水素、アンモニア、LOHC
伊藤忠 分散型グリーン水素供給事業英スタートアップに資本参加 2025/1/10
伊藤忠商事は、グリーン水素の製造・供給を行う英国のProtium Green Solution(プロティウム)社に資本参加をすると発表した。プロティウム社は2019年に英国ロンドンで設立し、中小規模の需要をカバーする分散型グリーン水素の製造・供給・利活用機器の調達運用を行っている。英国政府による3,000万ポンド(約58億円)規模の物流水素化プロジェクト(HyHAUL)に共同参加していて、2030年までに1GWのグリーン水素生産能力を保有するという構想を持っている。伊藤忠商事は、プロティウム社への資本参加を通じて、水素ソリューションの知見やノウハウを活用した水素製造・供給事業を日本やアジアへの展開を図るとしている。
プロティウム社へは、同日東邦ガスも出資を行ったと発表している。
合成燃料
INPEX eメタンの国際的アライアンスに加盟 2025/1/7
INPEXは、e-methan(eメタン)の世界的な普及拡大を目指す国際的アライアンス「e-NG Coalition」に加盟したと発表した。アライアンスは、eメタンの推進、温室効果ガス排出量の算定基準および認定基準の標準化によるグローバル市場の構築や革新的技術の促進や低減活動などを行う。INPEXは、新潟県長岡市の長岡鉱場越路原プラントで回収したCO2による世界最大規模のメタネーション実証実験設備の建設工事を進めている。アライアンスへの参加により、eメタンの普及拡大に努めるとともにeメタンエネルギー開発および安定供給を行っていくとしている。
カナデビア Inovaが英バイオガス事業会社を買収 2025/1/8
カナデビアはスイスの100%子会社Kanadevia Inova(イノーバ)が、イギリスでバイオガスプロジェクトの事業開発・運営を行っているIona Capital(ICL)およびICLのグループ会社3社を買収したと発表した。ICLはこれまでイギリスなどに11か所のバイオガスプラントを運営しているほか、欧州や米国で新規プロジェクトの開発も行っている。カナデビアは、2014年に乾式メタン発酵技術「コンボガス」を買収して以降、ドイツやイタリヤのバイオガス企業を獲得し、欧州や北米を中心にバイオガス事業の拡大を図っている。
出光 豪州でSAF原料ポンガミア試験植林を開始 2025/1/9
出光興産は、HEFA技術でSAFを製造する際の原料として期待される非可食の油糧作物ポンガミアの試練植林を、1月中旬より豪州クイーンズランド州で、豪州の石炭資源会社スタンモア社の協力のもと、約50haの用地で開始すると発表した。ポンガミアの栽培に関する知見を有する米国のテルピバ社に出資し、試験植林を共同で行う。
出光は2030年までに年間50万kLのSAF供給体制を構築することを計画し、徳山事業所でHEFA技術による年間25万kLのSAF生産を2028年から開始することを目指しているが、SAF原料の確保には需給ひっ迫や価格変動が伴うことが予想され課題になっている。ポンガミアは強い日差しや干ばつに強く、単位面積当たりの油収量が他の油糧作物と比較して多い。出光はポンガミアの栽培により、安定的な原料確保をねらう。
コスモ、日揮 SAF製造設備が完成 2025/1/10
コスモ石油と日揮HDは、レボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYと共同で取り組んでいる廃食用油を原料とした国産SAF製造・供給事業のためのSAF製造設備が2024年12月25日に完成したと発表した。コスモ石油堺製油所内に設置してもので、年間約3万kLのSAFの国内供給を行う予定だ。今後、製造設備の試運転を2025年1月より開始し、4月頃より航空機へのSAF供給開始を予定する。事業ではレボが原料調達を、サファイアがNeat SAF製造を、コスモエネルギーGrが混合SAF製造および販売を行う。
CO2回収、DAC、CCUS
AGC CO2を原料としてエチレン製造を検討 2024/12/24
AGCは、カナダのスタートアップCERT systems(サート)社と、電気分解技術によるCO2を原料としたエチレンの製造検討に関する共同研究契約を締結したと発表した。CCU技術の導入によりAGCグループが製造するPVCやフッ素樹脂の原料エチレンをCO2由来のものに置き換えることを検討する。サート社は、CO2電気分解によりエチレンを製造するパイロット実証実験に成功していて、AGCはサート社と共同でCO2電気分解プラントの実用化に向けた検討として、プロセス検証や事業性評価などをグループ拠点と連携して行っていくとしている。
IHI 積水化学から小型CO2回収装置を受注 2025/1/10
IHIは、積水化学工業から小型CO2回収装置を受注したと発表した。積水化学のひたちなか・東海クリーンセンターの燃焼排ガスからCO2を分離回収するために使用される。積水化学は、CO2を90%以上の高効率でCOに変換するケミカルルーピング反応技術を開発していて、バイオリアクター技術と合わせてポリマー原料へ転化する技術実証がNEDO GI基金事業に採択されている。今回納入したCO2回収装置は、アミンによるCO2吸収方式で1日あたりのCO2回収量が600kg、体積当たり99%以上の純度のCO2を得ることができる。
プラスチック
ハイケム リコーの高分子量PLA製造技術を譲受 2025/1/6
ハイケムは、リコーが保有する高分子量PLAに関する技術および知財を取得すると発表した。高分子量PLAは、重量平均分子量が30万以上のポリ乳酸(PLA)で、一定環境下で水とCO2に分解する生分解性を有する。ハイケムとリコーは、2021年より高分子量PLAを臨海二酸化炭素を用いて量産化するための共同開発を実施してきた。ハイケムは高分子量PLAの技術を中国をはじめとする世界各地にライセンス展開するとしている。
統計
ニュースウォッチ
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