クリーンエネルギー&プラスチック関連動向     2025/4/14
クリーンエネルギー&プラスチック関連動向     2025/4/14

クリーンエネルギー&プラスチック関連動向     2025/4/14

水素、アンモニア、LOHC

三菱重工 豪州パースに脱炭素事業の営業拠点を設置  2025/4/7

 三菱重工業は、豪州拠点内の脱炭素事業営業拠点として、豪州西部のパースにMHI-AUSパース支店を設立したと発表した。パースは、西オーストラリア州政府による水素、アンモニア、CCUSの法整備・政府支援を基に、脱炭素関連プロジェクトの事業機会が拡大していて、三菱重工は支店を通じて、現地企業との協力関係を深め、顧客へのサービス提供を充実させる。

三井物産 米国での低炭素アンモニア製造事業をFID 2025/4/9

 三井物産は、米国ルイジアナ州での低炭素アンモニア製造事業ブルーポイントについて、出資参画を決定し、CFインダストリー及JERAと共同で最終投資判断(FID)を行ったと発表した。プロジェクトは、2025年に年間約140万トンの低炭素アンモニアプラントの建設を開始し、2029年より低炭素アンモニアの生産・販売を行う。事業では年間約230万トンのCO2を回収・貯留を行い、製造過程時のCO2排出量の95%以上を削減する予定だ。事業総額は約40億ドル(約6,000億円)を見込み、CFインダストリーが40%、JERAが35%、三井物産が25%の出資を行う。

つばめBHB ブラジル企業とグリーンアンモニア水製造設備で基本同意書を締結       2025/4/10

 つばめBHBは、ブラジルのATVOS(アトボス)社と、グリーンアンモニア水製造設備プロジェクトに向けた基本同意書(LoI)を締結したと発表した。アトボス社は、サトウキビを活用してエタノールや砂糖の生産や、バイオマス発電による電力生産を行っている。プロジェクトでは、ブラジル・ゴイアス州ミネスロスにあるエタノール生産工場に、グリーンアンモニア水製造設備を設置し、2027年をめどにグリーンアンモニア水を年間2万トン生産する計画だ。アンモニア水は肥料用途への活用が期待されている。

合成燃料

日本ゼオン 米ビソリス社とバイオイソプレンモノマーおよびSAF生産設備の建設を準備 2025/4/4

 日本ゼオンは、米国Visolis(ビソリス)社と、2024年3月に締結したMoUに基づき実施してきたバイオイソプレンモノマーおよびSAFなどの商業化検証が完了し、生産設備建設準備段階へ移行すると発表した。ビソリス社が開発した発酵プロセスで生産した中間製品を原料とし、化学プロセスでバイオイソプレンモノマーおよびSAFを商業規模で生産する。建設地については、今後候補地の絞り込みを進めるとしている。

日揮 国産SAFをおよびデルタ航空、フィンエアー、および自衛隊に供給 2025/4/8

 日揮HDは、4月8日、日揮グループのSAF製造事業会社SAFFAIRE SKY ENERGYが製造するSAFについて、コスモ石油を通じて2025年度よりデルタ航空とフィンエアーに供給することが決定したと発表した。また、10日には関西国際空港で航空自衛隊のブルーインパルスにSAFを供給したと発表した。ブルーインパルスは、国産SAF燃料を使用して、4月13日大阪・関西万博開幕日に万博会場上空で展示飛行を行う予定であったが、天候不順により展示飛行は中止となった。

ENEOS 大阪・関西万博会場内車両に合成燃料を供給 2025/4/11

 ENEOSは、スズキ、SUBARU、ダイハツ工業、トヨタ自動車、マツダが大坂・関西万博で来賓・関係者が乗車する車両に、合成燃料を提供すると発表した。2024年9月にENEOS中央技術研究所内に竣工した実証プラントで製造した合成燃料を、トヨタ、マツダが提供する来賓向け車両、スズキ、SUBARU、ダイハツが提供する関係者向け車両に供給する。

CO2回収、DAC、CCUS

三菱重工 船上CO2回収システムのAiPを日本海事協会から取得       2025/4/10

 三菱重工はグループ会社である三菱造船が開発を行っている船上CO2回収システム(OCCS)が、日本海事協会から基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。OCCSは、船舶から排出される排ガスを浄化後、CO2を回収して液化・貯蔵するシステムだ。三菱重工は、関西電力と共同で開発したCO2回収システムKM CDR ProcessやAdvanced KM CDR Processを商用化し、2025年4月時点で18基のプラント納入を行っている。OCCSではこれらのCO2回収技術を基に、排ガス前処理、CO2液化、貯蔵、ハンドリングの技術を組み合わせ船上搭載可能なシステムを構築した。今後、システムの製品化に向け開発を加速させるとしている。

運搬・貯蔵、燃焼、その他

川崎重工 水素混焼仕様改造可能なガスエンジンを2基受注    2025/4/9

 川崎重工は、エネ・ビジョンより日東紡績の富久山事業センターのガスエンジンコージェネレーションシステムの更新プロジェクト向けに、8MW級ガスエンジンKG-18-Tを2基受注したと発表した。川崎重工は、2014年に工場の生産プロセスに用いる電気と蒸気を供給する5MW級ガスエンジン発電設備KG-12 2基を納入していて、今回のプロジェクトはこれらの設備の更新となる。更新設備は、将来的に改造工事を行うことで、体積比30%まで都市ガスに水素を混焼させることが可能となる。2027年2月の引渡しを予定する。

IHI アンモニア発電電力を大坂・関西万博に供給       2025/4/11

 IHIは、相生事業所内に設置したガスタービン発電で実証をおこなっている液体アンモニア専焼による発電電力を、大阪・関西万博に提供すると発表した。IHIは、2022年よりNEDO GI基金事業「燃料アンモニアサプライチェーンの構築プロジェクト」で開発・実証を行い、ガスタービン設備でのCO2フリー発電を成功させている。

プラスチック

三菱ガス化学 CO2から製造メタノールを原料にユリア樹脂を開発     2025/4/10

 三菱ガス化学は、パナソニック エレクトリックワークス社(パナソニック)と共同で、CO2から製造したメタノールを原料としたユリア樹脂を開発したと発表した。ユリア樹脂は尿素とホルムアルデヒドの反応によって得られる熱硬化性樹脂で、耐トラッキング性や耐アーク性に優れ、コンセントなどの配線器具に使用される。三菱ガス化学は、CO2から製造したメタノールをグループ会社であるMGCウッドケムに供給し、ウッドケム社がメタノールを原料にホルムアルデヒドを製造しパナソニックに供給する。パナソニックグループは、ホルムアルデヒドを原料にユリア樹脂および配線器具を製造する。原料をCO2に置き換えることで、20~30%のCO2排出量削減に貢献する。2025年度以降の環境配慮型ユリア樹脂を使用した配線器具の販売を目指すとしている。

ニュースウォッチ

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