クリーンエネルギー&プラスチック関連動向     2025/3/10
クリーンエネルギー&プラスチック関連動向     2025/3/10

クリーンエネルギー&プラスチック関連動向     2025/3/10

水素、アンモニア、LOHC

千代田化工 ENEOS向けDirect MCH実証プラント建設工事を受注 2025/3/5

 千代田化工建設は、オーストラリア子会社であるCHIYODA ENERGIES(CEPL)が、ENEOSより直接メチルシクロヘキサン(Direct MCH)を活用した大規模実証プラントの建設工事を受注したと発表した。
 ENEOSはこれまで、電解セルで直接MCHを合成することで中間プロセスを省略し、低コストでMCH製造を可能にするDirect MCHプロセスの150kW級電解槽プラントを豪州クイーンズランド州ブリスベンに建設し、2024年3月まで実証を行ってきた。
 今回千代田化工が受注した大規模実証プラントは、1.2MW級の実証プラントとなり、千代田化工はプラントのEPCを行う。ENEOSの計画では大型電解槽プラントでの実証試験を2026年度から2027年度にかけて行うとしている。

合成燃料

日揮、コスモ石油 国産SAF大規模製造設備の竣工式を開催    2025/3/7

 日揮HDとコスモ石油は、レボインターナショナルと設立した合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYが、廃食用油を原料とした国産SAFの製造、供給事業を行うため、コスモ石油堺製油所港内に設置したSAF製造設備の竣工式を3月6日に開催したと発表した。供給するSAFはISCC CORSAの認証を取得していて、年間約3万kLのSAFを2025年4月頃から航空会社に供給を始める予定だ。

CO2回収、DAC、CCUS

アイカ工業 ケイ酸カルシウム板にCO2を固定化       2025/3/4

 アイカ工業は、不燃性建築素材であるケイ酸カルシウム板にCO2を固定化する技術を確立したと発表した。アイカ工業グループでケイ酸カルシウムや押出成形セメント板を製造するアイカテック建材の3工場では、高温の蒸気を使用するため、アイカグループ国内拠点のCO2排出量の約30%を占めていた。アイカ工業はケイ酸カルシウム板の廃材粉にCO2を炭酸カルシウム(CaCO3)として固定化させ、製品の原材料として活用する技術を確立した。3×6サイズ(910×1,820mm)・厚さ6mmのケイ酸カルシウム板1枚あたり約200~300gのCO2が固定することで、1年間に約770t程度のCO2を固定化できる見込みだ。アイカ工業は、今後実用化に向け技術開発を行っていくとしている。

九州電力 環境配慮型施設園芸でCCU活用    2025/3/5

 九州電力は、福岡県のCO2分離膜スタートアップCarbon Xtract、双日九州、農研機構と共同で、化石燃料利用を最小限に抑えた環境配慮型園芸の実証事業を、福岡市保有の今津リフレッシュ農園で開始したと発表した。Carbon Xtractが開発を行う分離ナノ膜を使用したDAC(m-DAC)を利用して、ハウス外で回収したCO2をハウス内に供給し、作物の光合成を促進させ収穫量の向上を図る。また、加温には九州電力がノウハウを持つヒートポンプ技術を提供する。

運搬・貯蔵、燃焼、その他

IHI 都市ガス/水素混焼ハイブリッドボイラの販売を開始      2025/3/4

 IHIは、グループ会社のIHI汎用ボイラが、都市ガス専焼モードと水素混焼を熱量比10%、20%、30%で選択できるモードに切り替えることができる小型還流ボイラK-750CSを開発し、販売を開始したと発表した。製品は、工場内で使用される蒸気を製造する還流ボイラに改良を行い開発した。2023年12月から1年間トヨタ自動車九州の宮田工場内で評価を行っていた。自動車、食飲料品、製紙、石油化学などの業界での活用を想定している。
 IHI汎用ボイラは2025年4月からタクマグループになるが、2025年度はIHI汎用ボイラのブランドで活動を行うとしている。

プラスチック

三菱ケミカルGr 欧州での使用済み自動車プラスチックリサイクルPJに参画    2025/3/4

 三菱ケミカルグループは、BASF、Covestroなど化学、リサイクル業界7社と共同で設立した低炭素社会実現を目指すプラットフォームGlobal Impact Coalitionが、使用済み自動車のプラスチックリサイクル・サプライチェーン構築のための実証実験プロジェクトを2025年2月より開始したと発表した。プロジェクトでは100台の使用済み自動車からプラスチックを取り出し、10種類のポリマーに分類した上で、参画メーカーがポリマーの特性に応じたリサイクルを行うことで実現性を検証する。欧州での使用済み自動車のプラスチックリサイクルのサプライチェーン構築のために、世界的な企業が連携するのは初めての試みであり、日本からは三菱ケミカルGrのみが参画している。

住友化学 ケミカルリサイクル・アクリル樹脂の販売を開始      2025/3/6

 住友化学は、ケミカルリサイクルにより製造されたMMAモノマーを原料としたPMMA(ポリメチルメタクリレート:アクリル樹脂)の販売を開始すると発表した。住友化学は2022年に愛媛工場にPMMAケミカルリサイクルの実証設備を設置し、自治体や企業と試験的な原料の提供を行ってきた。今回の販売では、韓国LG Displayに液晶ディスプレイのバックライトユニット導光板原料として、日産自動車にヘッドランプレンズ用原料として供給を開始する。

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