クリーンエネルギー&プラスチック関連動向   2025/2/10
クリーンエネルギー&プラスチック関連動向   2025/2/10

クリーンエネルギー&プラスチック関連動向   2025/2/10

CO2濃度

環境省 地球全体のCO2濃度増加量が過去14年間で最大 2025/2/6

 環境省は、国立環境研究所、JAXAと共同で開発運用を進める温室効果ガス観測人工衛星GOSATシリーズの1号機「いぶき」による観測から、地球全体のCO2濃度(全大気平均濃度)の2024年の年増加量が2011年以降で最大の3.5ppm/年になったと発表した。
 GOSATシリーズでは、大気中のCO2とメタンの濃度を観測する。CO2の全大気平均濃度は2010年には388ppmであったが、2024年には421ppmを上回った。増加量は過去14年間の平均は2.4ppm/年であったが、2024年には3.5ppm/年となり、これまでの最高値であった2016年の3.1ppm/年を上回った。環境省は、国立環境研究所、JAXAは今後もGOSATシリーズによる気候変動モニタリングを行い、成果を国際社会に発信していくとしている。

水素、アンモニア、LOHC

三菱ガス化学 メタノール→水素で戦略的提携  2025/2/4

 三菱ガス化学は、メタノールから水素生成器を製造するスペインのメタノール・リフォーマー社、および水素生成技術を保有する米国のエレメント1社と、メタノール改質技術および水素ソリューション開発・商業化に関する覚書を締結したと発表した。三菱ガス化学は、環境循環型メタノールCarbopathを含むメタノール事業を展開していて、メタノール・リフォーマー社およびエレメント1社にメタノールを供給する。2社はライセンスに基づきメタノールを原料とする水素生成器を量産化する。3社は水素資源が不足している地域や利用コストが高い市場での水素ソリューションとしてメタノール原料水素生成器の導入を加速させるとしている。

三菱ガス化学 メタノールFC搭載常用電源システムを共同開発         2025/2/5

 三菱ガス化学は、電気興業と共同でダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)「FcMycle」を搭載した電源システムを共同開発したと発表した。ENEOSリニューアブル・エナジー社の風力発電量予測技術開発プロジェクト用風況観測機器の常用電源として採用された。

カナデビア 山梨県と水電解スタック量産で立地協定を締結         2025/2/7

 カナデビアは、PEM型水素発生装置の中核機器である水電解スタックの量産工場を山梨県都留市に建設するにあたり、山梨県および都留市と立地協定を締結したと発表した。カナデビアは、約80億円を投資し山梨県都留市厚原の新工業団地に工場を新設し、2028年度末までの操業開始を計画している。水電解スタックの生産能力は年産1GWで、電解効率5kWh/Nm3として水素換算で15万7千トンになる。カナデビアは、水素関連事業で2030年代に売上高1,000億円以上、2040年代には2,000億円以上を目指すとしている。

三菱商事 キリンビール千歳でグリーン水素エネルギー活用実証         2025/2/7

 三菱商事は、キリンビール、三菱商事クリーンエナジーが出資運営するMCKBエネルギーサービスおよび高砂熱学工業、三浦工業と共同で、キリンビール北海道千歳工場で使用する蒸気ボイラ用燃料の一部を化石燃料由来からグリーン水素由来に転換し、ビール製造工程にグリーン水素由来蒸気を活用する実証を2026年6月から開始すると発表した。実証期間は10年を予定し、実証を通じてグリーン水素エネルギーによるGHG排出量削減効果や技術課題を検証するとしている。

合成燃料

ENEOS スカイマーク向けにSAFを供給開始  2025/2/3

 ENEOSは、スカイマークとSAFの売買に関する契約を締結したと発表した。ENEOSはAFの原料調達から自社製造・販売までの一貫体制の構築を進めている。

日揮 SAFFAIRE SKY ENERGYがSAF供給開始         2025/2/6

 日揮HDは、グループ会社であるSAFFAIRE SKY ENERGYが国内で製造するSAFを、共同事業者であるコスモ石油およびコスモ石油マーケティングを通じて、2025年4月より順次、国内外の航空会社に供給を開始すると発表した。SAFFAIRE SKY ENERGYのSAF生産プラントは2024年12月末に建設を完了し、1月より試運転に入ると発表していた。

豊田通商 ブラジルでサトウキビ廃棄物由来メタン生産実証を検討       2025/2/7

 豊田通商は、ブラジルの砂糖・エタノール生産企業フェラーリ・アグロインダストリア(FAI)、バイオガス事業者セビガス・コティカ・バイオエネルギア、および東邦ガスと共同で、ブラジルでのバイオメタン生産実証に向けた共同開発契約を締結したと発表した。4社はサトウキビ廃棄物を原料としたバイオメタンの生産を目指す。2026年内の稼働を目指して、ブラジル・サンパウロ州のFAIサイト内において、1日あたり5,500m3のバイオメタン生産能力を有する実証プラントの建設・運営に向けた検討を行う。将来的には、ブラジル国内でのバイオメタンの量産体制の確立を目指し、日本への輸出を視野に入れる。

運搬・貯蔵、燃焼、その他

三菱重工 低圧液化CO2内航輸送船のAiPを取得         2025/2/5

 三菱重工はグループ会社である三菱造船が、日本ガスラインと共同で、内航輸送を想定した低圧液化CO2輸送船(LCO2輸送船)について、日本海事協会から基本設計承認(AiP)を取得したと発表した。LCO2輸送船は、国内で回収したCO2を貯留地に輸送するの海上輸送手段となる。今後国内でのCCSプロジェクトが本格化し需要拡大が見込まれている。

体制

JFEエンジ 住友ケミカルエンジニアリングの株式66.6%を取得       2025/2/3

 JFEエンジニアリングは、住友化学の100%子会社である住友ケミカルエンジニアリングの株式66.6%を取得すると発表した。住友ケミカルエンジニアリングは、石油化学、ファインケミカル、半導体産業分野でのプラント設計・建設で実績を持つ。JFEエンジニアリングは住友ケミカルエンジニアリングで実績のある半導体製造向け設備需要を取り込む。住友化学は、国内外外の事業環境が大きく変化する中、JFEエンジニアリングと経営資源や事業ノウハウを掛け合わせ、付加価値の高いビジネスを展開することが住友ケミカルエンジニアリングにとり有効と判断し、株式譲渡の決定に至ったとしている。

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