研究チームと共同で、非可食の植物資源から、分解・リサイクル可能で、汎用プラスチックより柔軟で強度に優れるバイオベースポリエステルを開発したと発表した。開発したポリマーによるフィルムの機械特性は分子量の増加とともに向上し、汎用プラスチックより優れ、従来の高分子の分子量増加と破断強度の関係を凌駕している。

北海道大、三菱ケミカル 海洋細菌からPBS分解酵素を発見    2023.10.16

 北海道大学大学院水産科学研究院の澤辺智雄教授、三菱ケミカルグループらの研究グループは、海洋での分解性が乏しいポリブチレンサクシネート(PBS)に対し、分解性を示す海洋細菌ビブリオ・ルバー(V. ruber)を発見し、海洋細菌から新たなPBS分解酵素の特定に成功したと発表した。北海道沿岸の海水中にPBSフィルムを浸漬することでバイオフィルムを形成させ、菌叢解析によりV. ruber細菌を特定し、単離に成功した。V. ruber由来のPBS分解酵素を大腸菌で生産させ精製したものは、既存のカビ由来の酵素よりも分解性が高いことを発見した。

適用

アキレス 導電性表皮材がトヨタ「センチュリー」に採用される         2023.10.5

 アキレスは、導電性表皮材がトヨタの新型「センチュリー」の運転席シートに採用されたと発表した。アキレスの静電気対策技術は40年の歴史があり、今回トヨタの協力のもと、除電スタビライジングプラスシートの除電機能付き素材として導電性表皮材を開発した。運転席シートに適用することで、運転者周辺に溜まっている静電気をボディ全体に分散させて帯電量を軽減させることができるとしている。

青山商事 トウモロコシ由来ポリエステル繊維使用のスーツを発売       2023.10.12

 青山商事は、トウモロコシ原料を用いたデュポン製ポリエステル繊維Soronaを使用したスーツを販売すると発表した。Soronaはサステナブル素材であるだけではなく、ソフトで柔らかなタッチ、ストレッチ性、防シワ性も兼ね備えた高機能が特徴となっている。

三菱ケミカル バイオエンプラDURABIOが透明吸収パネルに採用される        2023.10.19

 三菱ケミカルグループは、植物由来のバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」が、ピクシーダストテクノロジーズ社の透明吸音パネルiwasemi RC-αに採用されたと発表した。DURABIO、再生可能な植物由来原料「イソソルバイド」を用いて作られるバイオエンプラで、透明吸音パネルを会議室などのガラスに粘着テープで貼ることでガラスと調和する高いデザイン性を実現したとしている。

リサイクル

レゾナック 環境技術PFに参画 2023.10.11

 レゾナックは、世界知的所有権機関(WIPO)が運営する、環境技術のグローバルプラットフォーム「WIPO GREEN」にパートナーとして参画すると発表した。レゾナックが保有する環境技術ケミカルプラスチックリサイクル(KPR)やグループ企業が製造販売するHPLC用カラムShodex、環境対応フェノール樹脂成形材料をWIPO GREENデータベースに登録するとしている。

体制・M&A・出資

旭化成 旭化成パックスの事業譲渡について    2023.10.13

 旭化成は、100%子会社である旭化成パックスに関して、容器事業のアァルピィ東プラへの事業譲渡を9月末で完了、フィルム事業の90%株式を住友ベークライトに譲渡する契約を締結し2024年4月1日を予定として譲渡、その結果旭化成パックスは会社清算すると発表した。

三菱ケミカル イタリアのCFRPメーカーの全株式を取得         2023.10.18

 三菱ケミカルグループは、イタリアの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の自動車部材製造販売会社C.P.C. SRL(CPC)の全株式を取得すると発表した。CPCは欧州ではCFRP部品大手で三菱ケミカルが炭素繊維をCPCに輸出して自動車用ボンネットなど外装材の製造を行っている。三菱ケミカルは2017年にCPCに出資し44%の株式を保有していた。

ニュースウォッチ

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